冬は一緒に寝ていようよ
冬は一緒に温まろうよ
冬は一緒にお鍋を食べよう
冬は一緒に手を繋いでデートしようよ
冬は一緒に星を見ようよ
二人一緒なら寒くないでしょ
冬は一緒に過ごそうよ
君と一緒に生活していきたいよ
─────『冬は一緒に』
あなたにとっての,とりとめもない話ってなんですか?
天気の話とか今日の予定の話とかですか?
ここでは私のとりとめもない話を聞いて欲しいんです。
私学校って嫌いだったんです。今もそうですけど。
なんで嫌いか分かりますか?
学校ってたくさんの人がいるじゃないですか。
それが嫌なんです。
学校って愚痴の溜まり場だと思うんです。
「あの子,スカート短くしてるけど似合ってなくない?」
「あの子,太りすぎて邪魔なんだけどw」
「あの子,ウザイんだけど。そう思わない?」
「先輩に絡まれるんだけどマジで意味分かんないよね」
こんな会話なんて日常茶飯事だと思うんです。
いくら今いい人になってても,
こんなことが一回もないなんてこと
ないと思うんですよ。
突然なんですけど,私って太ってるんです。
学校行ったらだいたい特定の人と集まって
話をすると思うんです。
その人たちと会話をしていると
私のデブいじりをしてくるんです。
明るく返してるんですけどね。
ほかの仲良くもない人達に何か言われてると思うと嫌になってきますよね。
実は私ってポジティブだからといって
本当はポジティブの鎧を着ているだけなんです。
鎧を着ていても鎧の下は
少しずつ少しずつ傷が増えてるんです。
なんでなんでしょうね。
鎧を着てるのに。
いつも一緒にいる人にでも
“表でこんなこと言ってるだから
裏ではもっと言われてんだろうなぁ”
って思っちゃうことって,たまにあるんですよ。
嫌になってくるんですよね。
でも私って最低なんです。
私より見た目が太っていると人の悪口が出た時
「私も太ってるからなんも言えないわ」
こう言うと
「あの人よりは痩せてるから。」
そんな言葉を貰えるから嬉しくなっちゃうんです。
容姿いじりがツライって嫌だってわかっているのに。
相手に言ってないからいいって
思っちゃったりするんです。
みんな小中の道徳の時間ってイジメはダメだよとか
人が嫌なことは言っちゃダメだよねとか
そんな授業をしたと思うんです。
私もそんなことは理解してるんです。
でも私って最低なんです。
どうしても行動に移せなくて。
疲れちゃいますよね。
こんな世界。
誰が作り出したんでしょう,こんな世界。
世界のせいにするななんて声もありそうですね。
特定の人にとっていい事だろ思って行動したことが
他の人にとってはいい事じゃなくて
私疲れちゃったよ。
こんなとりとめもない話を見てくれて
ありがとうございました。
いつかはこんな話も
面と向かって話せる人ができるといいな
生きてる間に出会えるといいな...
─────『とりとめもない話』
何も変わらない時間に目覚ましが音を出す。
その音はいつもとは違って
私の頭を締め付けているようで
倦怠感が襲ってきた。
目覚ましを止めて
すぐに体温計に手を伸ばす。
ピピッそんな音が鳴って画面を見た。
38.0℃そんな数字が示されていた。
熱,風邪か...。
彼に直接は移す可能性があるので
LINEで送ることにした。
「風邪ひいた。」
すぐに既読がついたが返信が来ない。
すると部屋の外から
「大丈夫?」
なんで大きな声で焦ったように言ってくるから
「大丈夫だけど大丈夫じゃない」って声を出した。
声を出したら喉が痛くて
私の声はちょっとかすれた声だった。
「大丈夫じゃないじゃん!」
そう言って彼はどこかに行ったような足音がした。
何も言わずにどこか行くから少し悲しくなった。
しばらくして「ただいまー」彼の声が聞こえた。
彼はマスクをしたまま私の部屋に入ってきて
「冷えピタとかゼリーとか
解熱剤とか色々買ってきたよ。」
なんて言ってくれた。
「ありがとうだけど,
何も言わないでどっか行かないでよ。」
「少し寂しかった!」
そう言うと
「ごめん,どこ行くか言ってなかったっけ?
めちゃくちゃ焦って忘れてた。ほんとごめんね。」
頭に手をポンと乗せて言ってきた。
「薬飲むためになんか食べないといけないから
うどんでいい?」
私が頷いたのを見て彼は作りに言ってくれた。
彼の優しさになんだか涙が出そうだった。
薬を飲んだら寝るんだよって彼は言ったけど
「寝るまで一緒にいてくれる?」
言ったら
「やだ」
なんて意地悪な答えが返ってきたから
服の袖を引っ張って目を合わせて言ったら
「狡いわ」
なんて耳を赤くしてそばにいてくれた。
ありがとう。
看病してくれて,優しくしてくれて
今度お礼しなきゃね。
そのために早く治さなきゃ。
どんなときも優しくしてくれるあなたが大好きだよ!
─────『風邪』
冬と言ったら?
この問いには必ずと言っていいほど“雪”が入ると思う。
なんで?そう聞かれても分からない。
いつの間にか
冬=雪なんて式ができていた。
ニュースで流れる各地方の降雪量の放送。
やっぱりここは雪が降らないのか...。
降雪量予想で“0”この数字を見て思う。
他の地域の降雪量の数字を見て
「いいなぁ」
なんて声が出るほど私は雪が好き。
こっちなんて初雪の“は”の字も知らないかのように
冷たい風が私に矢のように突き刺さるだけなのに。
大人になったら雪は迷惑に感じるなんて
父や母は言ってたけど,
やっぱり嘘だったんだ。
だって現に私が好きだから。
いつになってもきっと私は雪が好き。
いつになってもきっと私は雪を待ってる。
私と雪を一緒に待ってくれる人も
探しに行っていいですか?
─────『雪を待つ』
寒さに耐えられなくて早歩きで
帰宅するところだった私。
信号が赤になって足を止めた私はふとお店の
ショーウィンドウに貼られたチラシに目を向けた。
イルミネーションが開催中といった
内容をしたチラシだった。
「あぁもうそんな時期になったのか。」
そう声が出る私。
仕事、仕事、仕事ずっと仕事のことで
いっぱいいっぱいになっていて
それ所じゃなかったから
イルミネーションみにいきたいな
そう思って彼のところに向かった。
「ただいま」
私の声を聞いて彼が玄関まで来てくれる。
「おかえり」
彼はそう言って私の荷物を持ってくれた。
2人で食卓を囲んでいる時に
「あのさ,一緒にイルミネーション見にいかない?」
私が言うと
「いいね」
彼はそう言ってくれた。
イルミネーションを見に行く日
バレないようにしてたのに,
同僚にも後輩にも
「今日デート?」「今日なんかあるんですか?」
なんて聞かれて驚いた。
どうしてって聞いたら
いつもより笑顔じゃんって言われた。
無意識だったから余計恥ずかしい。
「お先に失礼します」
そう言って足早に彼との待ち合わせ場所に向かった。
もうそこには彼がいて
「待たせちゃった。ごめん。」
そう言うと
「全然待ってないよ。行こっか。」
そう言って手を繋いできた。
普段彼から繋いでくるなんてないのに
そのことに驚いて彼の方を見ると耳が赤くなってて
温かい気持ちになった。
イルミネーションの会場に着くと
たくさんの人がいた。
久しぶりのイルミネーションは綺麗で
気分も高まっていた。
沢山写真も撮った。
もちろん彼の写真も。
彼も写真を撮って楽しんでいた。
大きなハートのイルミネーション
に入って写真を撮っている人たちを見て
「ねぇねぇ,私たちも撮ろうよ」
彼は少し恥ずかしがっていたけど
「良いよ」と言って撮ってもらった。
家に帰るまで彼とは手を離さないで歩いた。
冬のイルミネーションは
とても寒かったけど彼と行けて幸せで温かかった。
来年も再来年も彼も一緒に行きたいな
そんな気持ちは彼に言わなくても
伝わってるといいな
─────『イルミネーション』