聖誕祭の闇夜を飾るのは
色鮮やかに灯された
美しい光だった。
---二作目---
好きな人と見る景色は、より一層特別に見える。
少し前に、誰からか聞いたことがあるような気がする。
少し前までは、その意味があまりよく分からなかった。
...でも、
「...ふふ...すっごく綺麗だな...」
今なら、その気持ちが痛いほど分かった。
こいつと居るだけで、世界がより一層色付き、光り輝いている様に見えるのだ。
「...あぁ...凄く綺麗だな」
自分でも自覚する程、緩み切った顔で、俺はそう答えたのだった。
#イルミネーション
149作目
小さな命に、溢れんばかりの愛情を
そして、また生まれるかもしれない新しく小さい命へと
その愛情が、受け継がれてくれますように
---二作目---
こいつは、自分に向けられる愛情に兎に角疎い、と言うかそもそも受け取ろうとすらしない。
俺からの愛情は全くと言っていいほど受け取らない。
そりゃ、必要最低限程は受け取っていると思う。
俺がお前のことを好きなのだと、それは伝わっているらしい。
というかそれすら伝わってなかったら困る。
...でも伝わっていると言っても、そんなの、俺からしてみれば雀の涙ほどの量なのだ。
もっともっと、俺はあいつに愛情を注ぎたいというのに。
どんな方法を使っても、それをのらりくらりとかわされる。
もし受け取ってくれたとしても、それは直ぐに零れ落ちてしまうのだ。
...まるで愛情を受け取る器に穴が空いているかのように。
俺はそれが、酷く悲しかった。
...だから俺は、沢山沢山、愛情を注ぐ。
優しく、そして心を込めて。
どんなに零れ落ちてもいい、どんなにかわされてもいい。
好きなのだと、大好きなのだと、愛しているのだと。
諦めずに少しづつ注いで
器に穴が空いているのなら、その器自体に染み込ませてやればいいと言うように。
...いつか、あいつが本当に、自ら。
俺の愛を受け取ってくれるようになるまで。
#愛を注いで
148作目
いつもいつも、相反する二つの感情が、私の中で交差している。
時にはぶつかり合って、喧嘩して。
どちらの想いに従うか、悩んだりする。
...嗚呼、私はどちらの感情に、従えばいいですか?
---二作目---
あいつと俺
違う人間だからこそ、気持ちも感情も、ピッタリと合わさることは無い。
寧ろ、すれ違いを起こす方が多い。
でも、だからこそ。
少しでも気持ちが通じ合った時、一瞬でもピタリと合わされた時。
そんな瞬間に、より一層幸せを感じられるんだ。
だから、その小さな幸せを掴むために。
今日も気持ちを伝え合うんだ。
#心と心
147作目
いつの間にか、染み付いた癖みたいなもの。
それをするのは、私にとっては当たり前。
寧ろそうしないと、周りに迷惑をかけてしまうから。
どれだけ辛かろうが、苦しかろうが。
それを、隠すように。
今日も私は、笑顔の仮面を付けるの。
---二作目---
好きだからこそ、愛しているからこそ...沢山沢山嘘を吐く。
弱い所を見せて、嫌われたくないから、幻滅されたくないから。
だから無理して笑顔を作って、ヘラヘラ笑って、「大丈夫」と言葉にする。
...それで、溜め込んだ苦しさは、全部枕の中へ吐き出すんだ。
#何でもないフリ
146作目
...そうやってさ。隠してたって言うのにさ。
何でバレてしまうのかな。
「...俺はお前の恋人として、友達として。辛さも苦しさも、出来るだけ一緒に背負いたいんだ」
...何でそんな事を言ってしまうのかなぁ...しかも、そんな泣きそうな顔で。
お前が泣きそうになってどうするんだよ...辛そうな顔をするんだよ...。
...嗚呼、そんな事を、言われてしまったら。
甘えてしまいたくなるだろ...ばーか...。
...俺はいつの間にか、あいつの腕の中で泣いていた。
どんなに壮大な旅路でも、
乗り越えることが出来る、最終地点まで辿り着ける。
...貴方達と一緒なら、そう思えてしまったの。
---二作目---
苦楽を共にした人。
あいつは俺の事を「相棒」と言い、よく慕ってくれた。
それは凄く嬉しかった。
最初は猫のように警戒心の高かったアイツが
今では寧ろ、犬のように後ろを着いてまわったり、
懐いてくれていたりするのだから、嬉しいに決まっている。
...だからこそ、だからこそ。
仲間としての意識より、別の想いを抱いてしまった俺は、
あいつの相棒を名乗れないと、強く思ってしまうのだ。
#仲間
145作目