「元気かな」
「こんにちわー!ボクだよ!みんな、げんきー?ボクはげんきー!」「きょうはねー、おりがみであしょぶねー!」
おちびがお菓子の箱に向かって何か話してる。
「……何してるの?」「んー?いまねー、いんふるえんしゃ?ごっこ!」「いんふるえんしゃ……?あぁ、インフルエンサーか。」「ん!」「ニンゲンしゃんもいっちょにしゅる?」
インフルエンサーなぁ……。一体どこでそんなこと覚えたんだか。自分ですら全然知らないのに。
「じゃあ、視聴者の役でもしようかな。」「んー!」
「えーと……何作るの?」「ニンゲンしゃん、こんにちわー!おりがみでねー、おはなをちゅくるの!」「へー、楽しみだー。」
小さな手で折り紙を折っていく。小さい子どもらしく不器用だ。もどかしくも愛らしい。
折り紙……最後に触ったのはいつだっただろう。
誰とでも仲良くなれたような、そんな年齢の頃だっただろうか。
あの時の友だちは、元気かな。
……顔すらまともに思い出せない彼らのことを、ふと考えてしまった。
「ニンゲンしゃん?」「ん?」「どちたの?」「なんでもないよ。」「しょーなの。へー。」「ね!おはな、できたよー!」
「上手だね。」「あげるー!」
「ちゅぎはなにがいいー?」「鶴とか折れる?」「ちゅるー?むじゅかちいの!おちえてー!」「はいはい。」「まずはこうやって……。」
……懐かしい。こんな気持ちになるのも、悪くない、かも。
4/11/2025, 9:54:16 AM