Frieden

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4/17/2025, 12:52:59 PM

「春恋」「遠くの声」(4/15、16)

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「春恋」

春。こころ弾む季節。
鮮やかなたくさんのいろ達が、街を彩る。
あか、しろ、きいろ。

恋。こころのいろどり。
あなたを想うだけで、こころに春が来る。
さくら、こもれび、そよかぜ。

こころが冷たくなったら、恋をしよう。
だれかに、なにかに。

春よ、こいこい。

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「遠くの声」

声が聞こえる。どこか遠くで。
私を呼んでいる。どこかで呼んでいる。

私を呼ぶあなたは、誰?

私は忘れてしまった。あなたを、私のすべてを。
心のどこかで消えゆくあなたが私を呼んでいる。
「忘れないで」と、叫んでいる。

あなたが遠ざかっていく。
あなたが消えていく。

虚空を見つめる私は、あなたを忘れた私は。

誰?

考える間もなく、風が悲しみをさらっていった。

4/15/2025, 10:06:52 AM

「未来図」

未来。みらい。
想像するだけで恐ろしくなる。

今をなんとかやり過ごすだけでやっとだというのに、これから起こることについて考えるともなれば、さぞかし苦しくなるだろう。

僕が今いちばんに望むことは、僕という一人間の存在を、この世から跡形もなく消し去ることだけだ。

誰からも忘れ去られ、まもなく塵と化す。

どれだけ身軽だろうか。

どれだけ楽、だろうか。

でも。

僕は今こうしてことばを遺そうとしている。
願いに反して、なぜか、こんなことをしている。

どうしてこんなことを?

なぜ僕は、誰かの見る場所で、ことばを綴る?

気まぐれかもしれない。
それとも自己満足だろうか。

でも、僕は、僕はどこかで生きることを願っている。
死という全てを飲み込む、甘い優しさに身を任せずに。
生きようとしている。

理由はわからない。
未来を見なければ、わからない。

わからないままだけれど、せめて。

笑っていられるような場所にいられたらいいな。

4/14/2025, 9:52:23 AM

「風景」「ひとひら」(4/12、13)

川のある風景。
君の手には丸くて平べったい小石がひとひら。
うまく投げれば水面を飛びそうだ。

花のある風景。
君の髪に桜の花びらがひとひら。
春は君を彩る季節みたいだ。

海のある風景。
君の足元に白い貝殻がひとひら。
海は君を静かに呼んでいる。

全てをなくした風景。
君の手に壊れた世界の欠片をひとひら。
世界が遺した形見を、君はじっと見つめていた。

君だけがいる風景。
小さな君のてのひら。
かつて見た花のようだ。

この世界には、君さえいればいい。
たとえ壊れても、何度だって作り直せばいいだけだから。
だから。

君はずっと、そばにいてね。

4/13/2025, 8:37:13 AM

「君と僕」

君と僕はずーっと一緒。
太陽と月。白と黒。
正反対だけど、いや、だからこそ一緒にいるんだ。

あたたかい君と一緒にいられるのなら。
僕はどこへだって行ける。
そんな気がする。

4/11/2025, 9:54:16 AM

「元気かな」

「こんにちわー!ボクだよ!みんな、げんきー?ボクはげんきー!」「きょうはねー、おりがみであしょぶねー!」
おちびがお菓子の箱に向かって何か話してる。

「……何してるの?」「んー?いまねー、いんふるえんしゃ?ごっこ!」「いんふるえんしゃ……?あぁ、インフルエンサーか。」「ん!」「ニンゲンしゃんもいっちょにしゅる?」

インフルエンサーなぁ……。一体どこでそんなこと覚えたんだか。自分ですら全然知らないのに。
「じゃあ、視聴者の役でもしようかな。」「んー!」

「えーと……何作るの?」「ニンゲンしゃん、こんにちわー!おりがみでねー、おはなをちゅくるの!」「へー、楽しみだー。」

小さな手で折り紙を折っていく。小さい子どもらしく不器用だ。もどかしくも愛らしい。

折り紙……最後に触ったのはいつだっただろう。
誰とでも仲良くなれたような、そんな年齢の頃だっただろうか。

あの時の友だちは、元気かな。

……顔すらまともに思い出せない彼らのことを、ふと考えてしまった。

「ニンゲンしゃん?」「ん?」「どちたの?」「なんでもないよ。」「しょーなの。へー。」「ね!おはな、できたよー!」
「上手だね。」「あげるー!」

「ちゅぎはなにがいいー?」「鶴とか折れる?」「ちゅるー?むじゅかちいの!おちえてー!」「はいはい。」「まずはこうやって……。」

……懐かしい。こんな気持ちになるのも、悪くない、かも。

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