ちょっと前に 明日世界が終わるなら ってお題書いたなぁと考えちゃうと似てる文章ばっかりしか思いつかないんですよね…。
今回は見送りでお許しください。
アイツがあんまりにも口煩くするもんだから
日頃の溜まりに溜まった鬱憤を晴らそうと
本の出来心のつもりだったんだよ…
偶々、居酒屋のカウンター席で
席を一つ空けた隣に座ってたから
酔った勢いで声掛けちまったんだ
話したらすげぇ気があって終電が無くなって
そんな、そんなつもりじゃなかったのに
朝起きたら…ホテルで、お互い裸で…
も、勿論!指輪を見せて説明したんだ!
けど、彼女は綺麗に笑って…
疲れてたんだねって慰めてくれたんだ
それが、このくすんだ指輪より
大事に、思えてしまったんだよ…
だからっ…そのっ…
別れ「もう結構、本当に救いようも無い茶番劇ね」
ー 最悪 ー
こういう匿名の場所なら書いてもいいか〜
とはならないのが、私だ。
唯一言える秘密といえば、煙草ぐらいだろうか。
_· _··· ·· ____ _·_· _·__ ·· ··_·· ···_ ·__ ···_ _··· ·_· ·_
ー 誰にも言えない秘密 ー
扉の外にがちりと付けられた錠前が
閉じられているとは知りたくなかったから
こちらから見えないことは幸いだった
狭い牢獄は私次第で城となり
窓の外に関心さえ向かなければ
大抵の事は幸せなのだと思えていた
朝月夜を背景に飛ぶ鳥が朝を告げ
吹き込む風が香りという便りを置いてゆき
夕暮れという友が部屋の中を駆け抜け
灯りを混ぜ過ぎた夜の帳も下りた頃には
星達も空に敷かれた布団に潜り隠れんぼ
手元の薄い毛布でも夢は暖かく鮮やかで
ある物だけを数えれば
食うにも困らず
雨風にも晒されず
袖を通せる衣服がある
なんと贅沢で幸せな事だろう
いつかは覚めると知っているから
私の城は豊かなのだと安心出来るのだ。
願いは一つ、目が覚めない事に違いない。
ー 狭い部屋 ー
飲みきらずに席を立った君を
安っぽい炭酸飲料は引き留められず
結露が広げる水溜まりに冷めるように
向かいの席もまた、温もりを失い始めていた。
深夜まで営業している家族向けの飲食店は
この状況下では皮肉にしか取れず
貴方が拒んだ素直に泣けない私は
その手酷い追い打ちに空元気な声だけを
ほろほろと机へ落とす事しか出来なかった。
「君とさ、家族になってみたかったんだ
随分と気付くのが遅過ぎたけれど」
引き損ねた袖の残像が
去り際に振られた手と重なって
積まれた後悔の痕跡に顔を伏せ
ようやく私は、君が望んでいた
涙を零す弱々しい女になれたのだと知った。
ー 失恋 ー