【ただいま、夏】
風ひとつない暑い午後
世界は制止して
ゆっくりと溶けていく
クーラーの効いた部屋で午睡を嗜む
かっかっかっ、遠くでなにかが鳴っている
そういえば、今日はお祭りだったかな
まぁ行かないんだが
かっかっかっ、さっきよりも近くに聞こえる
この暑いのにお神輿でも回っているのかな?
ご苦労なことだ
かっかっかっ、もう、すぐそこだ
不意に音がやむ、家の前だ…
からだを起こして耳を澄ます
そっと玄関まで行くとすりガラス越しに影があった
人影と、もうひとつは巨大な動物の影
微かに話し声が聞こえる
「送ってくれてありがとうお陰で早くついたよ
帰りはゆっくり行くから迎えは大丈夫」
巨大な動物の影は大きな鼻息をはいて去って行く
かっかっかっ、それは動物の足音だった
残された人影は玄関から入ってきて言った
「ただいま」
「お帰り、早かったな」
「そう、送ってもらったから1日早くついたよ」
今日は8月12日、明日は君の新盆だ
【ぬるい炭酸と無口な君】
注文されたドリンクが僕と君の間におかれる
ブラックコーヒーは君に
クリームソーダを僕に
互いに引き寄せる
ストローを差したが口はつけない
先に動いた方が負ける
そんな気がして僕はクリームソーダの泡を数える
会おうと言い出したのはどちらだったろうか
どちらも感じていたはずなのは
この空気でわかる
できるならの関係を終わらせたくない
もう少し後少しこのままで…
不意に彼女の指が動いてカップの取っ手に触れた
もう湯気のたたない珈琲を一口のみ君は言う
【書く練習】
[体力]
出かける体力をつけようと
ウォーキングを始めた
あまりの暑さに頭痛がする
結局、半日を寝て過ごした
お出掛けできるのはいつになることやら
【書く練習】
今日の書く練習はお休みします
【眩しくて】
目を眇た
あなたの姿が
その生き方が
眩しくて
見ていられない