この中にいれば、誰からも注目されることもなく
明るい照明の元に駆り出されることもなく、
節目の行事もあまり無くて、
だから、
いなくなれると。
秋になると、私は私が生きるこの小さな世界からいなくなれると、
ほのかに感じることができる。
毎日は変わらないよ。期待を無意識に1つしたとしても、笑顔の消えるようなことをされる。どれだけ頑張っても、努力しても、家族仲も食事も全部くそ。
はやく食事ってものをして、はやく部屋に戻って、逃れられない現実に泣きたい。
そういう毎日。
だけどね、学校も家も他人も人も全部苦痛な瞬間だらけだけど、秋は、
私に静かな準備期間と穏やかな日々をくれる。人の前に駆り出される前と後の静けさ。
ドッロドロな私だけど、汗っかきな私だけど、怠惰で怠け者の私だけど、
絶望ばかりしている私だけど、頭よりまず、まずは、手を動かさなきゃいけない私だけど、間に合わない感じの私だけど、帰ってからの5分くらいは嬉しいんだな。幸福なんだ。
秋にささやかに粘って頼ってる。心の中で。
いなくなってほしくない。秋どこにもいかないで。いっちゃうけど。
真っ暗な世界だったのに目が覚めると
そこは現実で
羅列する線と線の視界は僕の体を直立させて。
頭が上にちゃんと来たら、夢から覚めたんだと気づいて
繰り返してる呼吸とそっと伝っていく汗の粒たちが
温度を知らせてく
僕の体に
本当の現実 ってやつを見せてくる。
体はいつも生々しくないが、こういう時は生き物だって
わからせてくる。
そうだ僕らは生きてる、こうやって身体が変化していくのを
感じて
時は僕らの細胞が教えてくれる、いつもは隠れてる闇の中に
そうやって油断をさせて最後はリミットかけてくる。
最期の時があるように。
穴の空いた道路に、足を入れてしまう私。その一瞬を誰も気付かない。
心臓を突き刺す孤独と、不甲斐なさでずっとここにいたいよ。
探さないで。
無惨な現実は甘く私を寝かせてくれて、死にたくさせてくれる。
消えたくさせてくれる。ありがとう。
綺麗事だって分かっていても、毎秒刺される体中を隠せない。
痛いって思っても、それを口に出しても、誰も気付かない。
きっとしんどいよな、この一線を越してしまったら、だから。
明日も生きるよ。
黒い怪物と目があったら、引きずり降ろされるかもしれないから、
下は見ないで走って向こう岸まで行こう。
反射する水たまりを踏みつけて私達は早足で横断歩道を渡る。
暗い、外は私達のたまり場で、今日も明日も草の匂いを身に着けてあそこへ行く。
雨は汗と混じって、高ぶる息に興奮して口角を上げて走り出す。
スクールバッグは私達と同じ匂いがする。肩に降りかかる雨
払う手、茶髪の彼女の黒くなった髪、絡まる腕、跳ねる水、
甘い味は心で溶けて、体表は凍りそうなくらい冷たい。目にしみる緑の光。
こっちに来ないでよ、早く逃げてよ、車さん。
あ、かっこいいかも。自転車の男子。
一瞬の出来事に立ち止まる、水を飛ばすタイヤ。
また走り出す。茶髪の彼女の腕を引いて。
スカートが言ってる、もっと欲しいって。
暖かさを忘れるほど冷たいって。
雨は汗と混じって、高ぶる息に興奮して口角を上げて走り出す。
もっと行かない?もっともっと向こうへ。
あいがないからわからない。
しんどい
苦しい
くるしい
くるしい
かなしかったことがおおすぎたからずっとこころにしたためておいて
じぶんのなかのじぶんがくるしんでればいい、胸さえくるしくなればいいと。
それを飛ばすほうほうもしらずにからだの不調を感じる。
かんたんに愛なんていわないで
それを見つけられなくて、ここまできてあるいてきた
こんなにくるしいのをすぐなおせるものなんてかんたんには想像できないよ。
もうくるしい
いつかなおるなんてうそだ
もう ごろくねんはたってる。
はやくもとにもどりたい
きもちよく生きたい