3年間腕を通した夏服も今日でさよなら。
長い長い夏が終わって冷たい風が冬服を歓迎してる。
これからよろしく大切に着るから。
そう言った私に冷たい風はいっそう強く吹いてきた
今日も始まる風との戦い
─────『衣替え』
好きだった自分の声がいつからか嫌いになった。
大好きなワンピースもやめて
私はいつもパンツスタイル。
憧れだったハイヒールも
今ではスニーカー一択。
腰まで伸ばしたツヤツヤ髪も
今ではショートカット。
私の大好きはいつも私に邪魔される。
周りが言う私らしさを求めていたら
私が好きなものから遠くなっちゃった。
でもあの子は違かった。
私らしい私じゃなくて
私が好きな私を見てくれた。
嬉しかった。声が枯れるまで泣いた。
だってあの子は
「似合ってない」「いつもの格好の方がいい」
なんて言わないでありのままの私を受け入れくれたから
あの子は私の救世主
─────『声が枯れるまで』
始まりはいつも人任せ。
みんなの流れに流れてただ過ごしてる。
これが私。
でもアイツが来てから
私の日々は変わった。
アイツ外から来たのに遠慮って言葉知らないんだよ。
私のテリトリーに遠慮なく踏み込んできた上に
私を連れ出そうとするんだ。
悔しいんだアイツが来てから
楽しいと感じる私の日々が
私のいつもはアイツから始まる。
─────『始まりはいつも』
言葉を交わしてるのに
目は合わない。
そんな君が嫌いだ。
メッセージを送っても
既読無視か
五文字以内の返信が基本の
君が好きじゃない。
いつも僕だけが浮かれてるような
そんな関係がいつか変わって欲しいと思う。
だってすれ違いざまに笑う君が好きだから。
─────『すれ違い』
秋晴れの空の下
加速する心拍数を隠しながら歩く私がいた。
だって今日は面接!!なのだから。
もう帰りたい。
今からUターンして家に行きたい。
そんな気持ちを心の隅に置きつつ
私はもう既に入口まで来ていたのだ。
緊張する。もう汗が吹き出そうだった。
優しく声をかけてくれる大人たちも
今は巨大な何かに見える。
面接練習では第一印象は7秒で決まるとか言われたけど
そんなの入り口でミスったら終わり。
こんなことを考えていたら
消えていなくなりたいと思ってしまう。
面接は一人だけの戦いだから怖い。
秋晴れの空に吹く風が私の緊張ごと
吹き去って行けばいいのにと私はずっと考えていた。
─────『秋晴れ』