あいつと過ごす時間も
あいつと過ごす日常も
あいつに関わる全ての出来事を
勿論、あいつ自身のことも
何よりも大事にしたいと思ったんだ。
#大事にしたい
64作目
※いつも以上に恋人要素強め。男×男想定、口調とか改変すればどんな感じでも行けます。
苦手な方はご注意を
こいつと一緒に居られる時間が、一番幸せだったりする。
...恥ずかしいから、口には決して出さないけれど。
一緒に出かける時間も
一緒に食卓を囲む時間も
一緒にのんびり過ごす時間も
...全部が、全部、幸せなんだ。
「...フッ、どうしたんだ?なんだか嬉しそうだな」
顔を少し上げてみると、優しく微笑むあいつの顔が至近距離にあって、思わずドキッとしてしまう。
「な、なんでもねぇよ...」
「そうか...その割には、耳が真っ赤だが?」
顔をニヤニヤさせながら、俺の耳をふにふにと触ってくる。
「う、うるせぇ...んだよ///」
そうやって指摘されたのが恥ずかしくて、こいつの肩にぐりぐりと顔を埋める。
「...そうかそうか...」
優しく声を掛けられながら、まるで子供をあやすかのように背中を撫でられる。
尚更恥ずかしくなって、けど全然嫌な感じはなくて...寧ろ幸福感が全身を包んでて
結局それ以上声を出せずに、こいつの身体に抱きついてしまう。
......
...大好きな恋人に包まれながら
只々一緒の時間を過ごす。
...嗚呼、幸せだな...
こんな時間が、永遠に続いてくれればいいのに...
そんなことを考えながら、身体に回した手に更に優しく力を込めた。
#時間よ止まれ
63作目
星々の光が降り注ぐ、小さな丘の上。
俺とこいつしか知らない
秘密の場所。
空を見上げれば、どこでも同じような景色が見れるはずなのに
ここで見る景色は、なにか特別なものに感じられた。
「月が...綺麗だな...」
そう呟く声が、隣から聞こえてきた。
ここから見る月は、確かに大きく、そして日時は輝いて見える。
「あぁ...たしかに綺麗だな」
俺はそんな月に見惚れながら、そう返事を返した。
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「月が...綺麗だな...」
自然に、ポロリと零れた、その言葉。
月明かりに照らされたあいつは、まるで天使のように美しく、輝いていて
そのあまりの美しさに、つい本音が零れてしまった。
「あぁ...確かに綺麗だな」
あいつはこちらを見ることなく、輝く満月を眺めながら
そう呟いた。
こいつは多分、この言葉の意味を理解していないのだろう。
...だが今は、これでいい。
いつか、いつか、隠すことなく
この気持ちを伝えられますように、と。
願いを込めながら、俺は再び広がる星空を眺めた。
#夜景
62作目
あの頃は、ただ広々とした草原だった。
何の変哲もない、広いだけの場所。
けれど今は、色鮮やかな景色が広がる
綺麗な花畑になりました。
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一つだけ置かれた、白色のベンチに座りながら
そんな景色を眺める。
...嗚呼、
出来ることなら
お前と2人で...
この景色を眺めたかったなぁ...
#花畑
61作目
空から降り注ぐ涙が、身体に強く刺さっていく。
冷たくて、刺さる度にチクリチクリと身体が痛くなった。
酷い虚無感
苦しさ
痛み
そして...
寂しさ
心に雨が刺さることは無いはずなのに、
まるで心にもその痛みが響いているようだった。
雨が降る夜。少し外れの、小さな森の中。
あいつが居なくなったこの寂しさが
雨と一緒に、地面へと流れてしまえばいいのに。
#空が泣く
60作目