あの家にあった貝殻のモビール。
あの子は一体何歳になったんだろう?
ミステリー。
全てを嘘と気持ち悪さで表現しようとしている。
粉々になった貝殻。
誰かが欲しがる答えを知っている人。
その人を追っている。
全ては貝殻の外側に。
あの子がモビールから離れた瞬間、壊れた何か。
たまに聴こえる癒やしの声に、
何度も騙された。
正しさなんて知らないくせに。
愛。
それを探していたのか。
貝殻は粉々なのだ、貝殻は粉々なのだ。
もともとそこに何も探していたものは無かった。
愛なんかなかった。
記憶なんて嗅ぐんじゃないよ、時々場面一つ思い出すくらいが
美しいってもんだよ。
嘘と気持ち悪さで美しさになるんだ。
あの子の名前も、顔も覚えていない。
それでも、あの家にいたあの子を知っている。
それだけのことで幸せを感じて
いる…。
双方向に目を向けると、顕になった一つ。
貝殻の破片。
地球を裏返しにして落ちたい。
全てを救う気持ちなんて無くして。
成功しそうなあの子も私と一緒にごみ箱に捨てて欲しい。
破壊のハンマーはいらないの。証拠にならないように
かっこつけてると思ってた。
あの子のことを。
私のことを見下してくるだろうって。
どこかもわからない駅の中で私は希望を無くした。
帰り方もわからない、生き方も。
大きなたるいの中でピンを刺したみたいに立ち尽くしている。
苦しくなるくらいいい気分から落っことされた。
私を振るう神様とは、結構前から知り合いだよ。
裏返しにされる気持ちはよく知ってる。
涙も出てこようとしない 頭も働こうとしない。
あわれむのなら私のことを愛してほしい。
数学も物理もできなくても将来が近づいてきて不安だって
そこらへんの人達がみんな言っていたって、
今の私を慰めて、自信を持たせて欲しい。
そうしてくれたら、予測を軽く打ち破ってトップに行ってあげる。
そういうものだって信じて、私の口を信じて欲しい。
ひどく落ち込んで、傷付いていた。
地上からみんな落ちればいいと思っていた。
私自身の経験を味わわせてやろうって。
でもあなたが私をどんなことがあっても抱きしめ続けてくれたなら。
いつかは、裏も表もなくなるの。
それを、信じて。
愛して欲しい。
つまりは目の前にいるってことでしょ?
自分がぁ、なるほどね。
定期的に聴こえる鐘の音。家の前のうるさい川の音。
家族の誰かが、下手したらどこかのホラー映画より不気味な、音を立てて
いる。
お願いだから静かにしてよ!!
鏡
つまりは目の前にいるってことでしょ?
自分がぁ。
自分のかおが?
自分の体が
自分は防犯カメラじゃないんだって実感するよ本当。
自分は、自分の目だけで世界を見ている気になっていたけど、
鏡みたら、自分に目以外の実体があるって気づいたよ。
別に自分さえいなかったら、きっと文句も言われないんだろうよこの音たちも。
自由気ままに鳴り響いて時々不協和音を出したりして。
でも僕がいなくちゃ、私がいなくちゃ、この部屋にほこりが溜まってしまうし、
っていうか、なんの価値もないじゃないか。
人が一人もいない世界って感じか?
鏡みたらさ、どうしようもなく自分の体はでかかったよ。
嫌でも認識してしまうね、この迫力は。
音にうるさいって怒ってた自分の方が
圧倒的に景観と空間の風紀を乱す風貌をしていたよ。
音と視は違うけどね。よく考えたら、
自分だって呼吸の音とか髪の毛の擦れる音を出していたよ。
まったく自分を棚に上げていたんだ。
鏡は
いいねぇ。
主観を圧倒的に断ち切ってくれるよ。
6歳のときにもらったあのCD.
モーツァルトの曲が入ってる。
ピアノの先生がくれたあのCD.
あのね、あれが無いといけない時があるんだけど、
物凄く呼吸が苦しい時とか、不調の波が治まらなくてずっとひどい時。
最初は良かったけど、だんだんと、聴いているうちに、
あれは不調の時の音楽だからって、身構えてしまうようになって。
もっと強く病を意識してしまったり、死を意識してしまう。
だから、あまり好きじゃなかった。
だけど、やっぱり不調の時にはあのCDだって頭に植え付けられてしまったから、
やっぱり聴いてしまうよね。
そうしてまた、ひどい時が不定期で来ると、必死にそのCDを探すの。
あれが無いと、たぶん駄目だって、被害妄想してしまう。
それくらい洗脳に近い信頼がある。
最近、また体調がひどくなった時。
やっぱりあのCDを探し始めたよ、必死になって。
わざわざ古いラジカセを持ってきて、あれ?流れない!なんて騒ぎながら、
吐きそうなくせに、必死になって埃をとって、処置をほどこして。
やっと流れたときにはさっきまで感じもしなかった吐き気が戻ってくる。
なんだよ、と思いながらまた不調に戻ってベッドに倒れ込む。
まったく良くなる気配もないし、やっぱり強く病を意識してしまうし、
死を意識してしまうし、不調の時の音楽だって思ってしまう。
でも、やっぱり消そうと動くけどどこか安心していて。
結局、しんどい時には、今までにしんどかったときのことを思い出して
しまうけど結果安心するあのCDを聴いてホッとしているんだ。
これこそ、年季の良さかもしれないね。苦味も甘味も経験したその先に、
本当の家族みたいなあったかさがある。
そんなCDがあるんだよ。
珍しく素直に綴ってみたんだ、リアルをね。
私が成功するって最初から決まってた。
未来のことなんて知らないんだけど、
有名人の古参ぶる奴と同じように、
私も私のこと成功するって信じきって、
いつか本当に成功した時に、私が成功するって最初から決まってた
って言ってやるのよ。
他人じゃないからその分苦労しなきゃいけないけど。
あ、そういえば今日怒られた、怒られた。
有言実行じゃなくて、無言実行しろって。
べらべらと夢を語るのが得意だからね。
だから、私が成功するって最初から決まってる、じゃなくて
私が成功するって最初から決まってたって。
成功してから言うつもりなの。
一旦バイバイしよ。
また会おう。