きづめ

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8/18/2024, 9:42:29 AM

歳を重ねるほど増えていく

いつまでも捨てられないもの

そうだったものをひとつひとつ手放したとき

ひとはひとつひとつ

大人になるのだろうか

8/17/2024, 4:52:47 AM

荒波に揉まれ

人間の冷たさを知り

真夜中まで任務をこなし

対価の少なさに涙を流しつつも

大切な人のために働く

脚光を浴びることがなくても

俺はきっとヒーローだ。


サラリーマンとしての誇らしさを胸に

さ、今日も仕事行くか。

8/15/2024, 12:45:09 PM

高校の新しい友達と時間を忘れて遊んだ。友達と別れた時にはもう9時過ぎだった。親には7時には帰ると言っていた。ここから家に帰るには自転車を全力で漕いでも30分はかかる。背筋が寒くなったのを振り切るように首を横に振った。そして脚に力を入れる。
真っ暗闇の中に街灯だけがぼんやりと光る。べったりと背中に張り付くシャツが気持ち悪い。家に帰ったらすぐ風呂に入ろう、いや、きっと親に怒られるのが先だ。
ふと、波の音が聞こえた。海?まさか。自転車を静かに降りる。鼓動が急に早くなる。家は海とは逆方向だ。案の定、目の前が開けた。
海だ。
真っ黒だった。
空と海の境目がわからないほど真っ黒な海。
静かな波の音と水面に揺れる月の光で、直感的にそれが海であることがわかった。
ただただ怖かった。巨大な自然の漆黒の中に、自分自身も溶け込んでしまいそうだった。帰らないと。自転車に跨る。早く、早く。涙を手の甲で拭って、一心不乱に自転車を漕ぎ続けた。
家に帰ることができたのは10時前だった。親にも叱られたけど、家のあかりは本当に本当に、温かかった。

8/14/2024, 12:16:24 PM

6歳のとき真奈はまだ自転車が上手く漕げなかった。なのでいつも親に送り迎えをしてもらった。よく自転車に乗って遠くまで遊びに行っていた中学生の兄には、真奈はとても憧れた。
「自分のあしで、あんなにとおくに行けるんだ!」
親は真奈が成長するにつれ、送り迎えの頻度を減らして、真奈に自転車の練習をさせるようにした。そんなある日のことだった。
「痛っ……!」
鼓動の速さを遠くに感じながら、膝頭のあざやかな血を呆然とみつめた。
怪我は軽かったが、自転車の恐怖は真奈に纏わりついて離れなかった。あんなに憧れた「自力」が怖くなった。いつまでもおかあさんに送り迎えしてもらえたらいいのに。情けないけど、呟きが漏れ出た。


自転車に乗って、自分の力で遠くに行きたい。
怖さを乗り越え、あの頃の真奈の気持ちが戻ってくる日は、きっと来るのだろうと思う。

8/13/2024, 11:45:47 AM

死を待つこと

怖くてどうしようもなくて
目を背けようとして
やがて諦める

身体が少しずつ
自分から離れていくような気がする

だけど心は
自分のものであって欲しい
心の健康
死を"待つ"より
美しく強いきもち

最後の最後の吐息まで
自分の人生を
生きていく

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