オレの視線の先にはいつもボスがいる。
ボスの大雑把な所作、細やかな手遣い、虚ろげな瞳孔、全てがオレにとって愛らしく見えてしまう。魔法がかかっているのだ。
本当は毎分毎秒オレの視線の先にはボスがあって欲しい。しかしその欲ははいつかは叶えられなくなる。
だからオレはボスとの空間をいつでも大切にする。
ボスへ
オレだけを愛してください
エリオ
俺が娘にかけてやれた時間はどれくらいだろうかと考えていると、いつも胸が痛み後悔する。
俺が仕事人間で家族に自分の時間を割けられなかったことくらい分かっていた。クソみたいな父親だ。もっと、家族で過ごす時間を設けられたらどれほど良かったか。
だが、時間は戻せない。決められた運命を受け入れて、心の隙間を埋めていくしかない。
俺の覚えている限界の記憶だと、俺とあいつは喫茶店でアフタヌーンティーを嗜んでいた。頬にケーキのクリームをつけた愛らしい顔は今でも鮮明に脳裏に浮かぶ。俺はあの時からあいつの笑った顔を見ていない。
俺だって自分の娘を愛していなかった訳ではない。でも、あの頃はいつも仕事が忙しいという逃げ文句ばかり吐いていた。仕事と家族を天秤にかけると、いつも仕事が下になっていた。
そんなことを考えながら、俺は泡の薄くなった麦酒に口をつけた。
(お題にぜんぜん関係無いです)
今日塾の数学の授業でテストをやったんですけど、テスト中本当に焦って解法が上手く思いつかなくて結局解けなかったんです。そこで自分の実力の無さに失望して泣きそうになりました。でも、帰り道に好きな音楽を聴きました。そうすると少し気持ちが楽になりました。
自分の好きなものは自分を助けてくれることを改めて感じました。
気持ちを切り替えて、しっかり復習したいと思います🫡
「ボス、いい加減にしてください」
「うおっ、なんだよいきなり」
オレはボスの持っていた菓子を奪い取った。
午後の3時頃、オレは貰っていた資料の読み込みに頭を働かせていた。なのに、オレの横には、むしゃむしゃと音を立てながらせんべいを食べている津詰徹生がいた。
彼は強面の顔に反して大のお菓子好き(甘党)だが、いくらなんでも食べすぎだ。
「ボス、もういい歳なんですから、健康とかいっそう気をつけなきゃ行けないんですからね?こんなお菓子ばっか食べてたら寿命縮まりますよ〜?」
「別にいいだろ?菓子くらい。菓子ばっか食ってても早死にはしないだろ」
「いいや、オレがダメなんでダメです。もうお菓子ばかりの生活は終わりです、終わりにしましょう。このせんべいはオレが貰います」
そうしてオレは奪い取ったせんべいをバリバリと音を立てながら食べた。
「お前、俺のせんべいが食べたかっただけだろ?」
「バレちゃいました?」
「だろうなとは思ってたわ、まあ、いくらでもあるから、お前さんも好きなだけ食べな」
「やったー!ボスからのご褒美〜!ボス!大好きです!」