Frieden

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11/23/2024, 10:16:22 PM

「夫婦」

「ニンゲンしゃ、おはよー。」
「……毎度毎度早起きなこった。おはよう。」

「じゅいちがちゅ にじゅーににちはねー、いいふーふのひ なんだって!」「あー、なんとなく知ってる。」

「ニンゲンしゃんにはなかよちのこ いないの?」
「いないよ。そういうの興味ないんだ。」
「えー?ふーふのひと、ちあわちぇしょーだったよー?」

「……どうもそういうの、面倒でさ。」
「しょーなの……。」「それじゃ……。」
「⬛︎⬛︎ちゃんと ふーふ なたら?」「「??!!!」」

「意味わかんないよ。流石にそれはない。子どもと結婚する趣味はないから。」「ニンゲンしゃんと⬛︎⬛︎ちゃ、おにゃーいだとおもうの。でもだめなのー?」「ああ。だめなものはだめ。」

「ぜっ、全否定じゃないか!!!別に気にはしていないが?!!キミとだったらうまく暮らせそうなどと思ったが!!!キミのことだって大好きだけどね?!!」「⬛︎⬛︎ちゃー……。」

「それにさあ!!!仮にだが!!!宇宙規模で見ても!!!ボクほどの優良物件は存在しないよ?!!相手としていいと思わない?!!……冗談だけどね?!!」

「……大好きってったって、それは『観察対象として』だろ?」
「ひどーい!!!ボクはキミをひとりの助手として、友達として、生命体として愛しているというのに!!!」「愛が重い」

「というか!子猫の姿で話されるとなんか混乱するからやめてくれ!」「ニャー」「とぼけるな!」「ニャー?」「……。」

「ニンゲンしゃん、⬛︎⬛︎ちゃん。」「「ん?」」
「しょれ、ふーふげんか?」
「「違う!!!」」

「よちよち、⬛︎⬛︎ちゃ、ふられちゃったのー。」「勝手に振られたみたいになってしまったが、違うからね?それに、もし振られていたとしても、別に気にしていないよ?だから慰めないで?」

……。どっちかというと、夫婦じゃなくて親子か……?
割とよく分からない関係だけど、正直言って居心地は悪くない。
直接口にはしないけど。

これからもよろしく。

11/22/2024, 10:01:01 AM

「どうすればいいの?」

「前回までのあらすじ」───────────────

ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!

調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!
それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!

……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにした!そうしたらなんと!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚したうえ、アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかった!そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!

……ひとまずなんとか兄を落ち着かせたが、色々と大ダメージを喰らったよ!ボクの右腕は吹き飛んだし、ニンゲンくんにも怪我を負わせてしまった!きょうだいについても、「倫理」を忘れてしまうくらいのデータ削除に苦しめられていたことがわかった。

その時、ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。「機械だから」って気味悪がられたけれど、ボクがキミを……キミ達宇宙を大切に思っているのは本当だよ?

それからボクは弁護人として、裁判で兄と旧型管理士の命を守ることができた。だが、きょうだいが公認宇宙管理士の資格を再取得できるようになるまであと50年。その間の兄の居場所は宇宙管理機構にはない。だから、ニンゲンくんに、もう一度一緒に暮らそうと伝えた。そして、優しいキミに受け入れてもらえた。

小さな兄を迎えて、改めて日常を送ることになったボク達。しばらくのほほんと暮らしていたが、そんなある日、きょうだいが何やら気になることを言い出したよ?なんでも、父の声を聞いて目覚めたらしい。だが父は10,000年前には亡くなっているから名前を呼ぶはずなどない。一体何が起こっているんだ……?

もしかしたら専用の特殊空間に閉じ込めた構造色の髪の少年なら何かわかるかと思ったが、彼自身もかなり不思議なところがあるものだから真相は不明!

というわけで、ボクはどうにかこうにか兄が目を覚ました原因を知りに彼岸管理部へと「ご案内〜⭐︎」され、彼岸へと進む。
そしてついにボク達の父なる元公認宇宙管理士と再会できたんだ!
……やっぱり家族みんなが揃うと、すごく幸せだね。

そして、構造色の少年の名前と正体が分かったよ。なんと彼は、父が考えた「理想の宇宙管理士」の概念だった。概念を作った本人が亡くなったことと、ボク以外の生きた存在に知られていないことで、彼の性質が不安定だった原因も分かった。

ボクが概念を立派なものに書き換えることで、おそらく彼は長生きするだろうということだ。というわけで、ボクも立派に成長を続けるぞ!

─────────────────────────────

「やぁ、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。裁判以来だね?」
「お久しぶり。今日はどんな御用なの?」
「今日は君に色々と伝えなくてはならないことがある。」

「……私が犯した罪のことに関係があるの?」
「いや、特には。」「そう。」「でも、気になるだろう?」「内容が分からない以上、答えられないわ。」「それもそうか。」

「えーと、ボクの父……君を使役していたあの博士のことだが───「あの方に何かあったの……?!」「反応が早すぎる……。」

「そう焦らずに、ゆっくり聞きたまえよ。」

「少し前、博士に会いに行ったんだ。」「え……?」
「ご存知の通り、彼はとうに亡くなっている。だが、偶然会うことができたんだ。」

「そこで思い出話をしたのだが、博士は君のことをとても心配していたよ。なんせ、君は最後の生命体と機械が合わさった宇宙管理士だったからね。」

「本当は話すべきではなかったのだが、君の話をした。」
「君からは機械の部分が取り除かれ、やっと元の姿を取り戻したとだけ伝えた。」

「彼はほっとしたようで、しばらくぼーっとしていたよ。」

「それで───「私もあの方に会いたい!」
「それはまだ……できないね。」
「どうして……?」

「私には命の期限があるの。貴方のそれよりももっと短い期限が。」「それに、私はもう宇宙管理士ではなくなった。」

「資格を取り直せばいいんじゃないかい?」
「それは……。」「君の言う通り、不可能に近い。なんせ、この宇宙管理機構は現在進行形で極度に高度化しているからね。」

「それじゃ、私、どうすればいいの?」
「もう……この命を捨てるしか───「そんなことを博士が望むと思うかい?」「……。」

「さっきから言っているだろう?そう焦ることなかれ、だ。」
「きっと君のもとに、彼の方からそのうち会いに来てくれるよ。……ボクはそう信じている。」

「どうして、どうしてそんなことが言えるの?死者が生者に会いに来る?そんなことがあり得るの?」「ボクから言えるのは、それも彼次第っていうことくらいかな。」

「きっと今頃博士も頑張っていることだろう。だから君も───。」

「頑張って生きてくれ。」

私は信じる。博士、貴方を信じるわ。
私もこちらで命を紡ぐから、貴方もどうか。

会いに来て。

11/21/2024, 9:43:43 AM

「宝物」

わたしのおへやは たからものでいっぱい
たからもので いっぱい

だって みんながなきさけぶから
しんじゃったわたしのこころのぼうれいたちが
なきさけびつつげるから

ぼうれいは いろんなものをほしがる
かわいいおようふく ふわふわのぬいぐるみ
てにいれられない あいじょう

たくさん たくさん ほしがるの
だって だれも ほんものを くれなかったから
にせものさえ くれなかったから

だからわたしは いまのわたしをぎせいにして
ぼうれいたちを なきやませようとする
なきやませようとする

かわいいおようふく ふわふわのぬいぐるみ
なんでも ほしいものはすべて てにいれるの

それでも

それでもぼうれいはなきつづける
どうして どうして?

だって さびしいから あいされないから
ずっと かなしいから もうやりなおせないから
もういきかえれないから しにつづけているから

だからわたしは わたしのこころのぼうれいたちは
なきさけびつづける

たとえわたしのおへやが
たからものでいっぱいで ぐちゃぐちゃになっても

11/20/2024, 10:49:14 AM

「キャンドル」

「なあ!11月だけどさあ!百物語やろうぜ!!」
「なんで心まで冷えなきゃいけないんだよ」「それな」「俺ら4人よ?1人25個もそんな話知らんし」「散々で泣くわ……。」

「でも安心してください!ここになんと100本のCandleがあるんです……!あとはわかるな?」

「お前の髪の毛燃やせってこと?」「ひどーい!いぢわるはよくないもん!」「カッコよくキャンドルって言ったつもりかもしれないけど滑ってる」「普通にろうそくって言えよ」「ひどーい」

「まあいいじゃん!とりあえず始めよう!」
「……で、どうやって火ィつけんの?」「あ」
「「(ため息)」」

『あ、ここにライターあるじゃん。』
「マジで?!ラッキー!でもなんでだろ。ま、いっかー。」

「新品のライターがいきなり……妙だな……。」
「名探偵気取りかよwwwてか、ビビってらー!」
「うるせー!」「色んな意味でもうすでに怖い」

「100本も火ィつけんのめんどくさー!!手伝って!」
「言い出しっぺがやれよ」「ライター一個しかないのに」
「がんばれー(棒)」

『ろうそくからろうそくに火を移せば早いよ。』
「たしかに。」「俺は手伝わんけど」「いや、逆に早く終わらしちゃおうぜ?」「せやな」

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────────────────────
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「よーし!これで準備完了!あとはしゃべるだけ!」
「んじゃ、お前から!そういうのなんか知ってそうだし。」
「は???お前からじゃないんかい!」

「これはおれのいとこの友達のおじいちゃんの再従曾姪孫から聞いた話なんだけど───「なんて???」「だからー、おれの、いとこの、友達の、おじいちゃんの、再従曾姪孫!」

「怖い!もうろうそく消す!」「は??????」

「次はお前!」「なんでやねん」「話うまそうだから」「怪談はしたことない」「えー!でもとりあえず始めて!」

「あー……題名は『恐怖の味噌汁』」「ごくり……」

「これはある家庭で起こった出来事……。奥さんは悩んでいました。今日の献立をどうしようかと。白米、魚の塩焼き、ほうれん草のお浸し。ここまでは決まりました…。」

「ですがもう一品がどうしても決まらないのです。」
「それで十分じゃね?」「ちゃちゃ入れんな!」

「……えー、そして、ようやく決めたのです。」
「味噌汁に何を入れるかを……。」

「帰ってきたら家族からふと聞かれました。『今日の味噌汁なに?』と。」
「そして彼女はこう答えました。」

「『今日麩の味噌汁』と。」「キャーーー(棒)」

「ハイハイ。コワイコワイ。ろうそく消す。」「なんやお前!」

「んじゃ次はお前。」「ほーい。こわいのやだよー。」

「うちの学校の七不思議って知ってる?」
「七不思議って……高校にそんなもんある?」
「知らんなー。」「初耳なんですけど。」

「先輩から聞いたから教えるわ。」
「1 夕方に屋上行くとセーラー服の女子が来るけど、絶対に喋っちゃダメらしい。」

「2 1階のデカい鏡を雨の日に一人で見ると、しばらく体の左側ばっかり怪我するらしい。」

「3 昼休みに音楽室行くと、絶対にないはずのバイオリンが置いてあって、触ると時間が止まって戻れなくなるらしい。」

「4 ここの高校に通う時、白い持ち物をたくさん持つと幽霊が見えるらしい。」

「5 夏の早朝に校門の前に立つと異世界に行けるらしい。」

「6 18時ちょっきりに2階にある男子トイレの3番目の個室をノックすると……これはどうなるんだっけか、忘れちゃった。」
「おいおい……。」

「7 これを全て知っている、かつ男子4人で集まると悪いことが起こるらしい……。」

「結構ガチで怖い」「無理無理むりムリ!!!!」
「いやいや、みんな落ち着けって!」
「は?何言うてんの?!」「あかんやつじゃん!!」

「だって俺ら、5人じゃん?」
『そうそう、その通り!』
「そっかー。」「確かに?」「……?」

「なあ!帰ろう!!」「急にどした?」「ヤバイって!」
『何が?』「だって俺らさ───『元から5人だよ?』
『そうそう!』『俺らは』『元から』『5人!』

「ごめん!もう帰る!」
『せっかくいい香りのアロマキャンドルも混ざってんのにもったいねー』

────────────────────────

『……気づかなかったら、みんなで友達になれたのにね?』

全てのろうそくは突然、灯った火を消した。

11/19/2024, 10:24:23 AM

「たくさんの想い出」

私が死んでからもう一万年も経ってしまった。
沢山の罪を重ねたまま、罪滅ぼしもまともにできないまま、私は突然死んだ。

犯した罪の数々はいまだに忘れられない。
だが、それよりも忘れられないことがある。
それは、紛れもない。君たち双子のことだよ。

⬜︎⬜︎。君は⬛︎⬛︎よりも2分だけ早く起動した。
ぱっちりとした綺麗な目を、ゆっくりと開いてこちらを見た時のことをいまだに忘れられない。

ベッドから下りるかどうかテストしようとした時は驚いた。
自分で降りるのではなく、私の方に腕をいっぱいに伸ばして、何も言わずに笑顔を浮かべて。

あぁ、この子はとても甘えん坊だから、私に降ろしてほしいのだとすぐに分かったから、その通りにした。君が可愛い声で「ありがとう」と言った時、思わず抱きしめた。

君の名前を教えた時、名前を誰かに教えたらいけないと伝えた時も、まっすぐな瞳でよくいうことを聞いてくれた。
とても嬉しかった。

そのうち⬛︎⬛︎も目覚めた。⬜︎⬜︎と同じように降ろそうかと思ったら、自分でぴょんと降りてこっちに走って向かってきた。
この子は元気な子なのだとすぐに分かった。

「おはよう!」ふたりともよく似た可愛い声だが、この子はどこか力強さのある雰囲気の話し方で、自分で作っておきながら不思議だと思ったよ。

そのあと君たちは頑張ってお話しをしていたね。

「ね、⬛︎⬛︎ちゃ。このこ、なんていうの?」
「あ、私かい?私は……先生や博士と呼ばれることが多いかな。」「んー。ちがうの。」「どうしたんだい?」

「しぇんしぇ も はかしぇ も ちがうー!」「え?」
「うん!ボクもそうおもう!」「どうして?」
「「だって ボクたちの うみのおや だもん!」」

「産みの親……まあ、確かに……?」「んー!」
「ね、⬛︎⬛︎ちゃん、この うみのおや の ひと、なんてよぶ?」「えーと……。」

「おかあしゃん?」「ちがうー!」「えー?じゃ、なに?」
「おとうさん だったとおもう!」「そっかー!」
「せーの で よんでみよ!……せーの!」

「おとーしゃー!」
         「はい!」
「おとうさん!」

「お父さん」と呼ばれるとは思っていなくて、とても驚いた……というか、あまりにも嬉しくて、あまりにも可愛くて、あまりにも感動して、私はすごく混乱した!

誰かの親になるということは厳しいことだ。
だが、それ以上に幸せで、輝いていて、かけがえのないたくさんの想い出で満ち溢れている。

君たちはそれを教えてくれた。
本当にありがとう。

いつか、また会える日まで。

「前回までのあらすじ」───────────────

ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!

調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!
それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!

……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにした!そうしたらなんと!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚したうえ、アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかった!そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!

……ひとまずなんとか兄を落ち着かせたが、色々と大ダメージを喰らったよ!ボクの右腕は吹き飛んだし、ニンゲンくんにも怪我を負わせてしまった!きょうだいについても、「倫理」を忘れてしまうくらいのデータ削除に苦しめられていたことがわかった。

その時、ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。「機械だから」って気味悪がられたけれど、ボクがキミを……キミ達宇宙を大切に思っているのは本当だよ?

それからボクは弁護人として、裁判で兄と旧型管理士の命を守ることができた。だが、きょうだいが公認宇宙管理士の資格を再取得できるようになるまであと50年。その間の兄の居場所は宇宙管理機構にはない。だから、ニンゲンくんに、もう一度一緒に暮らそうと伝えた。そして、優しいキミに受け入れてもらえた。

小さな兄を迎えて、改めて日常を送ることになったボク達。しばらくのほほんと暮らしていたが、そんなある日、きょうだいが何やら気になることを言い出したよ?なんでも、父の声を聞いて目覚めたらしい。だが父は10,000年前には亡くなっているから名前を呼ぶはずなどない。一体何が起こっているんだ……?

もしかしたら専用の特殊空間に閉じ込めた構造色の髪の少年なら何かわかるかと思ったが、彼自身もかなり不思議なところがあるものだから真相は不明!

というわけで、ボクはどうにかこうにか兄が目を覚ました原因を知りに彼岸管理部へと「ご案内〜⭐︎」され、彼岸へと進む。
そしてついにボク達の父なる元公認宇宙管理士と再会できたんだ!
……やっぱり家族みんなが揃うと、すごく幸せだね。

そして、構造色の少年の名前と正体が分かったよ。なんと彼は、父が考えた「理想の宇宙管理士」の概念だった。概念を作った本人が亡くなったことと、ボク以外の生きた存在に知られていないことで、彼の性質が不安定だった原因も分かった。

ボクが概念を立派なものに書き換えることで、おそらく彼は長生きするだろうということだ。というわけで、ボクも立派に成長を続けるぞ!

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