木弓るん

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時を告げる

ひとり、ただ待っていた
あんなに慌ただしかった廊下は
今は静かで
自分以外の人の気配はない
静かに時だけが流れるのは
不安をかきたてて
ただ、祈ることしかできない
自分がもどかしくて

もう、どのくらい時が経ったのか
何の前触れもなく扉が開いて
出てきた医師は少し疲れた表情だったが
しっかりと笑顔を見せる
ようやく、待っていた瞬間がきたのだ

9/6/2024, 2:13:13 PM