中学の時の部活のグループLINEにいきなり1年ぶりにLINEが来たと思って見たら、ただの宣伝だった。
普通にウザイから既読つけたくない。
人間は誰しも弱点がある。
弱点と聞いたら、ネガティブなイメージがまっさきに浮かぶ。他人にはできるけど、自分にはできないこと、自分が苦手なこと……。考えるだけで嫌になってしまう。
でも、弱点は、時に自分の味方になってくれる。その弱点を長所に変えようと頑張ったり、弱点を補うために別の点を強くしたりと、目標、大袈裟に言えば生きる目的が生まれる。
弱点があるからこそ、人間は生きられる。あるいは、弱点なんか気にしない、と考えることもできる。人間は不完全であるからこそ生きがいを見い出せるはずだ。
香水と言えば、ボスってどんな香水をつけてるんだろう?
香水の知識なんてからっきしだけど、なんか、甘いスイーツみたいな匂いをつけてそうなイメージかな。
見た目がイカつい人ってだいたい優しくてかわいいものが好きそうな人が多いから、そんな感じかな?
「ボス!冷蔵庫に置いてあったプリン、知らないですか!」
「あぁ、あのプリンか、普通に賞味期限切れそうだったから俺が食べたぞ」
「えっ、食べちゃったんですか」
「食べちゃまずかったか?」
「だめですよ!!あれは……」
「………」
「オレのボスへのプレゼントなんですから!!」
「え、それならいいんじゃねぇのか?」
「ダメですよ、ボス!オレから手渡ししなきゃプレゼントになりませんよ」
自分の計画が上手くいかなかったと、襟尾はしょげていた。
「そうなのか?……ごめんな、エリオ」
「ごめんの言葉はいりません。ただ、」
「ただ?」
「オレを抱きしめてください」
「心得た」
津詰はその大きな体で襟尾を包み込んだ。
「大好きですよ、ボス」
ガチャッ。
「あれ、ボス??どうしたんですか、こんな休日に。オレが恋しいんですか?」
「昨日会ったばっかりだろ!!恋しくなんてねぇよ。ちょっと届けものでな……」
「お届け物?4ヶ月たった誕生日プレゼントですか?」
「プレゼントはあげただろ。……これなんだが」
「……カレー?レトルトですか?」
「なんでそうなるんだよ。俺が作った。なんだが、あまりに多く作りすぎちまったみたいでな。あまりをあげる相手がいなくてな……お前のところに来たって訳だ」
「ははーん、さてはオレの甘口レビューが欲しいんですね、でも、オレは料理には厳しいですよ。そう簡単に星五なんてとらせませんよ!」
「……いらないか」
「いやいや!食べます食べます!ボスが作ったものならなんでも食べます!むしろ食べないなんて選択肢はオレの中にありませんよ!」
「じゃ、食ってくれ」
津詰はカレーが蓋に着くくらいのタッパーに入ったカレーをエリオに手渡した。
「俺は帰る」
「待ってください。ボス、一緒に食べましょう。オレ、ボスがいなきゃ食べれません」
「……仕方ねぇな。一緒に食べてやるよ」
「うっし。じゃあ、行きましょう!」
「………は?どこに?」
「もちろん、ボスの家ですよ!」
「いやいや、何言ってんだ?なんで俺のい……」
エリオは津詰の言葉をさえぎって腕を奪った。