自転車に乗って
どこまで行こうか、何をしようか
私の相棒はぴかぴかで
軽くてスピードも出る頼もしやつ
一緒ならどこまでも行けそうだ
綺麗に洗ってあげたし、油もさした
タイヤの空気も入れ直して
メンテナンスはばっちりだ
坂道だって、ガタガタ道だって
すいすい行けちゃう
一緒に行こう、遠いところまで
海を見よう。山を見よう
君と一緒なら
きっと何があっても素敵な思い出になる
心の健康
元気ですか?
突然何だって?
君が元気なさそうだからさ
ご飯はちゃんと食べてる?
少しは運動してる?
心配事は…あるよねそりゃあ
僕はいつだって君のこと心配してる
毎日元気なふりして笑ってるけど
心配と不安に押しつぶされそうになってるよね
そりゃあ人間生きていれば
立ち向かわなきゃならない時もある
でも常に頑張りすぎるのは
心に良くないよ
心の健康のために
たまには立ち止まって深呼吸
少しでいいから休もうよ
君の奏でる音楽
流れてくる旋律にうたた寝から目覚める
隣の家から流れてくるピアノの音
少し前に流行った楽曲のメロディーだ
隣の家に住んでいる君とは
引っ越しの挨拶の時に顔を合わせたくらい
あまり年は離れていないと思うけれど
生活リズムが違うのかなかなか合うことはない
ただ、よくこうやってピアノの音が聞こえてくる
君の奏でる音楽は
基本的にお手本のようなクラシックだけど
たまにこうして流行りの曲とかも流れてくる
ああ、これは僕にとって甘酸っぱい思い出の曲だ
でもそれはもう昔の話
今はこの音楽を通して
君のことばかり考えてしまう
麦わら帽子
青空の下
ひまわりの花畑に埋もれて
小柄な君の麦わら帽子だけが見える
声を掛けると
ひまわりの隙間から顔を出す君
立派なひまわりの茎に
麦わら帽子を引っ掛けて
落としそうになりながら
僕の方へ小走りにやってくる
青い空、黄色いひまわり
麦わら帽子をかぶった君の笑顔
僕にとってのかけがえのない夏
終点
行く当てもなく乗った列車の車内に
終点を告げるアナウンスが流れる
この先どうしようか
何をしようか、どこへ行こうか
目的もなければ土地勘もない
勢いで始まった一人旅
まだワクワクした気持ちよりも
飛び出した時の悲しみの気持ちの方が大きい
だけど終わりは新しい始まり
今は全てを忘れて終点に着いた列車を降りる