【ぬるい炭酸と無口な君】
注文されたドリンクが僕と君の間におかれる
ブラックコーヒーは君に
クリームソーダを僕に
互いに引き寄せる
ストローを差したが口はつけない
先に動いた方が負ける
そんな気がして僕はクリームソーダの泡を数える
会おうと言い出したのはどちらだったろうか
どちらも感じていたはずなのは
この空気でわかる
できるならの関係を終わらせたくない
もう少し後少しこのままで…
不意に彼女の指が動いてカップの取っ手に触れた
もう湯気のたたない珈琲を一口のみ君は言う
8/3/2025, 11:14:23 PM