目が覚めるまでに
理想の原液が飲みたいなぁ、持ってきて。
ずっと夢にいたら、本当に夢みたいになっちゃった。
望んだものが思うままに現れる。
離れられないくらい心地良くて嬉しい夢になっちゃった。
ここで私の本体は死んでいくのかなあ?
毎日どれだけ腐ったかを指で折って数えてるんだよ。
あとどれくらい可能性は残ってるのかなあ?
腐ってないところがあまりにキラキラしていて、
毎日鏡見てにやけてる。
努力もしていないポテンシャルに熱を上げている。
ま、いつか落ちるだろうねこんな人間。
目が覚めるまでに?
目なんて覚めない気がする。
ずーーっと床に張り付いていて、
死んでいく気がする。
責めずに助けて。
神様が舞い降りてきて、こう言った。
お前、戻ってこいよ。
汗ばむ、意識朦朧。
熱くなりすぎた照明を見つめる。
目が焼けそう。
流れる無情な時計の音。
水の音に似ている。
ぴんく色の川が見えた。
青色の空に憧れた。
気が狂いそう、壁もほら、ぐるぐると渦を巻いて。
ギザギザ ふわふわ
でこぼこ グルグル
真ん中はやめて、早く巻き戻して。
戻して、私を。
私は彼女の鳥。
青紫が好きな女のコ。
彼女の名前は、
私の名前は、
鳥かごから出して。
今しかないの。
今隙を見つけて私を、逃がして。
電話が一本。
逃げられないの。
時計がお友達なんだって
黄色は嫌いなんだって
私の羽の黄色が嫌いなんだって
青色は嫌いなんだって
空の青色が嫌いなんだって
私、ぴんく色が好きなの。
鳥かごの鍵のありかを、一緒に探しに行ってくれる夜。
鳥かごの中の不思議な森に足を踏み入れる時。
彼女の青紫が追ってくるの。
それに気づかないで、最後まで逃げようね。
最後まで逃げようね。
君と出会った時、私はまだ友情を知らなかった。
知らなかったから君と初めてで作った。
それから、少しずつお互いを知っていって、こうだよね?
そうだよね?って嘘っぽく形作って。
それでもやっぱり君が側にいてくれるだけで
嬉しかった。
本当に。
でも、分かったんだ。その後それがただの束縛だって。
その後その後流されるように私は壁の後ろに行ってしまった。
そしてやってしまった。
君にしてしまった。
気付かれることもなくただ友情を壊してしまった。
苦しかった、罪悪感で君の顔すら見れない。
君が寂しそうにしていた、だけど、
一瞬だった。
それが嫌だったんだ。
君にとって私は、大勢の中の一人で。
変わりなんていっぱいいて。
違うんだって思いたかったよ、多分私の気持ちが重かっただけ。
でも、やっぱり寂しかったんだもん。
でもさ、君とまた何回も会って、気付けば私は自分を諦めていた。
君が正義で、私はただの悪で。
私は悪い子で、君なんて明るすぎるって。
そんな風に差別化して、なんとかやり切ってきたけど、
でも、本当は君と、ただ喋っていたかった。
おかしいよね?自分から壊しに行ったくせに。
君と、二人で嫉妬なんて忘れて、いや、
面と向かっていけたらきっと、今も君と…。
でもさ、やっぱり私のやったこと戻らないし。
だから、私は罪を償うために生きるし、
君の後ろで暗い影に生きてしまう。ああ
君が、憎い振りをしてたら、
君を本当に憎むはめになるなんて。
あんたなんてかっこ悪くてウザくて明るくて
私は、真面目で。遊びもせずに、いやそう振る舞って、
君との間に線を引いた。
君は何も悪くないよ。君がちょっと人気者だったから。
私が嫉妬深いから。
私はずっと、こじれたまま
生きてるの
病院のベッド、あそこで見た笑っていいともの最終回
覚えてるよ。
何もできずにさ、ただ横たわってる。
それがさ、ただ横たわっていられるほど楽でなくてさ、
何も悪いとこなんて無いのに息ができないんだ、
何度もナースを呼んで、うす黄色の粉薬を飲んだ。
咳は満足いかないことばかり。
だから何度もしたんだ。
思い出したら、また悪夢の始まりだからここまでにしとくとして。
‥自分は何者なんだ、何をしてきたんだ。
そんなこと聞かないでくれよ。
知らないことにして。嫌なところだけなんだから。
自己嫌悪ばかりだよ。何一つうまくやった記憶はない。
人に流されたり、傷付けたり、
でもやっぱり楽してきたんだろうな、別に特別努力した記憶もないから。
重い荷物を背負ってる気分だ。なかなか強がれないんだ。
猫背の世界は長かったから。なかなか弱いトコは埋まってくれないんだ。
いつに戻ったらやり直せるんだろうか。
こんな自分にやれるはずも無い。
そんなことを言いたい訳じゃないのに。
でもさ、それくらい気付いちゃうほどには、色々自分のこと解っちゃったんだ。
希望もないほどだってね。
でもさ、変わりたいんだ。やり直したいほどには。
タイムマシンなんて無いんだよ。
変わるしかないんだよ。
弱者が不格好な核心を突いてみただけ。
でもさ、間違ってないだろう?