木弓るん

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8/20/2024, 2:09:21 PM

さよならを言う前に

君を強く抱き締める
名残惜しくて
このまま連れ去ってしまいたくて

顔を見なくたって
君が泣いているのがわかる
別れたら
もう会えないかもしれないから

たくさんたくさん
話をした
肌を重ねて愛し合った

こんなに思い出を作っても
まだまだ名残惜しい

8/18/2024, 2:49:01 PM



一日の始まりに
鏡の中の自分に「おはよう」ってする
寝起きのぼんやりした顔を洗ってお化粧して
自分のなりたい自分に変身して
自分の一番いいと思う笑顔を見るんだ
そうしたらきっと
今日もいい一日になる

一日の終りに
鏡の中の自分に「おやすみ」ってする
メークオフした素の自分は
正直あんまり可愛いとは思えないのだけど
一日頑張った自分にやさしくしたい
そう思うんだ
ゆっくり休んできっと
明日もいい一日になる

8/17/2024, 3:00:08 PM

いつまでも捨てられないもの

お小遣いを貯めて少しづつ買いそろえていった
色とりどりのボールペン
ラメ入りの綺麗なもの、限定色、そして廃盤色
古すぎてもうインクが出ないものもあるけれど
断捨離をしようと思って何度も出したけど
どうしても捨てられなかった
もう手に入らないものもあるからってのもあるけど
あなたとの交換日記に使っていたから

そのノート自体は
もうどこに行ったのかわからなくて
私が持っていたのかもしれないし
あなたが持っているのかもしれない
だけど中身は鮮明に覚えていて
毎日飽きもせずに色んな色で色んなことを書いた

あなたと連絡が取れなくなって
もうどのくらいだろう
もう今となってはこのボールペンたちだけが
私にとってのあなたと繋がる記憶なんだ

8/16/2024, 2:33:27 PM

誇らしさ

高らかに奏でられるファンファーレ
駆けつけた人々からの惜しみない歓声
魔王を倒した勇者の凱旋だ

勇者は数人の仲間と共に手を振りながら
胸を張って歩く
本当に、本当に素晴らしい光景

裏方で支えた自分は
最後まで行動を共にしなかった自分は
この歴史に名を残すことはないけれど

誇らしい気持ちで幼なじみの表情を
遠くからずっと見つめていた

8/15/2024, 3:02:59 PM

夜の海

深い暗闇を見ていた
どこまでも、どこまでも闇で
空には月明かりすらなくて
ただただ寄せては返す波の音だけが響いていた

何も見えていないのに
何かが見えるような気がした
波の音の間で
誰かが呼んでいるような気がした

何かを感じたのかもしれないし
何も感じなかったのかもしれない
自分の意思なんかなく
何かに取り憑かれたのかもしれない

暗闇の中、歩き出す
夜の海に沈んでいって
後には何も残らなかった

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