私見ちゃったの。
彼が女の人とホテルに入っていく姿。
女の人の方は彼と腕を組んで歩いてたし,
彼は振り払う素振りもなかったし
気の所為であって欲しいけど
もしかして浮気してる?
その場から一刻も早く逃げ出したくて
見た記憶なんて消えてと思いながら
早歩きいや,もう走って家に帰った。
“今日帰り遅くなる”
LINEの通知に彼の名前が出てくる。
既読だけつけてスマホの電源を落とした。
でも浮気してたとしても
私問いつめることなんてできない。
問い詰めたとして
私の元に帰ってくる確率って何%残ってる?
問い詰めて
「さようなら」って言って
他の人の元に行ってしまったら私そんなの嫌だ。
問い詰めないで私から別れを告げても
彼は,なんのダメージもないんだろうな。
「さようなら」
その一言で私たちの関係は
なかったことになってしまうんでしょ。
なんでだろう...こんなに涙があふれるの。
浮気してんなら同棲なんて提案してくんなよ...!
そう思う私はまだ彼のこと好きなんだ。
浮気してる奴にいい人がいないって分かってる。
だから
貴方からさよならは言わないで
私から貴方にさよならって言ったあげる。
その時まであなたは私に隠し続けて。
私は冷静になれるまで
さよならは言わないから。
─────『さよならは言わないで』
前やってしまった失敗とか,
あの時どんな行動していたら良かったのか
色んなことを考えて
自分の部屋で
落ち込んでしまうことがある。
「...私って何やっても上手くいない。」
そんなことを考えて気分が暗くなってしまう。
まるで出口の無い闇の世界に放り込まれたみたい。
コンコン
ドアをノックする音がした。
「...開けるよ」
彼の声がしたけど私に返事する力もなかった。
電気もつけずに座っていると
彼はぎゅっと抱き寄せてくれた。
「辛いことがあるなら,
すぐにじゃなくていいから
僕に頼ってね」
そう言ってくれる彼は
私を無条件に出口のない闇の世界から
光の世界連れてってくれる。
光と闇の狭間に居る不安定な私を彼を支えてくれる。
そんな彼は私の大切な人。
いつか私も彼を支えていきたい。
─────『光と闇の狭間で』
貴方を好きになるなんて思ってもなかった。
親友が聞いてきたことを彼にも聞いてみた。
「男女の友情って成立すると思う?」
「え,成立してんじゃん俺ら。」
「そうだよね!」
その時はなんとも思ってなかった。
私も成立してると思ってた。
いつからだろう君を意識しているのは。
今まで居心地の良かった君との距離。
今はなんだか辛くなる。
この距離どう詰めれたらいいですか?
─────『距離』
「車止めてそっちに行くから先に行ってて。」
パパが言った。
「OK」
「じゃあはぐれないようにママの手か服掴んでてね。」
ママが言った。
「はーい。」
私,ママとパパとお出かけするの楽しくて好き!!
あっ,ママとパパずっとここにいる。
もうつまんなくなっちゃった。
おもちゃのところ行こ
「わぁ,かわいい!!」
動物さんたちのぬいぐるみとかリカちゃんとか
可愛いものいっぱいで楽しい!!!
そういえばママとパパどこだろう?
早く戻らなきゃ!!
さっきのところ戻れなくなっちゃった...。
もうママとパパに会えなくなっちゃう。
そう思って声を上げて泣いた。
そんな時
「なんで泣いてるの?」
そう言って私の視線に合わせて前にしゃがんで
聞いてくる知らないお兄ちゃんがいた。
心配そうな顔をしていた。
「あのね,あのね,ママとパパがいなくなっちゃったの」
そう言うと
「もう大丈夫だよ。僕がいるから泣かないで。
僕と一緒に探そう。」
優しい声でそう言ってお兄ちゃんは手を握ってくれた。
「お兄ちゃん優しいね。」私が言うと
「ありがとう。足痛くない?抱っこしようか?」
って言ってくれた。
「うん,抱っこして!!」
大きな手が私の体を包んだ。
安心してウトウトしたら。
ママとパパが私の名前を読んでる声がした。
「あっ,ママ!!パパ!!」
お兄ちゃんに抱っこされながら
ママとパパのところに行った。
「ママ,パパ」そう言うと
「どこ行ってたの!心配したんだから。」
ママの心配した声とパパの安心した顔を見て
涙が出た。
「すいません。ありがとうございました。」
ママとパパが言ったので私も
「お兄ちゃんありがとう。」
そう言ったら。
お兄ちゃんは
「次は離れないようにするんだよ」
そう言って帰っていった。
あの日のお兄ちゃんは私の初恋の人
─────『泣かないで』
カーテンの隙間から射す光が眩しくて
布団を深くかぶろうとした私に
「こら,もう起きるよ。」
そんな彼の声がした。
「あとちょっだけ...」
そんなことを言う私に彼は
「布団とから無理やり出させるよ。」
なんて言ってくる。
「もう寒すぎて動けない...。」
だらける私にしっかり者の彼は
手を出して起き上がらせてくれる。
「もう冬みたいだね。」
まだ寝ていたい私は彼に言った。
「うん。寒いけど布団に戻らないよ。」
しっかり私の手を引いてリビングに連れてってくれた。
「顔洗って目覚ましてきな」
「うん」
彼の優しい声を聞きながら
短い返事をして洗面所に向かった。
顔を洗ったら少し頭がスッキリした。
それから彼と一緒にご飯を食べたり,
今日の準備をして外に出た。
外に出ると寒さに身を震わせていた。
彼は私の手を繋いで一緒に歩き出した。
冬が始まって寒さが厳しくなるのは嫌だけど
彼と一緒に入れるならこんな日も良いかも。
─────『冬のはじまり』