Frieden

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5/10/2026, 3:55:04 PM

「モンシロチョウ」

 「ニンゲンしゃん」「どした?」「きょうははれなんだって!おしゃんぽびよりなんだって!」「行く、お散歩?」「んー!」
 朝7時なんだけど。散歩っていわれてもな……。

 あ、そういえば。「ネモフィラの花畑に行ってみる?今日は平日だから空いてるだろうし。」「ねもひら?」「ネモフィラ。青くて綺麗な花なんだ。」「ん!いく!」

 ちょっと遠出だけど、たまにはいいか。
 通勤ラッシュとは逆行して、空いてる電車に乗る。人がいない電車は快適だ。落ち日も楽しそうだからよかった。

 しばらく歩く。仕方ないけど体力づくりと思って歩く。おちびは疲れないのか?「大丈夫?結構な距離だけど、疲れない?」「んー!でもねー、だっこちてほちーの!」仕方ないな……。重くないからいいか。

 ……やっと着いた。「わー!おはないぱーい!」「そうそう、お花、綺麗だよな。」「んー!」ネモフィラの花畑。海と空とネモフィラの青が全部つながって、まるで自分たちが空を飛んでるみたいだ。

 「ねね、ニンゲンしゃん!」「どした?」「ひらひらがとんでるのー!」「あぁ、これはモンシロチョウだよ。」「もんちろちょ?」「そう、モンシロチョウ。昔はもっと街中でも見かけたんだけど、最近はあんまり見かけないような気がする。」「えー?きれーなのに?」

 「そうだね。綺麗だけど、ニンゲンたちがいろんな自然にとって暮らしにくい社会を作り上げてしまったから、仕方ないんだ。「んー。」「でも、おもちゃや美味しいお菓子が食べられないのも困るだろ?」「ん。」

 「上手く共存できたらいいんだろうけど、今はすごく難しいことなんだ。何かを守るには、何かを犠牲にする必要がある。何を守って、何をあきらめるか。そういうのが大事なんだよ。」「ボク、わかんないのー!」「わからなくてもいいよ、いつかきっとわかる日が来るから。」

 ……って、こども相手になにを話してるんだ自分は。
 「お花もモンシロチョウも綺麗だよな。今日はしばらくここで過ごすか。」「んー!」しばらくの間、自分たちは花畑でゆったり過ごした。

 ……にしても、青い食べ物の多さに衝撃を覚えた。ソフトクリームにビスケット、カレーまで青い。そしてちょっと値が張る。味は美味しいけど、青い食べ物って不思議だよな。白い蝶はいなくなっていくのに、変な色の食べ物は増えていく。

 世界の彩りがだんだん置き換わっていく。

 自称マッドサイエンティストはどう思うんだろうか。「何も手を入れない方が美しいに決まっているだろう?!!」とか言うのかな?それとも「ニンゲンたちは不思議な色のものをつくるのがすきなんだねえ!!!」とかかな?まあいいや。

 モンシロチョウと飛行機を見上げながら、自分たちは青の世界に包まれていた。白い彼らは青い世界の差し色みたいだ。なんて思いながら。自分たちは青を見つめていた。

5/10/2026, 10:43:34 AM

「忘れられない、いつまでも。」

 皆さんには、忘れたくても忘れられないことはありますか?私にはあります。
 
 あれは中学一年生のとき。私の通っていた中学校では、年に一度合唱コンクールがありました。クラスごとにそれぞれ、指揮者や伴奏者がいたのですが、リハーサルの日に私のクラスの指揮者が休んだので、急遽私が指揮者の代理を務めることになりました。なんでやねん!
 そんなわけで、体育館に集まり、他のクラスの合唱を聴きます。私のクラスの順番が刻々と迫っていく。

 ……ついに私のクラスの出番が来ました。

 ステージにみんなが並び、私は指揮台代わりの古い教卓の上に立ちます。ちょっと高いところが苦手だったので、屈みながら、ゆっくりと。
 
 ……立ちました。なんとか立てた。そう思っていたら。

 ガタガタガタガタ。なぜか教卓が揺れだしました。
 走る緊張、集まる視線、それでも止まらない教卓の揺れ。

 ガタガタガタガタ。

 ……まだ揺れてる!!!

 すかさず先生が飛んできて、2、3人がかりで揺れを止めてもらいました。ようやく揺れが収まり、何事もなかったかのごとくリハーサルが始まりました。

 それだけで済めばどれほど良かったでしょう。

 このままみんな全部忘れてくれないかなと思っていたのも束の間、リハーサルの様子が録画されていたのです。

 自分のクラスの様子、というか、私がガタガタ揺れる様子も漏れなく再生されてしまいました。

 そして、そんなことを勿論周りは忘れてくれるわけもなく、結局私のあだ名が「直下型地震」になる羽目になりました。

 本当に忘れられない出来事です……忘れたいのに……!!!

 皆さんは揺れないでくださいね(?)!!!

5/9/2026, 7:00:05 AM

「一年前」

 やあ諸君!元気かい?……このボクを認識しているのかい?こうやって話すのは一年ぶりくらいかな?……ああ、ボクからしてみれば一年なんて、ほんの一瞬のことさ。なんせ、700兆年以上は生きているからね、キミたちからしたら1秒にも満たないような、ほんの一瞬のこと、かな。
 ……一年前、ボクたちは何をしていただろう?ちょうどゴールデンウイークが明けて、ニンゲンくんがたいそう嫌そうな顔をしていたのはよく覚えているよ。

 ……ただ。不思議なことに。

 ……この日のログが残っていない。

 なぜだろうか?少なくともボクの中には、いや、ニンゲンくんの中にも、■■の中にも。「あるはずの記憶」がデータとして残っていない。ボクはどんなことでも、必ずデータとして残している。残しているはずなのに、データが文字通り「ない」。

 なぜだ。なぜなんだ?探しても見つからない。そんなはずはない。

 なぜなら……ボクはスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスだからね!!!そんなボクがミスを犯すはずがない!!!

 キミたちも、手伝ってくれるかい?

 失った記憶探しを。

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 一年くらいサボっててごめんなさい!本当にいろいろありすぎたんです!だからスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスなマッドサイエンティストくんの所にもデータがないんです!!!書いてなかったら!!!データとして残らない!!!それはそう!!!
 なので最近は日記をつけるようにしています。日記、おすすめですよ!
 あと、この一年ですごく後悔しているのは、このストーリー(ストーリーと呼んでいいのかわかりませんが)の設定集をちゃんと自分で作っておかなかったことです!なんとなくノリで書いていた部分が大きいので、メモとして設定をしっかり残していないんですよね……だから自分の記憶頼りになってしまい、ストーリーに矛盾が出ているかもしれません。全部を読み返すのはかなり大変なので、どうしたらいいんだろうか……と考えているところです。プロでやってる方々はすごいですね、ちゃんと設定を決めて素晴らしい……。改めて設定しなおすのってストーリー的に大丈夫なんだろうか……?
 なのでとにかく!話を作るときには!ある程度設定をメモしておくことをおすすめします!当たり前のことを当たり前にする難しさよ……。
 これからもどうぞよしなに~。

5/7/2026, 4:11:11 PM

「初恋の日」

 初恋の日。それは私の黒歴史を生み出した最悪な日。あなたは私みたいにならないように気を付けてくださいね……!!
 ある日、とあるSNSで私にDMをくれた方がいらっしゃったので、もしよければ文通をしないかとお声がけしてみたら、LINEでつながりたいといわれたので、その通りにしました。それが間違いだった……。
 その人はSNSで私の日記をほぼ監視して、LINEですべての感想を寄越してきたり、やたら私のことを肯定ばかりしてくるので、最初は楽しかったのですが、だんだんめんどくさく、そして嫌になってしまったんですよね。
 極めつけは、私があまりにもネガティブな日記を書きすぎていたせいで、直接会いたいと言ってきた(=向こうが勝手に自分に会えばなんでも都合よく受け入れてくれると勘違いしていた)のでそれを仕方なく(この頃には恋はとっくに冷めていました)受け入れてしまいました。それがなければもう少し楽だったかもしれません。
 私はそれが正直めちゃくちゃ嫌でした。勝手に手を繋がれて、「手つなぎの処女頂いた」みたいな気持ちの悪いことを言われたり、急に行きたくない場所へ行く予定を入れられたりなど、彼が来た時には本当に嫌なことばかりでした。
 ……なので、それを正直に日記に書いたら、「そっちにも非がある」「次は気を付けます」と、なぜか私が責められました。しかも、次があるのが当たり前みたいな、すごく自分勝手な意見を押し付けられたので、その時点で彼との繋がりを断ちました。
 今はなんでも日記にできて、監視もされずにとても楽です。多分私は恋愛体質じゃないんでしょうね……。損してるのかな……?
 恋は盲目と言いますが、本当にその通りだったなと今では思います。
 皆さんはSNSでの出会いに気を付けてくださいね。

追記:こんな愚痴でも読みたいと思ってくださる皆様、ありがとうございます……:(_;´꒳`;):_

5/6/2026, 4:37:24 PM

「明日世界が終わるなら……」

 私とあなたはずっと、この国に暮らす人々のために、この国のために、この星のために、そしてこの世界のために、魔法少女として戦ってきた。私が厄災の始末を、あなたは私の傷の回復を。それの繰り返し。ただひたすらに繰り返してきた。

 私は幸せだった。私が世界で一番愛しているあなたのそばにいられるから。大変だったね、なんていいながら、私の傷を癒してくれるあなたの優しい笑顔が見られたから。本当に、幸せだった。

 でも、あなたは私ではない人を選んだ。私にとってはいちクラスメイトに過ぎない、平凡な彼を選んだ。笑顔が素敵だからと、あなたは微笑みながら言った。

 厄災は世界のほとんどを呑み込んだ。今や箱庭で暮らす私たちだけが平和に暮らしている。あなたは魔法少女から、普通の女の子に戻ることを決めた。箱庭にももう厄災の手が伸びていて、あと持って数日という所まで来てしまったから。
 
 「最後くらいは、普通の女の子に戻りたいよね。」あなたは言った。あなたは世界を諦めた。私はあなたを愛しているから、その選択を尊重した。

 それじゃあ、私は?私はどうするの?あなたはもう魔法少女ではない。でも、私はまだ、私たちの暮らす箱庭を守らなければならない。

 「明日世界が終わるなら……」なんて、かつては冗談のような問いだったけれど、いまやもう、みんな世界を諦めた。今や世界は、絶望で、厄災を生むエネルギーで、満ち満ちている。みんな、美味しいご飯を食べたり、大切な人と話したり、あるいは抵抗してみたり。そんなこともしないみたいだね。

 あんなに美しかった世界。あなたの愛した世界は、もうじき厄災に呑まれて壊れる。

 私は?私はどうしたいの?私の世界にはもう、あなたはいない。あなたのいない世界は真っ暗で、冷たくて、終わりのない、そんな場所だ。

 それならいっそ、この手で全部。

 壊してしまおう。

 私は厄災だ。もう世界を守る魔法少女ではない。誰も私を見ない。なぜならもう私は黒い霧だから。綺麗な世界を、私という闇で包んで、守ってあげる。もうどこにも行けないよ、行かせないよ。

 そうだ。箱庭なんて壊してしまおう。あなただけを、優しくて暖かいあなただけを、守ってあげる。そうすればあなたは私だけを見てくれる。これで私たち、ふたりぼっちだね。

 どうせ世界は終わる。だったら私は厄災となって、あなたの気に入らないものを全部消してあげる。あなたのために、欲しいものは全部あげる。あなただけの幸せな箱庭を作ってあげる。

 だからどうか───私だけを見て。厄災となった完璧な私だけを見て。

 怖がらないで、もうすぐあなたも。

 私と一つになれるから。

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