まる猫

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7/16/2023, 2:50:08 PM

 目を閉じた

 すると音が鮮明に聞こえ始める

 川のせせらぎ

 風の揺らぎ

 木々の葉

 蝉の声

 遠くで聞こえるは飛行機の音

 様々な音が心地良い音楽となり

 鼓膜を揺らす

 目を開け

 僕は飛び石の上でステップを踏んだ

       『空を見上げて心に浮かんだこと』より

7/12/2023, 4:23:09 AM

 朝目覚めると1件の通知が来ていた___

 眠たい目を擦りながら画面をじっと見る

 大きな欠伸をひとつ

 スマホをベッドに放り投げ

 横にあるカーテンを開ける

 うん、今日もいい天気

 近くで蝉の声が聞こえる

 汗ばんだ体を洗い流すため

 私はベッドから降りた

 未読の通知を残したまま

 【_____】

                『1件のLINE』より

7/8/2023, 3:04:40 PM

 誰かが言った

 “百万ドルの夜景”

 ”その景色は

 誰が見ても美しい”と

 眼下には

 あちこちキラキラと輝いている景色が広がっている

 白にオレンジ、金色に、、、

 さまざまな光が集まっている

 ”あ、あそこ車が通っている”

 ”あの道から私たち来たのかな?”

 ”高速道路も見えるね‼︎”

 あっちこっちから声が聞こえる

 私だけではない

 みんなそれぞれこの景色に見惚れている

 私は手すりに寄りかかり

 その風景を瞼に焼き付けるために

 目を閉じた

               『街の明かり』より

7/8/2023, 7:36:03 AM

 “ささの葉さ〜らさら〜”

 遠くから子どもたちの歌が聞こえる

 縁側に飾ってある笹が風により

 さらさらと揺らいでいる

 そこには色とりどりの短冊や飾りが飾られており

 笹の葉を彩っていた

 私は水の入った桶を沓脱石の上に置き

 空を見上げた

 雲ひとつない星空が広がっている

 歌のように本当に砂子のようだ

 天の川の両側に目的の星を見つけ

 桶の位置を調節する

 袖が濡れないように少し捲し上げ

 桶の中にある天の川を少しかき混ぜる

 こうすれば織姫と彦星の光がひとつになる

 今年も無事に会えたようだ

 私は縁側にうつ伏せになり

 指だけくるくると廻し続けた

                   『七夕』より

7/4/2023, 12:48:26 PM

 “神頼みかい?”

 僕にとって一世一代の大勝負

 試験に受かるよう一生懸命お参りしている僕の横に

 それは現れた

 ニヤニヤ顔でこちらを見ている

 僕は不審な顔でそれを見た

 それの眼はどこか不思議で

 思わず吸い込まれそうになり

 慌てて眼を逸らした

 “神様は未来がわかると思うかい?”

 “もし分かったとしても、きっとそれを伝える術は”

 “持ってないんだよ”

 分かっている

 自分でも理解している

 けれども、最後にどうしても縋ってしまうのだ

 大丈夫と思っても

 どうしても頼まずにはいられない

 そんな僕の思いを読んだかのように

 それは言った

 “君の願い叶うと良いね”


           『神様だけが知っている』より

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