1/29/2025, 2:58:21 PM
『日陰』
小さな脚音鳴りひびく
裏路地猫は帰路につく
荒れた故郷に白痴の音
枯れた樹木の落とす陰
木漏れ日は舞いおどり
水平線に暮れる夕陽は
朧気な憂鬱を攫いゆく
12/7/2024, 2:52:22 PM
『部屋の片隅で』
遠くぼやけた境界線に
うつつに映った白い靄の
面影はいつしか明暮に帰す
まるで埃被りの童話のよう
林檎のような雫が堕ちた
古惚けた床は微かに軋む
絶えず光射す部屋の片隅は
未だ癒えぬ傷跡と共にある
11/20/2024, 4:03:58 PM
『宝物』
乖離する神々の介入と
悪辣たる叛逆の芳詠
懊悩たらしめる無秩序の
叛逆者曰くアポトシース
粉灰たる追憶の片鱗に
未だ偽る改竄の痕
腐敗する虚言の誤謬と
痼疾たる盲目の亡命
煩悩に誑し込む冒涜の
盲目奴騙るアポテトシス
悠久たる開闢の使者に
未だ臠(みそなわ)す朧気な過去
11/19/2024, 12:35:21 AM
『たくさんの想い出』
未だ色彩を阻む
煩う焦燥と飛燕の音
朧気に崩れた道化は
深く深くに
沈みゆく
未だ遠くで響く
揺蕩う孤独と風切りの音
灰色に褪せた造花は
ゆらゆらゆらと
舞い落つる
1/30/2024, 6:33:27 PM
『あなたに届けたい』
鼻先をくすぐる白い雪
陽に照らされ光を反射し
体温と輻射熱に煽られて
手を広げた 掌に落ちた
いくつも積み重なる
やがて消えゆくこせつく揺らぎ
垣間見えた焦燥に
拓いた弱さを背中に隠す
「ああ、あれはいつだっけな」
隠し通したいその記憶
苦笑いを浮かべた
いつかこの掌のなかを