初めて来る場所
初めて通る道
どこを見ても
見覚えのない景色
ここはどこだろう
カーナビを見るも
目的地は目の前にあるトンネルの先を指している
なんだろう
このホラー的な状況は
私生きて帰れるよね
後ろを見ても誰もいない
私は手に汗握りながら
アクセルを踏みこんだ
『この道の先に』より
“え、うそでしょ、、、”
この日は朝から土砂降りで
予報では1日中雨だと言っていた
なのに
帰宅時会社を出ると
ギラギラと太陽が輝いていた
濡れていたはずのアスファルトも乾いており
蒸発した水分によりむわっと熱気が上がってくる
目の前を子どもたちがはしゃぎながら駆けていった
何があんなに楽しいんだろうか、、、
ついそう思ってしまう自分に嫌気がさす
子どもたちは太陽をものともせず
所々に残っている水たまりの上をジャンプしている
羨ましい、、、
今日は雨だからと思って
日傘も日焼け止めクリームも何も持ってきていない
この日差しのなか
30分も歩いて帰らないといけないなんて
考えるだけで憂鬱となる
どんどん遠ざかっていく子どもたちの声を聞きながら
私は意を決して足を踏み出した
『日差し』より
幼い頃は
大人になれば
綺麗な字が書ける
素敵な人と結婚して
子どもを産んで
幸せに暮らすことができる
大人になれば
なんでもできる
って考えてた
でも、現実は甘くないよね
綺麗な字を書きたければ
それだけ練習しないといけないし
素敵な人を見つけるには
自分磨きもしないといけない
何ひとつ苦労せずには得られない
あぁ
あの頃の無垢な時代に戻りたい
『子供の頃は』より
“あぁ、退屈だ”
“何か面白いことないかな?”
TVでは暗いニュースばかり
それを他人事のように流し観る
変わらない毎日
変わらないルーティン
いつもぐるぐる同じところを回っている
“あぁ、つまらないな”
飲みかけの冷えたコーヒー
出しっぱなしの洗濯物
いつもの朝の1コマ
それが日常
これが日常
『日常』より
子どもの頃は戦隊モノや
女の子たちが戦うアニメを観て
赤色やピンクが好きだったなぁ
それから少し成長すると
クールな青色
好きな人が初めてできた頃は
また、ピンクやオレンジが好きになっていた
それから推しの色
初夏には
緑色が好きになり
夏には海の色
冬は白が好きになり
あぁ
私の世界はこんなにも好きな色で溢れている
『好きな色』より