【書く練習】
[君と僕の散歩道:7いたずら]
家に帰るといつもと違うことに気がついた
スリッパに噛み後がある
いつもはこんなことないのに
叱ろうかと思ったが現行犯ではないので意味はないか
ため息をついて部屋にはいると、部屋一面にティッシュが散乱していた
鉢植えが倒され土が散らばっている
フードをいれるボックスが噛られてヒビが入っていた
とにかくひどい状態だった
見回しても君の姿は見当たらない
叱られるのが怖くて隠れているのか
なぜ?今までこんなことはなかったのに
ストレスがたまっていたのか?
散歩の時間が少なかった?
スキンシップが足りなかった?
混乱しながらキッチンに回った
そこには君と、割れたカップがあった
贈り物の大切なカップだった
一瞬頭に血がのぼり、僕は強く叱ってしまった
君は体をびくりと震わせた
耳を伏せ上目使いに僕を見上げている
僕は大きく深呼吸をして部屋を片付け始めた
でも、この時僕はもっと君の異変に気を配るべきだった
どうしてこんなことをしたのか、もっと考えるべきだった
後に僕は後悔する
君のサインを見逃してしまった
【書く練習】
[君と僕の散歩道:6社交性]
君にたくさんの仲間と会わせたくてドッグランへ来た
君は孤高の存在だ、僕と少し似ている
君は周りには馴染むことはなく
皆から少し離れたところに仁王立ちしている
君のことを知りたくて周りには集まってきた彼らに
目も合わさずに距離を取る
それでも距離を詰めようとする彼らには軽く威嚇をする
でも僕は知っている
君は恥ずかしがりやなんだよね
始めましての子にはいつも緊張してるだけなんだ
その証拠に、いつもの散歩で出会うトイプーのマロンちゃんとは大の仲良しだ
尻尾の振り幅全開だし唸りもしない
君は大勢と仲良くなりたい訳じゃない
友人も少数精鋭なだけ
僕は君に選ばれた友人であることを誇りに思うよ
軽い足取りで戻ってきた君を労おうと頭を撫でた
とたんに君は唸り声をあげて牙をみせる
友よ、それはあんまりだ…
【書く練習】
[君と僕の散歩道:5水遊び]
猛暑から逃れるために近所の川にきた
君は川が大好きだ
シャンプーは大嫌いなのに不思議だ
君はザブンザブンと飛沫をあげて川へ入っていく
中頃まで行くと、犬かきでスイスイと泳いでいく
とても気持ち良さそうでこちらが羨ましくなるほどだ
そんな君を川岸から見ると僕も涼しい気持ちになる
岸から上がって来た君は2回りくらい小柄になっていた
すっかり別犬だ、笑いたいのを必死でこらえる
そろそろ帰ろうか
濡れた体を拭くためにタオルを取って振り返ったとたん…
君は盛大にドリルを放った
僕は目を閉じ暫し固まる
大きく深呼吸をして心を静めた
君はそんなことは知らんと言いたげな顔をしている
ふん、そんな顔をしていられるのも今のうちだ
家に帰ったらシャンプーがまってるのだから
隅から隅までしっかり洗ってやるからなっ
【書く練習】
[君と僕の散歩道:4永遠の謎]
季節の変わり目になると毎日のブラッシングが欠かせなくなる
これでもかと言うほど抜けた毛はこちらが心配になるほどだ
しかしながら、おかしなことに
翌日になると、同じだけの毛が抜ける
この謎現象は年に2回あるわけだが
未だに謎は解明されなかった
この毛をなにかに利用できないかと考えた
等身大の君を作れないだろうか
君は何て言うかな?
バカな飼い主だと鼻で笑うかな
ふん、笑うが良い
僕は夢のために今日もせっせとブラッシングに精を出す
数年後、僕の夢は実を結び、無惨に喰い散らかされる
それはまた別の話
【書く練習】
[君と僕の散歩道:3散歩について]
散歩は朝夕の2回
君は散歩が大好きだ
雨だろうが強風だろうが雪だろうが毎日行く
初めての散歩に君は驚きっぱなしであちこち匂いを嗅いだり
興味があるほうへ、あっちにふらふら、こっちにふらふら…
今ではまっすぐ前をみて、何かを目指すかのような鋭い眼差しで風を切って進む
だけど、急に、本当に何の前触れもなく君は動かなくなった
リードを引いてもテコでも動かない
ほめたり拗ねたり怒ったり何をいっても動かない
こんな時は諦めてひたすら待つ
君が動くまでいつまででも待つよ
その間は僕の話を聞いてよ
君の好きなところいっぱい話すから
しばらくすると、君は僕の話に飽きたのか、ぐーっと伸びをして体をぶるんと震わせた
そして、何事もなかったかのように歩き出した
そして、遅いぞと言わんばかりに振り返る
僕は口を開けて何か言おうとしたが、口がパクパクとするだけで何も言えなかった
仕方なく立ち上がり、黙って君の後を追った