揺れる木陰
木陰が揺れて、さっと君の気配を感じる。
また来てくれた。
暑い陽射しの中・・・
さて、今日はなんの話をしよう?
昼間の夢
白昼夢みたいだな、と思ったことがある。
朝一に職場に行って、1番最初の仕事がのだめカンタービレの映画を観ることだったときだ。
ちょうどのだめにハマっていた時期だった。
え、仕事でのだめを観ていいの!?と
まるで夢みたいで、そして涙がでた。
忙しい仕事だが、たまにこういうことがある。
仕事でテーマパークに行ったり、
オーケストラを聞いたり、
ブタの目を解剖したり、
化石を取りに出掛けたり、
夢か現実か分からない。
仕事か趣味か分からない。
二人だけの。
幼なじみがいる。
幼馴染みと言っても幼稚園のときから面識はあったけど、初めて言葉を交わしたのは小5のときだ。
近所に住んでいたのに、同じクラスになったことがなく、小5のときに初めて同じクラスになった。
小学校あるあるだろうか。
クラスが離れた途端に友達解消、みたいな。
その逆現象だった。
まるで昔から知っていたようにあっという間に仲良くなった。
しかし、彼女は極めて優秀だった。
習字の習っている私より字がきれいだった。
私が溜めるばかりと思っていた進研ゼミを勉強に使う人を初めて見たときは衝撃を受けた。
学校では真っ先に課題を終わらし、先生に次の課題を求めていた。
まるでハーマイオニーだ。
ハリーポッターの小説を教えてもらったのも彼女で、私の読者歴には彼女の影響が過分にあった。
だから、仲がよい割りにいつも私は嫉妬の嵐だった。
目の上のたんこぶだね、とよく両親に笑われた。
そりゃ、私はピアノも続かなくてすぐにやめたし、
水泳だって習い事レベルで選手コースなんて誘われたこともない。そろばんだってできないし、計算は苦手だ。
だけど、私は負けず嫌いだった。
小6になってそろばんも始めたし、進研ゼミも開いてみた。図書館にも通うようになって伝記漫画を一通り読んでみた。
両親はいい影響を受けていると喜んでいたけれど、影響を受ける側でいるのがいつも悔しかった。
彼女とは色々な出来事がある。
地域の盆踊りコンクールで一緒に優勝したり、
壁新聞コンクールで入賞したり、
高校受験で私の嫉妬心が破裂して絶交したり、
はたまたお互いに志望校に受かって、和解したり、
今では数ヵ月に1回はご飯に行く親友だ。
職種も同じで志を同じくする。
また、機会があれば書きたい。
夏
夏といえば、海!
去年初めて、水上バイクに乗った。
習い事の知り合いから誘われた。
自分のキャンプ仲間で愉快なお酒好きのおっちゃんらがいるよ、という情報しかなかった。
正直、行きたくなかった。
けど、私は誘われると断れない性だ。
イルカに会えるよ、という誘惑も後押しして、一人で車を2時間走らせた。
知り合いが3人、見ず知らずの人が8人、水上バイクが三台、テントが3旗、ハイエースが3台。
未知の世界だった。これがパリピか。
水上バイクで海上をすべった。
新幹線の天井にしがみついている感覚だった。
指の力が抜けたら飛んでいく。
マジでそう思って必死だった。
海水のしょっぱさなんて20年ぶりだった。
サンクックで焼くローストビーフ。
カップ麺を持っていった私が滑稽だった。
海辺の朝に飲むバナナスムージーやコーヒーも格別だった。
すべてが初体験。
海で遊ぶということを知った。
もちろんイルカにも会えたし、無人島にも行った。
楽しかった、だけど少し悪いことをしているようで肌に合わない感じもした。
隠された真実
ハリーポッターシリーズの「謎のプリンス」を読んだことがおありだろう?
以下、ネタバレ注意
スネイプ先生の隠された真実を知ったとき、私は
初めて二重スパイの孤独に目を向けた。
物語の正義である主人公から悪者扱い方を受け、いつも疑われ、憎まれ、哀れなスネイプ先生を好きになった読者は多いだろう。
死の秘宝では、
教師として、生徒を守るために、尊敬する恩師に手をかけることにもなった。最終的に自分が殺されることを分かりながら・・・。
ハリーポッターシリーズで最も胸が張り裂けそうな展開である。
唯一の救いは、彼が死ぬ前にその隠された真実をハリーが知ることである。
そして、死に際にハリーとスネイプは分かり合うのだ。
二重スパイでありながら、生きている間にスネイプに報われる瞬間があって、本当によかった。
スネイプはハリーの目を見つめながら涙を流して、死に絶える。
その目に最愛のリリーを映しながら。
最愛の人が自分の宿敵と結ばれてしまった絶望。
その二人の子であるハリーへの戸惑い。
憎みながらも、守り続けた信念。
受け入れた自分の命の価値。
ハリーポッターシリーズのもう一人の主人公はスネイプである。
ハリーには仲間がいたが、スネイプはずっと孤独だった。
私たちが大人になった今、もう一度スネイプの立場で読み返したい。