音ノ栞

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9/7/2023, 8:34:17 AM

鐘がある時を告げた。

誰もが幸せの鐘だと迷いなく思っていた。

でも彼女だけが違った。

彼女は、膝から崩れ落ち、顔を俯かせ、泣き叫んだ。

彼女の両手は祈りを捧げるように組んでいた。

しかし、その叫びは誰にも届かない。

決して、誰にも届かなかった。


──これは地球が終わる3秒前のお話。



■テーマ:時を告げる

9/5/2023, 1:09:23 PM

落ちていた貝殻を拾った。

あの日の貝殻に似ている。

君とこの海に来た日の貝殻に。

あれから3年経つんだね。

今の君はどうしてるのかな、なんてね。

そんなの、もうどうでもいいことなのにね。

お互いに、さ。

潮風が吹く夕焼けの元。

戻って来ないあの日を思い出して、
今日も日が沈んでいく。


■テーマ:貝殻

9/5/2023, 8:27:03 AM

※2つ分の投稿です。

これはある日の出来事です。
道端を歩いていた私の前に突然、男の人が立っていたのです。
そして彼はこんなことを言っていました。

本当に僅かなことでもいい。
些細なことでもいいから、俺に相談して欲しい。
頼むから。お願いだ。
俺はもう君を失いたくないんだ。
俺はあの日、後悔をした。
だから生命をかけてこの世界に戻ってきた。
でももう時間がないんだ。
もう次元の歪みが発生してしまうから。
俺は君が好きだ。
俺は生涯君を守り抜くから。
だから……だから、俺を置いていかないで。


──彼はそう言っていつの間にか消えてしまいました。
彼が誰だったのか、恋人のいない自分には分かりません。
彼はもしかしたら戻る次元を間違えたのかもしれません。
ですが、これは言えます。

私が自分の生命を落とす可能性があること。
そして、彼に愛されてること。

この2つは忘れてはならないと思いました。


■テーマ:些細なことでも



私はときめきもきらめきもなくなりました。
私はもうだめなのかもしれません。
私は2つのことを生命をかけて守っていました。

自分で自分の生命を落とさないこと。
愛する彼を裏切らないこと。

ですが、もうだめです。

何故なら“彼”が先に死んでしまったから。

愛する“彼”が死んでしまったから。

そしたら、もう私はこの世には必要ないのです。

「もうすぐあなたに逢えるから」

私は傍らにあったナイフを自らの首に向ける。

……さようなら、世の中。
また生まれ変われるなら、その時は……。


〜数時間後〜

「あぁ!そんなっ!!!」
白衣を着た男性が横たわる女性の元へ駆け寄る。
「どうして!なんで!!!」
白衣を着た男性は女性を抱きかかえる。
「……まさか、俺の試作品のクローンが勝手に行動したから?」
白衣を着た男性はそう言うと涙を流し始めた。
「……そんな、嘘だと言ってくれ!あぁ、あと数時間前だったなら!君は死なずに済んだのに!!……そうだ、あれだ、あれを使おう。試作品のタイムマシンを」
白衣を着た男性は彼女に優しく頬に口付けをする。
「……待っていてくれ、必ず結末を変えてみせるから!」
そう言ってその男性は急いで倉庫へと向かい、おもむろにロケットのような機械に乗り込む。
「急げ!時間は3時間前!!」

そのロケットは動き出す、過去へ戻るために。


■テーマ:きらめき



─おまけ─

〜とある爆発した研究施設で発見されたページ〜

〇月‪✕‬日

俺はもうすぐ死ぬだろう。
何も研究の成果なんて得られなかった。
彼女がいなければ研究なんてどうでもいい。
あの時、未来を変えられなかったことを思い出した。
彼女を助けられなかった。
誤作動が起きて、3年前の彼女に会うことになった。
話せたのは1分弱。
戻ってきて、彼女は死んだままだった挙句、タイムマシンは壊れた。
もう過去には戻れないのだ。
俺は人間のクローンの成功によって“天才”となんて言われたが、彼女が死んだのなら意味がない。
彼女に逢いたい。
だから極秘で作った最新のタイムマシンに乗り込むんだ。
決行日は明日。
多分成功はしない。
だが、いてもたってもいられない。
失敗したら俺や研究所もろとも爆発するだろう。
でも、それでも、構わない。

いずれにしても、君に逢えるから。

また生まれ変われるなら、
その時は君の“夫”でいたい。


~END~

9/3/2023, 7:25:18 AM

心の灯火が消える前に、
人は手を差し伸べなければならない。

人はとても脆い生き物だ。

そして、
その脆さから仲間意識が強い生き物でもある。

その脆さが強さに変わるのならば、
心の灯火は消して消えることはない。


■テーマ:心の灯火

9/1/2023, 11:51:28 AM

自分はすぐに開かないくせに、
相手に送ったものはすぐに開かないと拗ねちゃう。

そんな我儘な私を好きになってくれますか???


■テーマ:開けないLINE

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