komaikaya

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12/4/2025, 9:30:33 AM

 目が覚めれば仕度をして仕事に行き、終電で帰れば泥のように眠る、そんな日々を送っていたボクに『冬の足音』が聞こえたのは、もう真後ろに立たれたくらいの距離だったんだ。

 ザッ。ザザッ──駅からの帰り道に横切った公園で、公園の砂の地面をスニーカーが削るような音がして、ボクはバッと振り返り、でもそこには誰もいなくて、そこで吹いて来た風が、思いのほか冷たくって──。

「は? ストーカー?」

 そうじゃない。季節感はおろか曜日感覚すら失くしてたから、冬の足音に気付けなかったんだよ、ってハナシ。あれはきっと冬将軍じゃない、冬足軽の足音だったんじゃないかな?

「ハァ。冬足軽ってなんだよ、オマエの薄着の言い訳聞いてたのに、なんでそんな新キャラが出てくんだ……わかった、もういい。とにかく寝ろ」

 冬足軽もきっと、寒そうなカッコしてたんじゃないかな。ほら、昔のコントみたいに「イッキシ!」なんて、そんなクシャミしてそうじゃない?

「あーうん、なんか気の毒だから、ダウンでも着せてやれ。夢ン中なら出来るだろ? っと、体温計……38度越えてるぞ? 風邪なんか引いてんじゃねぇよ、ったく!」

12/2/2025, 3:29:09 PM

お題:『贈り物の中身』


「ママ、ただいまー。あれー? パパはー?」

「あー……うん。えっとね、アレなんだけど、」

「おフトンに、紙が貼ってある? ええと……『この中にミカちゃんへのプレゼントがあります』だって! わーい! ……えー? なんで、パパ……?」

「じゃーん! 今年もずーっといいコにしてたミカちゃんへのクリスマスプレゼントは、サンタパパでしたー! なーんちゃって……って、あれ?」

「あーあ、パパってば……ついに、ママにすてられちゃった? だからミカに、ひろってほしいの?」

「え? や、そーじゃなくって、えーと……ほら、まずサンタ姿のパパの可愛さにびっくりするとか、こんなプレゼントじゃやだー、とか……」

「うーん、しょうがないなぁ。じゃあパパは、これから、ミカのおサイフにしてあげる! たーくさんカキンさせてあげるねっ」

「ちょっ、まっ……ミカちゃんってば、そんなコトバ、どこで覚えてきたのっ?!」


◇◇◇


「ミカったら、夢中になっちゃって。これじゃあクリスマスパーティーって言うより、ゲームパーティーねー。
 ほーら、パパ……シンくんも。そんなすみっこで体育座りなんかしてないで、ね? プレゼントのゲーム、ちゃんと喜んでくれてるんだから、こっちに来て一緒に、」

「……俺は。あのとき、スッゲー嬉しかったんだ」

「んん? あのとき、って……あ、」

「付き合ってすぐの、クリスマス。ミキが、『プレゼントはアナタの大好きな、わ・た・し』って、布団の中で、スタンバイしてくれてて……」

「っ、あーれーは! サンタコスなんてやっぱやめよっかな、って考え中だったのに、シンくんが早く帰って来ちゃったから、とっさに隠れただけで! ……って言うか、さっきのミカへのサプライズって、そんな理由だったの?!」

「……どーせ、俺なんか。ミカちゃんとミキの、サイフでしかないんだ……」

「あー、もうっ! クリスマスにサンタが、ジメジメすんな!」


12/1/2025, 8:52:29 AM

 ここは『君と紡ぐ物語』の中、つまり僕と君が主人公の、二人は幸せに暮らしましたとさ、ってベタなエンドロールを出しっ放しの、世間的にはありふれた話だったはずで。

 僕があの日、彼という新しい登場人物を君に紹介してしまったことで、紡ぎ糸がよれ、物語に綻びが出来てしまったのだ。

 そして君は、それを上手に隠しているつもりで、けれど表向きは、僕とのハッピーエンドを続けていて──ふーん、そんな二重構造の話だったなんてね、さて。これから……どうしようか?

 ここにある綻びを指さして、それから? いや、それとももう少し、綻びに気づかないフリをしてみようか?

11/29/2025, 12:59:45 PM

『霜降る朝』にランドセル背負いつつ見つけたシモバシラ、あれを踏むときのあの音がまさに『失われた響き』だよな、って思った。シモバシラ、都会ではもう滅多に見つけられないし、見つけたとして、踏んでいい場所じゃないことのほうが多いのかな?

11/28/2025, 4:57:05 AM

 ──『心の深呼吸』をしてみましょう。

「だって!」
「はあ? なんでオレが、」

 ──深呼吸のコツは、まず初めに息をゆっくりと吐き切ること。心も同じです。心の二酸化炭素をゆっくりと吐き切りましょう。

「心の二酸化炭素って、愚痴とかってこと?」
「吐き切るまでグチグチ言い続けるんか」

 ──心がカラッポになりましたか?

「ほとんどバイト先の店長の悪口だったかも」
「まぁ……お互いしゃーねーだろ」

 ──今度は、心の酸素を吸い込みましょう。あなたの好きな物を、あなたの五感で、思う存分吸収します。

「ボクはやっぱり、推し活だね!」
「ふーん。推し、か。オレにとっては……」

 ──パートナーとお互いの良いところを認め合ったり、ハグをしたりするのも効果的です。

「ボクに懲りずに、いろんなコトに付き合ってくれるの、すっごくうれしい! ありがとね!」
「お、おう。オマエのそういう素直なところが、オレは、」
「よし! じゃ次は、ハグしてみよっか!」
「っ、マジか……?」
「パートナーってヤツじゃないとあんまり効果ないかもだけど、」
「あーいや、まぁ試しにやってみてもいい……ゲフッ、急に飛びついてくんな!」
「わー、ボクと違って筋肉あるよねー」
「えーと……心の酸素が……濃いめ……」
「んん? なんか言ったー?」

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