たまに考えちゃう事がある。
絶対にありえないこと。
それは,もしもの話。
「もしも,願いが叶うならどんなことを願う?」とか,
「もしも,明日地球が終わったらどうする?」とか
ホントに突然考えてしまう。
彼にそんなことを問うと
「...えー。なんだろう?」なんて言って考えてくれるし,
「じゃあ一緒に考えよう」と彼は言った。
お互いが真剣になって考えている時,彼は言った。
「...なんか良いね。この時間。
もしもの話を真剣に考える時間。」
「やっぱり,そう思う?ちょうど私も思ってた。」
強いて言うなら
"彼と一緒に"ってところが大事だなって考えながら。
これからもこんな時間を
意味がないことを考えたり話したりする時間を
彼と過ごしていきたいなと思いながら
今日もあなたと色んな話をする。
「次は彼と何を話そうかな?」
─────『意味がないこと』
あなたとわたしってこんなに違うから
お互い好きになったんだと思う。
大雑把で内向的な私に対して
几帳面で社交的な彼。
全然違うのになんだか彼といると
安心するしお互いが支え合って生活出来ている。
心霊動画が平気な私と苦手な彼。
でも必ず「一緒に観ようよ。」と誘うと「...いいよ。」と言ってくれる。
私はそんな優しい彼が好き。
私と彼はお揃いが好き。
コップや服,ピアスなど色々なものを
お揃いにしてきた。
今度は苗字お揃いにしてみたい。
─────『あなたとわたし』
今日は朝から暗い気分だった。
雨が降っているからではない。
そう今日は月イチのアレ,女の子の日の2日目だった。
「ねぇ,もう朝だよ。仕事でしょ?起きて。おはよう。」
いつもはこうやって優しく話しかけて起こしてたのに。
今はそんな気分になれなくて,
「ねぇ,朝起きて!!」
厳しい口調で彼を起こしてしまった。
お腹痛すぎて死にそう...。
死にはしないことは分かってるんだけどね。
痛み止め飲んでも,痛みがなくなっても
気持ちが天気が晴れる訳ではなくて
彼はいつも優しいから
「いつもありがとう。おはよう。今日は温かくしててね。行ってきます。」
声かけてくれる。
そんな声掛けに涙が出そうになる。
「ただいま。」
彼の声で目を覚ました。
「ごめん。起こしちゃったね。おはよう。」
ニコって笑いかけてくれる彼。
「ごめん。今日何もしてなかった。」
落ち込む私にそっと手を伸ばして
「大丈夫。」って
その優しさがなんだか私にはもったいないと思って。
「...ごめんなさい。ちょっと外に出てくる。」
お腹の痛みに気付かないふりをして走り出した。
雨が降っているのに傘を刺さない私は
ここにいるのは場違いだろう。
「ちょっと待って!!」
彼の声が聞こえる。
もう止まれないよ。
止まることなんて許されない。
冷たい雨は私の居場所はもうないと言っているようで
私の心に鋭く突き刺さって座り込んだ。
突然雨が止んだ。
「待っててって言ったじゃん。」
頭の上から声がした。
顔をあげると傘を差した彼がいた。
「なんで...。」
「なんでって心配だからじゃん。ほら早く帰るよ。」
彼は私に手を差し伸べて優しくキスをした。
「君のことだから,
つり合わないとか思っちゃったんでしょ。
そんなことないから。
俺,君のことだからこんなことしてるんだよ。」
彼はすごい。
私の居場所をすぐ作ってくれる。
私と彼をつつんだ雨は
さっき私を包んだ冷たい雨ではなくて
とっても温かく柔らかい雨だった。
─────『柔らかい雨』
もう最悪。
「やってらんない!」
勢いよく私は酒を流し込んだ。
彼から突然別れを告げられて
上司から理不尽にキレられて
ホントに災難な日だった。
「ちょっともうお酒やめた方がいいんじゃない」
なんて声をかけてくれた店主の声なんて
もう私には届かなくて
「おかわり!!」
なんて言って意識を飛ばしてしまった。
カーテンの隙間から
キラキラと眩しい光が射し込んでいる。
「あぁ...もう朝か」
まだ寝ていたい私の目はぼんやりと周りを見渡した。
「ここ何処だろう?」
ここが私の家じゃないことは何となくわかった。
「え?!誰、?」
ベットの上に落ちた一筋の光が
そこにある金色の髪を明るく輝かせていた。
光の刺激を受けて,私の眠気は消えていった。
まだ,ぼんやりとした私の視界は
目の前にいる金髪を眺めている。
─────『一筋の光』
哀愁の込めた話をしている君の顔は,
私が初めて見た顔で
少し俯いて話す君を見て
ドキッと心臓が大きく脈を打った。
少し寂しさや悲しさを感じさせる顔は
「...綺麗。」
とても綺麗で美しかった。
それと同時に私が彼を支えていきたいと思った。
ずっと私の隣で
私が知らない顔,
私しか知らない顔
色んな顔を見せて欲しい。
─────『哀愁をそそる』