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寒さに耐えられなくて早歩きで
帰宅するところだった私。
信号が赤になって足を止めた私はふとお店の
ショーウィンドウに貼られたチラシに目を向けた。

イルミネーションが開催中といった
内容をしたチラシだった。

「あぁもうそんな時期になったのか。」
そう声が出る私。
仕事、仕事、仕事ずっと仕事のことで
いっぱいいっぱいになっていて
それ所じゃなかったから
イルミネーションみにいきたいな
そう思って彼のところに向かった。


「ただいま」
私の声を聞いて彼が玄関まで来てくれる。

「おかえり」
彼はそう言って私の荷物を持ってくれた。

2人で食卓を囲んでいる時に
「あのさ,一緒にイルミネーション見にいかない?」
私が言うと
「いいね」
彼はそう言ってくれた。


イルミネーションを見に行く日
バレないようにしてたのに,
同僚にも後輩にも
「今日デート?」「今日なんかあるんですか?」
なんて聞かれて驚いた。
どうしてって聞いたら
いつもより笑顔じゃんって言われた。

無意識だったから余計恥ずかしい。

「お先に失礼します」

そう言って足早に彼との待ち合わせ場所に向かった。
もうそこには彼がいて
「待たせちゃった。ごめん。」
そう言うと
「全然待ってないよ。行こっか。」
そう言って手を繋いできた。
普段彼から繋いでくるなんてないのに
そのことに驚いて彼の方を見ると耳が赤くなってて
温かい気持ちになった。

イルミネーションの会場に着くと
たくさんの人がいた。
久しぶりのイルミネーションは綺麗で
気分も高まっていた。
沢山写真も撮った。
もちろん彼の写真も。

彼も写真を撮って楽しんでいた。

大きなハートのイルミネーション
に入って写真を撮っている人たちを見て
「ねぇねぇ,私たちも撮ろうよ」
彼は少し恥ずかしがっていたけど
「良いよ」と言って撮ってもらった。

家に帰るまで彼とは手を離さないで歩いた。
冬のイルミネーションは
とても寒かったけど彼と行けて幸せで温かかった。

来年も再来年も彼も一緒に行きたいな

そんな気持ちは彼に言わなくても
伝わってるといいな





─────『イルミネーション』

12/14/2022, 11:10:44 PM