黒山 治郎

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8/9/2024, 12:12:13 PM

上手くいかなくたっていい。

これ以上に心が痛くなるくらいなら
どうにかして、この場所を出て…

本当に傍に居たい人達と
会って、ただ話をしたい。


どれだけ、外が暗かろうと
穴蔵よりは光に溢れているだなんて
酷く単純明快で分かりきった皮肉に
今更、思い至っては笑い泣いてしまった。

8/8/2024, 5:55:04 PM

ひらりひらあり
緑を背に、花弁も羽根も
風を受け翻っては空へ舞い上がる。

目が回ってしまいそうな程
色を着飾る貴婦人らの会
あの花は、あの蝶は
見られていようがいまいが
優雅さを柔らかさを保ったまま
本能のまま生きるという難しさを
身をもって知る強い者たちだと思う。

彼、彼女らには
クオリアが結晶の如く
その身、形となって
宿っているのだろうと私は感じた。


ー 蝶よ花よ ー

8/6/2024, 9:35:02 PM

太陽がただ明るいのを
抽象的に書きなぐって
何故か覆いたいと思ってしまう。

ただ明るくて暖かい物を
心のどこかで否定したくて仕方ない
変に勘ぐって他に無いだろうって言葉を探して
それを当て嵌めて快晴なんて無視して
結局は淀んだ空にしたがる。

何時でも世界はシンプルなのに
こうじゃないかああじゃないか
他の人ならどんな風に書けば見てくれるのか
別に、要らなかったんだ。

何もいらない、太陽が明るかった
それだけで本当は良かったんだよ。

明るさにいつまでも目が慣れなくても
怯えて逃げて背を向けてたって
誰も気にもしないんだから。

ー 太陽 ー

8/6/2024, 9:04:56 AM

雅楽における時の声では
夏は黄鐘調(おうしきちょう)に当たる
名の通り黄鐘を主調音とした六調子の一つの旋法
この六調子と五行説との結びつきにより
四季に配され、祭儀などに用いられたりする。

芸術音楽というだけあり
論じられる内容は多いが
ここでは語りきれないだろう事は
想像に難くない。

少しの単語の組み合わせで
様々に派生する言葉が占める範囲の広さに
世の中は容易く無いものだと
改めて、感じたお題であった。

ー 鐘の音 ー



【作者の後書き】
時間ギリギリの滑り込みだったので
論文の様になってしまいました。

8/4/2024, 8:37:40 PM

昼はつまらない事なのに
夜はどうしてこんなにも

真夏の湿気を含んだ生ぬるい夜風が
暗がりを照らす電灯と自販機のノイズが
急に夜闇を割いて飛び込んでくる車の轟音が
自分しかいないと錯覚させるアスファルトの道が
電気の灯りきらない薄ら寒い田舎の町並みが
嗤う様に緑が揺れる並木達のざわめきが
綾取りの如く絡まり合う電柱の線が

どうして、こんなにも
心に波を打つのか。


全貌の視認が容易いと
いつしか黙認してしまう
そこにあってしかるべき物
見慣れる度に自然とつまらない
粗末な事と意識は自ずと切り離す

それらを夜の帳が覆い
切り取りを強制する事で
予測が不可能な事柄となる
予兆少なに露わになるモノは
途端に幾つもの想定へ変化する

陽を喰らう周囲の暗さは恐怖心を舐め
我々の想定にも光が灯る事は少ない
故に人は夜を恐れてきたのだろう
幾ら光を灯し夜を拭おうとしても
我らは夢へと潜り込む他ないのだ
“今夜”が、また明けるまでは。

ー つまらないことでも ー

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