7/2/2024, 6:00:42 PM
掬えなかった眩しい温度を この手は知っているよ
今なら全部話せるよ 繋いだ手だって離せるよ
もう何もいらないから 多分大丈夫だと思う
7/1/2024, 5:00:13 PM
床に広がった日溜り 誰もいないスポットライト
白過ぎる窓の向こう 君が抱えて待っている
浴びたなら きっと 影が見えてしまうから
それが怖くて隠れていたのに
見詰め過ぎたせいで 見詰め返された
どうやら もう 逃しちゃくれないみたい
6/30/2024, 5:26:13 PM
赤い糸 絡まる 左薬指
その先には愛しい人 ようやく解けた
今では お揃いの指輪が
それぞれの指を 守ってくれているね
6/29/2024, 6:28:21 PM
夏に誘われ、入道雲の、水玉の模様した青空。
バスが通り過ぎる。見送ったのはヒマワリ畑。
懐かしい匂いがした、蝉時雨が喧しい。
君はどこかで、あの頃と同じ顔でいるのだろうか。
朽ちかけのベンチ。腰を下ろし、夏を揺蕩う。
6/28/2024, 4:31:00 PM
電車に揺られ、ただ遠くを目指す。
誰も知らない場所へ、只管に、遠く、遠く。
終着駅はよく知らない田舎町。
昼に出た筈が、もうスッカリ夜である。
とりあえず、持参した縄を片手に森へと入った。
森は夜に塗られていて、蛍が宇宙を創っていた。
生まれた光の後を追って、産声が空に谺する。
近くで祭りでもやっているのだろう。
祭囃子と篝火の明かりが、
木々の隙間から微かに覗いている。
全く、
これから死のうってのに煩瑣いったら、
ありゃしない!
いま正に、一人分の呼吸が消えると言うのに、
世界は随分と暢気なものだな。