向かい合わせ
僕の正面に座る君
普段は混み合っている通勤通学時間の車内も
この時期は空いていて
毎日見かける君がよく見える
どこの誰かも知らない君
でも僕は君のこと気になっていて
毎日同じ時間同じ車両
君も僕の顔くらい覚えていてくれたらいいな
電車の窓際と窓際
距離は離れていても
向かい合わせの君と僕
君のことを凝視するのが照れくさくて
僕はなかなかスマホから顔を上げられない
君は電車の中で
あんまりスマホを見る方じゃなくて
文庫本を開いているけど
たまに顔を少しだけ上げるの
知ってる
僕のことを見てくれてたらいいな
僕と同じように気にしてくれてたらいいな
そんなことを思うけれど
気恥ずかしくてただ思うだけ
そんな僕達を電車は無常にも
会社の最寄りへ運んでいく
やるせない気持ち
その光景を前に、ただ立ち尽くすしかなかった
何かすればよかっただろうか
何かできることがあっただろうか
考えれば考えるほど
無力な自分を、思い知った
過ぎた時間を戻すことはできない
後悔しても意味がないことはわかっている
それでも
繰り返し、繰り返し考えてしまう
この気持ちはなんだろう
この気持ち、どうすればいいのだろう
海へ
誰に誘われたわけでもないけれど
気が付いたらここへ来ていた
磯の香りと波のざわめき
陽はじきに沈もうとしていて
大切な人と一緒なら
さぞかしロマンティックだっただろう
だけど今はひとり
ノスタルジックにたたずんでいる
裏返し
人生何が起きるかなんて
カードをめくってみなきゃわからない
今まっすぐ歩くと何が起きる?
行動を起こすことで人生変わる?
君に話しかけたら
君の考えてること、わかる?
全ては裏返されたカード
めくってみるまで真実はわからない
めくった結果
人生が裏返ることもあるんだ
鳥のように
翼が欲しい。空を飛びたい
何もかも投げ出して
自由に、どこかに行きたい
どこまでも続く青い空に
風に身を任せて
気ままなフライト
時には悪天候に悩まされて
木陰に隠れてやり過ごす
旅には苦難もつきものだ
高く、高く飛んで
世界を見渡して
地上にいる子供に指差されたり
だけど現実はかごの中の鳥
閉じ込められた世界で
鳥のようになりたい私が
ただただ妄想しているだけ