天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、
「誰それ?」
「知らないな」
「分からないけど友達かい?」
つい先日カフェで会った。
たわいない話をして、笑って別れた。
それから、あいつを見なくなった。
心配になって聞いて回った。
でも、誰も、あいつのことを覚えていない。
大学のゼミ仲間も、バイトの先輩も、
よく一緒に行ったカフェのマスターも、誰も。
「あいつは、どこにいるんだ」
僕がおかしくなったのか、それとも…。
ただ、必死に走る私。何かから逃げるように。
あと少し…
あそこまで辿り着けば、きっと大丈夫
あともう少し…
「そんな夢をみたんだけど、ストレスかな?」
「じゃあ、『夢 逃げる 追われる』で検索~」
「おぉ、凄い!」
「なになに?」
「老舗布団メーカーのサイトがヒットした。
睡眠のお悩み相談コーナーなんてのもある、へぇ。」
「ちょっとぉ」
「寝てて急にびくっとなるのには医学的名称があるんだって」
「完全に違うとこ見てるよね」
「究極の枕とは?これも気になるなぁ」
「もう、頼りないな」
カフェで楽しげに話す二人の近くに座って、
会話に耳を傾ける
夢には潜在意識が反映されるとも言われる。
何かしら感じるところがあるのかもしれない。
今まで気づかれたことはないが、勘の良い者はいた。
何に追われているのか、知りたいかい?
「ごめんね」
あの時、とれば良かった
今でも後悔してる
また次の機会があるかなって
動くと邪魔しちゃうかなって
静かに見守ってたけど…
お願い、もう一度やって欲しい
もう一度、「ごめん寝」して!
アンモニャイトでもいいよ~
~~乗り遅れ~~
半袖
貴方の半袖は
私の七分袖
貴方の半ズボンは
私の七分丈
私の精一杯は
貴方の頭1つ分下
だから、屈んでくれないと
私からは届かないよ
~~乗り遅れ~~
天国と地獄
かつて、ここは天国だった
人々が行き交う姿を見下ろし
夜景を眺めては悦に浸っていた
しかし、今は地獄だ
遥か上から見下ろされ
誰かが悦に浸って見ている
夜景の一部になってしまった
そう…、
入居当時は高層を謳っていたうちのマンション近くに
最近、超高層マンションが建った
月に願いを
昼間に月が見えてても
願いをかけるのは、たいてい夜
星があまたあっても
祈るのは、もっぱら流れ星
いろんな人と逢っても
好きになったのは、貴方だけ
~~乗り遅れ~~
いつまでも降り止まない、雨
それを厭う人もいる
それを願う人もいる
いつまでも照りつける、太陽
それを厭う人もいる
それを願う人もいる
無い物ねだりって分かっているけど
ちょこっと交換できたら、いいのにな
あの頃の不安だった私へ
えっ、今でも不安だよ
むしろ不安は無くならないって
だって、未来があるから 希望があるから
なくなったらどうしようと考える訳で
不安あり希望ありの未来を楽しみなって