暖かいこたつの中で、ぬくぬく温まりながら。
オレンジ色の皮を、むきむきと剥く。
そして美味しそうな実を、パクッと口に入れ。
もぐもぐと噛むと、口の中でジュワッと果汁が広がりとっても美味しい。
今年一年の終わりも、めていくのだった。
---二作目---
新年を迎えるまで、数日を切った
俺と藍登は、呑気にもこたつの中で一緒にみかんを頬張っていた。
「みかん美味いな」
「そうだな...いやそれにしても十個近くあったみかんが無くなるのは食べ過ぎだろ」
「まぁ美味いからな、仕方ない仕方ない」
「いいのかそれで」
「いいのいいの、美味しい物をその時に食べて何が悪い」
「...確かにそうだな」
「だろだろ♪まだあるから食べよーぜ♪」
こんな些細な時間さえも、幸せと感じてしまう。
本当に不思議だ。
「あ、そう言えば、新年の料理とかどうするよ。おせちは作るんだろ?」
「そうだな、あと年越し蕎麦も食べたいな」
「いいなそれ。じゃ明日買い物行くか」
「そうだな、じゃあ今のうちに買い物リスト作るか」
「あぁ♪」
そんな楽しい会話をしながら、みかんを頬張るのだった。
#みかん
164作目
クリスマスに、年末年始。
クリスマスパーティにプレゼント、カウントダウンにお年玉。
ケーキにチキン、おせちにお雑煮。
そんな楽しい事を、想像をしながら。
いつものように、仕事や課題に追われるよ。
...今日も皆さん、お疲れ様です。
---二作目---
短い冬休み。
一年前までは有り余っていた時間が
あいつと過ごすことにより、簡単に溶けていくから、短いと感じるようになったのかもしれない。
でもそれだけ、この休みの期間が楽しくて、幸せなものだと自分でも感じているのだろう。
少し前の自分が見たら、きっと驚かれるだろう。
クリスマスが過ぎて、次は年末年始。
まだあと数日あるけれど、あいつと年を越せると思うと楽しみで仕方がない。
ふふ、さてさて。
明日は何をして過ごそうか。
#冬休み
163作目
手が冷たい時は、貴方のその温もりで
私の事を、暖めてよ。
...そんな夢物語を妄想しながら、夜道を歩く
人肌では無い、防寒具の温もりに包まれながら。
---二作目---
「お前、俺の前だと何時も白手袋してるよな...なんでだ?」
その問い掛けに、
「ん〜?何となくだよ、何となく」
と俺は答えて、そっと頭を撫でた。
...白手袋には、"相手を汚したくない"と言う意味があるらしい。
意味は最近知っただけで、物心ついた頃から着けていたけれど。
...俺の汚い手で、綺麗な藍登を汚したくはないから。
それに、汚い面を見せて、あいつに嫌われたくないから。
だからこれからも、俺はこの手袋をつけ続けるし、
これからもあいつには、俺の綺麗な面しか見せないだろう。
...でも、いつか、この手袋を外して...本当の自分を見せていいと思えるようになったのなら
それで、そんな俺を、藍登が認めてくれたのなら...
その時は改めて、頭を撫でたい。
そんな幻想に夢見て、俺は今日も綺麗な白い手袋越しにあいつを撫でる。
#手ぶくろ
162作目
永遠なんてモノは、無い
ずっとそのまま在り続けていくモノなんて、無い
だからこそ、人生と言うものは
幸せで、辛くて
儚いのかもしれない
---二作目---
変化しないものなんてない。
今まではそう思っていた。
環境も、生活も、自身の見た目も、年齢も、周りの人達との関係も
生きている限り、変化というものは永遠に付き纏ってくる。
...でも、よくよく考えてみると。
変化こそ、変わらないものなのではないか、そう思うのだ。
#変わらないものはない
161作目
大好きなフルーツタルトと、チキンを置いて
席に座る。
去年はこのまま、一人寂しい時間を過ごすだけだった。
でも、今年は違う。
私の向かい側に、推し様のアクスタを置いたら
推し様と二人で、楽しいパーティを始めようか!
---二作目---
お昼時の、街中。
夕食の食材やらを買いに、足を進める。
まずは、何時も利用させて貰ってるスーパーへ。
大きめのチキンと、シチューの材料と、ついでにワインを一瓶カゴに入れて、一旦会計を終える。
その後に、近くにある美味しいケーキ屋さんに寄る。
あいつの好きなモンブランと、俺が好きなチョコケーキを買って、自宅への道を辿る
家に帰ったら、シチューの仕込みをしなくては。
なんたって、今日は誰もが浮き立つクリスマスの日。
美味しい料理と美味しいケーキを食べて、一緒にワインを嗜んで。
そんな、幸せな時間を過ごす為に。特別な、あいつとの夜を過ごす為に。
俺はルンルンとした気持ちで、帰路に着くのだった。
#クリスマスの過ごし方
160作目