~落下~~
落ちる
落ちる
落ちる
だから あとは 昇るだけ
~未来~~
1秒後でも
10年後でも
未来は未来
今の連鎖
今日の積み重ね
~1年前~~
もう一年
すごく強くなったと思った
何でも出来ると感じてた
でも、弱いまま
変われてなかった
だから、また歩きだそう
あそこには帰れないから
~好きな本~~
一目惚れした表紙
捲った紙の質感
心踊った内容
読後の余韻
いろんな本があるけれど
やっぱり
君と読んだ
あの本が
忘れられない
~あいまいな空~~
晴れてたら 雨だったら
行かなかったな
あいまいな空だったから
行ったんだ
でも、頂上直前で雨に降り込められたっけ
靴も服もびちゃびちゃになって
二人で笑っちゃったよね
あんな空に出会えたら
また君と笑いながら過ごせるのかな
あじさい
青いあじさいの花言葉は「冷淡」
決して振り向いてくれない貴方の背中みたい
白いあじさいの花言葉は「一途な愛情」
私の知らない誰かを見つめる貴方の瞳みたい
色の移ろうあじさいのように
貴方の心が変わってほしい
~乗り遅れ~~
好き嫌い
好き嫌い
好き嫌い
好き嫌い
わりと好き すこし嫌い
すごく好き ちょっぴり嫌い
とても好き たまに嫌い
街
「街のネズミと田舎の~」って、童話がある
ゴミゴミした街を抜け出して、
田舎で温泉入って、好きな音楽ガンガン流して
BBQとかしたら最高だ!
で、街の便利さが恋しくなるんだろうな。
普段は街に住んでて
休日は田舎の別荘で暮らす、のが
ベストだと思う。
~乗り遅れ~~
やりたいこと
や ヤンゴンでバカンス
り リヒテンシュタインでバカンス
た タイタニック…は不安だから
ダイアモンド・プリンスのスィートでバカンス
い イタリアでバカンス
こ コート・ダジュールでバカンス
と トリニダード・トバコでバカンス
つまりはバカンス行きたい
~朝日の温もり~
二人でずっと話をしていた
小さい頃のこと、つい最近のこと
そして、あったかもしれない未来のこと
いつの間にか寝ていたみたいだ
空が白み始めている
すっかり冷えていた体に朝日の温もりが
有り難かった。
「あれ、新しい1日が始まっちゃったね」
「なんか昨日の夜で最後かなって思ってたんだけど」
「まぁ、続くなら続く限り頑張りましょ」
いつか、明けない夜が来る
その時まで、二人で一緒に
~岐路~
私には他にも選択肢があった
でも、この道を選んだ
振り返れば、選ばなかった道が
遥か遠くまで続いているのが見える
この道の終わりは、きっとすぐそこ
でも、後悔してない
だって、君がいるから
~世界の終わりに君と~
誰もあいつを覚えていないと思ってたのに、
ばあちゃんは覚えていた。
あわてて、ばあちゃんのご近所さんにも聞いて回った。
隣の小林さんちのおばさんは覚えていない。
あいつと良く遊びにいった向かいの佐藤さんちは、
じいさんが覚えてるが、おじさんは覚えてない。
一人一人、検証して、気づいたことがある。
覚えていた人は、あいつと関係が深かった人。
そして、
すでに亡くなっている。
さっきと同じ風景、まるで何事もない日常のようで、
でも、違和感が今更ながら沸き上がる。
覚えていなかったんだ、僕が。
あの日、あいつと別れた後、何があったかを。
ここは、あいつが望んだ世界。
優しかったばあちゃんがいて、愉快な佐藤のじいさんもいて、
そして、僕もいる。
今までの世界から消えたのは、あいつじゃない。僕だ。
「思い出したんだね」
「なんだよ。せっかく、僕の願いが届いたんだぞ。
もっと楽しい神様生活すれば良かったのに。」
「いつも私の話を聞いてないよね。
なんで私一人だけ生きてりゃいいと思うかな」
僕があいつを探し回ったことで、あいつが作り出した
『僕がまだ生きている世界』は綻びが生じたらしい。
もう、この世界は終わるのだろう。
でも、
あいつと一緒だから…
君と一緒だから…
~最悪~
あの日のカフェの帰り、声を掛けられた。
追い掛けてきた存在がコレだと分かった。
コレが言うことは笑える冗談ばかりだ。
いわく、君が事故にあった。
いわく、君の最後の願いが私を神と呼ばれる存在にした。
いわく、神として最初にすることがある。
いわく、…
もう、嫌だ。
最も悪いことは、いま起きている。
~誰にも言えない秘密~
神と呼ばれる存在
自分がそれになったら
なにをするか
思い通りに好き勝手をする?
災害を止め世界を救う?
君に聞けたなら
なんて答えてくれるだろう
君の声が聞きたい
~狭い部屋~
壁があっても 屋根があっても
安心できる場所じゃない
ドアがあっても 窓があっても
どこにも行けない
ここは狭い部屋
君のいない場所
~失恋~
叶わぬ恋って
哀しくてキラキラしたものだと思っていた
こんなに ぐちゃぐちゃで 醜い ものだったなんて
知りたくなかった
失って 初めて 恋じゃなければ良かったと思う
~正直~
小さい頃、大人に言われた
正直であることは良いこと
嘘をつくのは悪いこと
いま、目の前の絶望に立ち向かうのに必要なのは
変えられない事実を打ち明ける正直さ?
それとも、甘い希望を見せる嘘?
梅雨
梅の実が熟す頃だから梅雨と呼ばれる、と聞いたことがある。
夏に飲む梅ジュースは甘酸っぱくて格別旨かったから、
ばあちゃんの梅仕事をよく手伝っていた。
黙々と梅のヘソを取る僕を、あいつはニコニコ見てたっけ。
「会いたいな」
ふっと、言葉がこぼれる。
「会いに行けばいいのよ。おばあちゃん喜ぶわ。
最近、あんた顔色悪いし、気分転換してくれば。」
母さんの勘違いだ。
でも、最近、酷く疲れている。
確かに、いつも明るいばあちゃんの顔を見れば、少しは
元気になれるかもしれない。
思い出が詰まった場所だけに複雑ではあったが、久しぶりに
ばあちゃんちへ行くことにした。
「やっとこさ着いた」
「よく来たね。雨のなか大変だったろ。
おや、だいぶお疲れだね。痩せたんじゃないかい。」
「ちょっと前から色々あってね。」
「あの子は一緒じゃないのかい。
まさか愛想尽かされたんじゃ…」
血が逆流したって、こうはならないってぐらい
驚いた。
「ばあちゃん、あいつのこと覚えてるの?」
「当然でしょ。なんで、そんなに驚くかね」
あの日から初めて、あいつを覚えている人に出会えた。
幻じゃなかった。あいつは、どこかにいる。
溢れそうな涙をぐっと我慢する。
もう一度、あいつを探そう。