もちもち

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10/28/2024, 11:45:13 AM

「暗がりの中で」

私はあの日からずっとずっともがいていた。

まるで先の見えない真っ暗なトンネルのようだった。

トンネルは誰かに襲われることもないし安全かもしれない。
ここから出るのは怖い。

でも私は踏み出した。まだ見ぬ景色を見るために。

気づけば光の中を突き進んでいた。

暗がりの中であなたが私の手を引いたから。

10/21/2024, 1:14:43 PM

「声が枯れるまで」

私が声が枯れるまで叫ぶのはたいてい夢の中。

そしていつも必死に母を呼んでいる。

だけどなかなか声にならなくて胸が苦しい。

そしてハッと部屋の白い天井が見える。

台所から「とんとん」とリズムの良い音がする。

あぁ。戻ってこれた。

胸を撫で下ろすと、私はいつものようにリビングのドアを開けて言う。

「今日の夕飯何?」

せっかちな母は短く「色々」と言う。

幼い頃から変わらない応えに思わず口元が緩んだ。

ずっと幸せでいられますように。

戻らないあなたに声を枯らして泣く日がまだまだ先でありますように。




10/13/2024, 12:53:17 PM

「子供のように」

いつまで子供のままでいられるんだろう。

思い返せば、小学生のときは「幼稚園の頃に戻りたい」
中学生のときは「小学生の頃に戻りたい」

気づいていないだけで、結局今が幸せなのかもしれない。

大人になって「子供の頃に戻りたい」と思う日が来るかもしれない。
それでも私は、子供のように好奇心や楽しむ気持ちを忘れずにこの世界を生きていきたい。
子供の目に映る景色と大人の目に映る景色は、子供の方が輝いて見えているかもしれない。
きっとそれは全てが初めてで溢れているからだ。
だから別にカッコつけなくてもいいと思う。
子供のようにこの世界を見れる大人になりたい。

10/12/2024, 12:59:31 PM

「放課後」

頑張った日の空はいつもと違っている気がする。

ちょっと怒られちゃったりしたけど、そんな日の部活帰りの夜空は澄んだ藍色をしている。

広い夜空を見上げると宝石がきらきら輝いている。

今日を生き抜いた私へのご褒美のように感じた。

上を向いてすうっと息を吸えば私は明日も頑張れる。

だから私は頑張った日には空を見上げる。

10/9/2024, 5:27:05 PM

心躍る

それはホテルで日の出を見たときのこと。
朝の匂いとまだ透明な空気があった。

カーテンからの朝の気配に誘われて、予定より早く起きてみた。眠い目を擦りながら、またぼうっとした頭で勢いよくカーテンを開けた。

目の前には昨夜の暗闇からは想像つかないような澄んだ青い海と、遠くて広い朝の空が輝いていた。
私は思わずベランダに出た。

この美しい景色の空気に触れたかった。

「美しい」素直にそう思った。

美しいと口にしたのはいつぶりだろうか。

いつからか私は美しいと口にしなくなった気がする。
学校に行けば「ヤバい」「すごい」そんな言葉で会話が通じてしまう。

きっと私の生きる日常にも「美しさ」は存在していた。けれど、私はそれに気づけていなかった。
頭の中は常に何かでいっぱいで、もしかしたら単なる背景にしてしまっていたのかもしれない。

それから私は刻々と変化する空模様や季節の香りを感じている。

私たちはいつだって心躍ることが出来る。

試しにちょっと感覚を研ぎ澄ませてみてほしい。

気づかないだけで「心躍る」はどこにでも存在するのだから。



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