秋晴れの空の下
加速する心拍数を隠しながら歩く私がいた。
だって今日は面接!!なのだから。
もう帰りたい。
今からUターンして家に行きたい。
そんな気持ちを心の隅に置きつつ
私はもう既に入口まで来ていたのだ。
緊張する。もう汗が吹き出そうだった。
優しく声をかけてくれる大人たちも
今は巨大な何かに見える。
面接練習では第一印象は7秒で決まるとか言われたけど
そんなの入り口でミスったら終わり。
こんなことを考えていたら
消えていなくなりたいと思ってしまう。
面接は一人だけの戦いだから怖い。
秋晴れの空に吹く風が私の緊張ごと
吹き去って行けばいいのにと私はずっと考えていた。
─────『秋晴れ』
10/18/2024, 11:51:21 PM