木弓るん

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8/30/2024, 2:34:13 PM

香水

不意にただよう甘い香りに振り返る
同じ香水を使っている人がいる
ただそれだけなのに
人混みの中君を探してしまう

どこのメーカーの
どんな名前の香水なのか
最後まで聞くことができなかったのに
この香りだけは忘れることがない

突然の別れからもう三年
君の顔さえおぼろげなのに

たまに街中でこの香りに会うだけで
君のことを思い出して
胸が苦しくなるんだ

8/29/2024, 3:06:23 PM

言葉はいらない、ただ・・・

側にいて欲しい
そう思った

思えば不幸な事故だった
自分がこうして今生きているのも
奇跡みたいなものだろう

駆けつけた君は
僕を見て
言葉を失って

どんな言葉をかければいいか
どんな言葉をかけたって
意味がないこと
気付いてしまったのだろう

そんな君だから
僕は君が好きなんだ
だから今はただ
側にいて欲しい

8/28/2024, 2:36:58 PM

突然の君の訪問。

チャイムが鳴る
戸を開く
君がいる

意味がわからなくて
僕はフリーズする

僕と君は
お互いにそこまでの仲ではないはず
君が急に訪ねてくる理由もわからない

混乱する僕に君は
申し訳無さそうに口を開く

「どうしても
 君に話を聞いてもらいたかったの」

期待してもいいのだろうか
僕が密かに君のこと想い続けているように
君も僕のこと頼りたいと思っていると

突然のことでびっくりはしたけれど
幸い僕の部屋はあんまり物がないから
散らかったりはしていない

「よかったら、どうぞ」

家の中に上がるように促す
僕も緊張しているけれど
君も緊張しているの伝わってくる

勇気を出して訪問してくれた
君の気持ちに応えたい

8/27/2024, 2:12:56 PM

雨に佇む

雨に煙る景色の中、君が立っていた
すでに頭からつま先までびしょ濡れで
君がどんな表情なのか
うかがい知ることはできない

泣いているのか、怒っているのか
呆然としているのか
動くことなく、君は雨の中佇んでいた

助けてあげたい
そう思うと同時に
こんな自分に何ができる
かえって邪魔になるのでは
そう考えてしまう自分がいて

僕はただただ遠巻きに
君を見つめながら濡れていく

8/26/2024, 2:15:44 PM

私の日記帳

一目惚れして買ったノートがある
デザインが可愛くて日記をつけようと思った

そうして
最初の数ページだけ書かれたノートが
私の引き出しに何冊もある

日記帳になりきれなかったノートたち
いつかちゃんとした日記をつけることが
できるのかな?

こうして私の机の上にはまた
真新しい装丁のノートが置かれることになる

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