木弓るん

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9/9/2024, 11:38:11 AM

世界に一つだけ

ずっと、探し続けていたのかもしれない

時に、どうせ見つからないと
時に、どうしてと見つけたいと

そう、思いながら

それが何か、自分でもわからないまま
雲を掴むような
延々と続く砂浜の中から
一粒の砂を探すような
そんな感覚で

やっと見つけた、世界に一つだけの
僕だけの宝物

君を見た瞬間、直感があったんだ

9/8/2024, 12:16:49 PM

胸の鼓動

パニックだった
うっかり見てしまった光景
君と、あいつが一緒にいて
その影が重なって

ビックリしていた
心臓がバクバクしていて
どうすればいいかわからない
とにかく、隠れてやりすごすしかない

影に隠れて息を潜める
けれど、胸の鼓動が大きすぎて
聞こえてしまうのではないかと
心配だった

君と、あいつが遠ざかっていく
ひとまず安心していいはずだけど
この胸の鼓動は
なかなか収まる気配がない

9/7/2024, 2:54:27 PM

踊るように

風に乗って
くるくると回る木の葉を
何の感情もなく見ていた

今は何も考えたくなかった
人間には幸せな時と不幸せな時があって
自分は今
間違いなく不幸せな時だった

何も考えないのは逃げだろうか
この木の葉のように
風に逆らうことなく
手のひらで踊っていられたら
幸せだろうか

いいや
逆らいたい
自分の幸せは自分で決めたい
不幸せな運命を断ち切るように
踊るように回る木の葉を踏み付けた

9/6/2024, 2:13:13 PM

時を告げる

ひとり、ただ待っていた
あんなに慌ただしかった廊下は
今は静かで
自分以外の人の気配はない
静かに時だけが流れるのは
不安をかきたてて
ただ、祈ることしかできない
自分がもどかしくて

もう、どのくらい時が経ったのか
何の前触れもなく扉が開いて
出てきた医師は少し疲れた表情だったが
しっかりと笑顔を見せる
ようやく、待っていた瞬間がきたのだ

9/5/2024, 2:58:02 PM

貝殻

あの日、君がくれた貝殻
家族で海に行って見つけたからって
ぶっきらぼうに渡してくれた貝殻

外側はごつごつして不格好だけど
内側はキラキラした虹色で
見つめていると海の情景が見える
そっと耳に当てると
寄せては返す波の音が聴こえる

君は何でもなさそうにくれたけれど
私のために一生懸命
きれいなものを探してくれたこと
今ではわかるよ

机の中に大事にしまっている私の思い出
片付けの途中で見つけた君は
「そんなもの、まだ持ってるのか」
なんて呆れた風だったけれど
その後ろ姿はちょっとだけ嬉しそうだった

私にとって大切な宝物
だって
君から初めてもらったプレゼントなんだもの

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