Frieden

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12/14/2024, 10:36:56 AM

「愛を注いで」

「ニンゲンしゃー!おはよ!」「……おはよう。今日は普通の時間に起きてきたんだね。」「えらいー?」「うん。えらいぞ。」「にへへー。」

かわいいと思ったついでに、ふわふわの髪の毛ともちもちのほっぺたを触ってみる。相変わらず柔らかい。

「ニンゲンしゃん、ボクのことだいしゅきだねー!」「あ、うん。大好きだよー。」「ボク、かわいいもんね!」「かわいいね。」「やっぱりしょーなの!えへー!」

……きっとこの子が自分を愛されてると信じて疑わないのは、この子を造ったあの科学者が、小さな機械たちに愛を注いで育てたからに違いない。この子とその弟が、愛されていてよかった。

「じゃ、ニンゲンしゃんにあまえんぼしゅるー!」

……これからもいっぱい甘えてくれたらいいよ。

「いいねえ!ボクも混ぜてよ!」
……あんたは仕事中だろ。「そんなことを言わずに!」
冗談だよ。こっちにおいで。「へへっ!」

今日も相変わらず平和だ。
こんな日が続きますように。

12/13/2024, 10:05:59 AM

「心と心」

いつだったか忘れてしまったけれど、前に書いた心のことを載せてみます*ˊᵕˋ)੭

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死んでしまった昔の私の心の幽霊を、何をあげても、何をしても満足しない私の心の幽霊を、ずっとずっと引き摺り続けながらでしか生きていけない

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こなごなの心をドブに投げ捨てた
溶ける心を薄目で見てた

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↓ここから新しいやつ↓

「心と心」

ボクの心に触れてごらんよ!……ほら、あったかいだろう?
それも当然!ボクの心はキミへの愛でできているからね!

……え?見えないし触れられない?
野暮ったいなあ、そんなことを言うなんて!

いいかい?心というものは、見えなくても、触れられなかったとしても、そこに「ある」んだよ。

あるだけで、暖かいものなんだ。

少しだけ、壊れやすいけれどね。

でも、ボクがずっとそばにいて、キミの心を支えるから。
寒い時には温めるから。

キミは前だけ向いて、進みたまえ!

12/12/2024, 4:09:49 AM

「何でもないフリ」

「ニンゲンしゃん!たいへん!」……なになに……今度は……朝6時15分……。もうちょっとだけ寝かせてほしい……。
「な、にー……?」「たいへんたいへん!」

「おてがみがなくなってるのー!」「手紙……?」「ん!おてがみ、ないのー!」……あ、あぁ、そういえばこのおちび、前に手紙書いてたっけ。「しゃんたしゃんのおてがみー!どこー?」

そう、純粋なこの子はサンタさんを信じている。良い子にしていたらプレゼントが貰えると信じて、サンタクロースに手紙を書いたんだ。

そして、その手紙がなくなっている……らしい。
「サンタさんが来たんじゃないのか?」「えっ、ほんとー?!……でも、ボクしゃんたしゃんみてないよー?」

さて、手紙はどこにいったんだろうなー。
「ちゃんとおとどけものちないと、しゃんたしゃんにおてがみあげられないのー。」

……ふふっ。
「ニンゲンしゃん!」「……!」「なんでわらうのー!」ほっぺたをぷくぷくさせて怒っている。ごめんごめん。

……何でもないフリするのが難しくて。

まず、小さい子どもならではの純粋さに微笑ましくなった。それから、この子の真剣に狼狽える様子も可愛くて。あと、「サンタに手紙を渡した」のが……自分だから。

……つい笑みを浮かべてしまった。

「もしかしたら、おちびの弟が何か知ってるかもしれないよ?」「そかー!ニンゲンしゃん、ありがとー!⬛︎⬛︎ちゃんにきいてみるねー!」

元気に去っていった……。

「⬛︎⬛︎ちゃん!しゃんたしゃんのおてがみ、ちってるー?」
「おはよう!あぁ、アレならサンタさんに渡しておいたよ。忙しいみたいですぐに行っちゃったが、しっかり渡せたはずだ!」

「そかー!ありがと!」
……我が兄ながらかわいいね!

ボクも何でもないフリをするのが大変だよ!

……楽しみに待っていてね!

12/11/2024, 9:36:02 AM

「仲間」

はぁ。みんなはいいなぁ。
仲間がいて、帰る場所がある。

そんなものはいらないって思っていた時もあった。
実際、人のいるところに身を置くとものすごく疲れるし、結末も大抵不幸になるか、僕のことなんかみんな忘れるかで。

彼らにとって僕はどうだっていい存在だ。
僕にとって彼らがどうだっていいように。

でも。

僕は誰かにとって、少しでも大切な存在になれたことはあっただろうか。好きだと言われたことはあっただろうか。みんなにとって、価値のある存在だったことが、あったのだろうか。

……全くもってない。
悲しいかな、それが現実だ。

欲しがるだけで努力もしない、そんな僕の仲間は。
ぽっかり空いた、この孤独と後悔くらいか。

でも、これでいい。

疲れずに、不幸にならずに、忘れられずに済むから。

だから、今日も僕は───

孤独を連れて歩いている。

12/10/2024, 9:52:43 AM

「手を繋いで」

「ニンゲンしゃーん!」「……なに?まだ朝5時半だよ……?もうちょっと寝かせてくれ……。」「おしゃんぽのじかんでーす!」「あと2時間くらい待って…… ?」「やっ!やー!」

「おや、ニンゲンくん!今日は早いね!どうかしたのかい?」「まだ起きてないの、見てわからないか?」「分かってるって!なにか手伝えるかなぁと思ってねえ!」

「⬜︎⬜︎、ニンゲンくんを叩き起こしちゃダメだよ?」「やー!むぅー!」「……分かった分かった……。散歩……行こうな……。」「やたー!」「なんか……申し訳ないね……。」

寝ぼけた頭で身支度を整える。……しまった、ジーンズを被るところだった。こんな調子で散歩なんかできるのだろうか。ちょっと心配になってきた……。

「おちびのお兄ちゃん、そろそろ出ようか。」「んー!」「心配だからボクも一緒に行くよ。」「⬛︎⬛︎ちゃんもごーごー!なの!」「よしよし。」「えへへー!」

「⬛︎⬛︎ちゃん!ニンゲンしゃん!」「「?」」「おてて!ちゅなぐ!」「はい、おてて!」小さな手をこちらに差し出してきた。柔らかくて暖かい。

「ニンゲンしゃのおてて、おっきい!」「そのうちお兄ちゃんの手も大きくなるよ。」「ほんと?!やたー!」「……ニンゲンくんと⬜︎⬜︎が仲良しでよかったよ。」「なかよち!うれちいの!」

「ところで、今日はどこまで行くんだい?」「んー。わかんない!」「何にも決めていないのかい?!……それじゃあ、山に紅葉を見に行こうか。……暗いけどね。」

「今は暗いけど、朝焼けが綺麗かもしれないな。多分。」「あしゃやけ?」「日の出の時間帯になると空が薄紫と茜に染まって美しいんだよ。⬜︎⬜︎もきっと気にいるはずさ!」

「あしゃやけ、たのちみなの!」嬉しそうにぶんぶんと手を振る。……元気いっぱいでかわいい。

「ニンゲンしゃん!おしゃんぽ、たのちいね!」「うん、楽しいね。」「ふふふ!キミたち、本当のきょうだいみたいだねえ!」「ニンゲンしゃんもボクのきょうだい?!」「違うよ。」

「でも、こんなかわいいきょうだいがふたりもいたら、自慢できちゃう気がするよ。自分はそう思う。」「ニンゲンしゃん!」「ふふふ……今日はなんだか優しいねぇニンゲンくん!」

「ボクのことなら!!!いくらでも!!!自慢してくれて!!!構わないよ!!!」「はいはい。」「照れているのかい?!!キミにも可愛いところがあるんだねえ!!!実に興味深い!!!」

うるさいな……。「悪かったって!」
「けんかは、めんめだよ!」「け、喧嘩はしていないよ?!」「よかったー!」

「おや!ふたりとも!見てごらんよ!ここ、朝焼けがよく見えるよ!!」そう言っておちびの弟が右側を指差した。

薄い藤色で空は染まり、紅い雲が彩りを加える。
日の出が、山を、街を、全てを包んでいく。

そんな光景を、自分たちは手を繋ぎながら、静かに見つめていた。

「……きれい!きれい!あしゃやけ、きれいー!」
嬉しそうにはしゃいでいる。この子の白いほっぺたは、朝焼け色に染まっていた。

「⬜︎⬜︎に喜んでもらえてよかったよ!……それじゃあ、そろそろ家に帰ろうか!」「ん!」

正直、未だにちょっと眠い。
でも……早起きして、よかった。

そう思って、自分たちは朝日に照らされながら帰路についた。

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