狼星

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2/27/2023, 11:53:32 AM

テーマ:現実逃避 #107

今日もテスト、明日もテスト…。
テスト、テスト、テスト……。テスト週間になると、僕はよく現実逃避してゲームをしていた。テスト週間なんだから、勉強しないといけないのはわかる。
友達だって、「テスト勉強? やってない(笑)」なんて言っているけどいつもいい点取っている。どうせやっているんだろう? と内心思う。

社会人になって思う。
あの頃のほうが良かったなぁ。と。
でもよく考えると、その頃はテストで追われたりしない頃のことを羨んでいた気がする。

人は過去のことを羨み、今を悔やむ。
もちろんそれが後に羨むことは知っている。
でも、今には満足できない。
全部知っている。でも、あの頃やっておけば…と思うのも全て変えられないのが過去だ。
変えられるのは未来のみ。
だから、現実逃避してそういうことを考えないで、無になることだって大切だと僕は思う。
過去のこと、未来のことだけじゃなく、今が一番大切。でも、それから逃げることだって時にはいいんじゃない? 

♡1500ありがとうございますm(_ _)m

2/26/2023, 12:13:02 PM

テーマ:君は今 #106

過去の私へ
君は今、未来の私の糧になっているよ。
辛いことがあるかもしれない。
大変なことがいっぱいあるかも知れない。
目の前にあることで、いっぱいいっぱいになってしまっているかもしれない。
それでも頑張ろうとするあなたは、絶対に幸せになれる。今私が証明している。
だから、諦めないで頑張って。
あなたが頑張っていることは、絶対に未来へとつながるから。公開させないから。
                 未来のワタシより

2/25/2023, 1:06:12 PM

テーマ:物憂げな空 #105

物憂げな空の日。
僕はあのホラーハウスにまた、顔を出していた。何度来てもこの家は不気味だ。今日の空のようだった。
今日はドタバタしていてただでさえ忙しいのに、ララキに呼び出された。
『なんだろうな』
僕の背後にはシャドウがいる。
「さぁ?」
僕がそう言うとララキの声が聞こえてきた。
『よくぞ来てくれた!!』
そう言うと僕よりも先にシャドウにくっつく。
『や、やめろ…。引っ付くなっ!!』
シャドウがそう言ってララキを引き剥がそうとするがうまく行かない。
「ララキ。要件は?」
僕がそう言うと、ララキはムッとしていたがシャドウから離れ、少し奥にある壊れかけた机から何かを持ってくる。
『これ、ラックから』
「ラックから…?」
僕はそれを受け取る。上で包まれているそれは、少し重かった。そして、そこには一通の手紙が挟まっていた。
【友達の真へ 
 例の本を送ります。また、ゆっくりできるときに読んでください。また、会える日を楽しみにしています。 
 ラックより】
包を開けると一冊の分厚い本が入っていた。
これが、狼星さんの本…。あの国のことが書いてある…。
僕はその本と手紙をそっと抱きしめた。
「ありがとう。ララキ。また、ラックと会いたくなったよ」
『あぁ。いつでも言うといいさ』
『ん…? ラックって誰だ?』
シャドウだけ、話についていけていなかった。
僕は近いうち、この本を読もうと思った。そして、ラックとこの本について話すんだ。そんな未来のことを考えていると、物憂げな空が少しだけ明るくなった気がした。

          ☆★☆★

〔そろそろ届いたかな…〕
僕は真のことを思う。届いたらいいな。
また会って、話をしたいな。
「ラクラ〜。こっち来て〜」
「はーい」
返事をしてミデルの方へと向かう。
また、会えるよね。真。早く会いたいよ。
心のなかでそう呟いた。声は届いていますか…?



今回でラック&真のリレー小説は終わりです!
♡1000達成、本当にありがとうございましたm(_ _)m
これからもよろしくお願いいたします。

2/24/2023, 12:55:35 PM

テーマ:小さな命 #104

「どうだった?」
ラックさんが聞いた。
「なんだか…懐かしい気持ちになりました」
「懐かしい…?」
「はい…。初めてあったのに、おかしいですよね」
僕は自分の口から出た言葉を否定した。そう、こんなのおかしい。しかし、ラックさんの答えは予想外だった。
「わかる。僕も懐かしい気がしたんだ。会ったことないのに会ったことある。初対面だとは思えない、なんでだろう…」
同じふうに思っている人がいたことにびっくりして、思わずラックさんをじっと見つめてしまう。
「あ、もしかして僕と思っていること違った?」
僕の視線にラックさんは少しオドオドしていた。僕は首を横に振る。
「えっと…。気持ちがうまく伝えられなくて…。でも、それを補うような言葉遣いで…凄いなって」
僕がそう言うとラックさんの耳が赤くなった。
「ま、全く〜。お世辞上手なんだから〜。さては、真くん世渡り上手だな〜?」
照れ隠しなのかそっぽを向きながら言うラックさん。年上の方に言うのもおかしいかもしれないが、可愛いと思う。
「それにしても、彼の本読みたくなっちゃった。まだ発売日は先かな〜」
「僕も読みたくなりました。さっき他国にも販売されるって言っていましたけど、僕が住む国にも…届くでしょうか」
僕がそう言うと、ラックさんはふっと笑った。そして、
「もちろん。なんなら、手に入らなかったら僕が送ってあげる」
「え…?」
「だって僕たちもう友達でしょ?」
友達…。そう言ってもらえたことが嬉しかった。僕は頷く。
「じゃあ、これからは敬語なし! 僕のことはラックって呼んで! 真!!」
僕は少し戸惑いながらも
「よろしく。…ラック」
そう答える。ラックは満足気な笑みを浮かべた。
『随分、仲良くなったみたいじゃないか』
「うわっ!」
僕は急に聞こえた声にびっくりして跳ねる。
「ララキ、いつから聞いていたんだい?」
『今来たところだよ』
ラックとララキの会話を聞いていると
「ラクラ!! やばい! バレるよ〜!!」
そう言って駆けてくる人影。ミデルさんだ。
「ラクラ!! お母様があなたを探しているわ! 今すぐ王宮に戻って!!」
「それはやばいなぁ…。真、また今度ゆっくり話そう」
ラックがそう言ってさっきは赤かった顔が今度は真っ青になっていく。
「わかった。またゆっくり話そう」
僕がそう言うとラックとミデルさんは去っていった。

『随分と仲良くなったじゃないか。ラックと』
「まぁな」
『珍しいんじゃないか? 人間とだと』
「そうだな」
『さっきまでのラックとの話し方と違うのはなんでだ?』
「やっぱり聞いていたのかよ」
僕がそう言うと、バレた? というようにいたずらっぽく笑うララキ。
『まぁ、力になれることならやるよ。人外ハッカーとしてもこの国と…。ラックと真の架け橋としても』
「それは……。ありがとう」
『そういうとこだよな…。真って』
「何が?」
『別に』
キョトンとしている真に、何で人間にはモテないんだろうなと思うララキであった。

          ☆★☆★

友達。
僕はその響きに苦い思い出が重なる。
友達、かつてはそう思っていた人に裏切られた。僕はそれからあまり深い関わりを持つことを避けていた。
でも、彼は違う気がした。
だから僕から彼に友達といった。正直怖かった。
彼に友達じゃないと言われたら…と。
でも彼は、頷いてくれた。嬉しかった。彼と友達になれることが。また、会おうと約束してくれたことが。
「何かラクラ、ニヤニヤしてる」
「え…? 本当?」
「うん。嬉しそう」
隣りにいるミデルにそう言われ、思わず手を頬に当てる。
「楽しかった?」
「うん。凄く」
「今度は私も混ぜてもらおうかな」
ミデルはフフフッと笑った。
「そうだね。また、会いたい」
僕はそう言って青い空を見上げる。新しい小さな命が芽吹くように、新しい友情が芽生え始めている気がした。

2/23/2023, 1:18:14 PM

テーマ:Love you #103

僕たちが会場につくと、もう人がたくさんいた。司会者が話をしている。
「さぁ、始まるかな」
僕が真くんに言うと真くんはぴょんぴょんと跳ねている。やっぱりこの国では真くんは小さくて、ステージが見えないようだ。僕の視線に気がつくと跳ねるのをやめた。
「見えないのならそういえばいいのに。特等席を用意してあげようか?」
「え?」
真くんは目を丸くして僕をみる。僕だって、伊達に魔法使いやっていないんでね。
僕は"飛行魔法"を唱えると2人ともふわりと宙に浮く。
「飛んで…る」
真くんは驚いていたけど、思ったよりも落ち着いていた。なんなら、飛行魔法を僕よりもうまく使いこなせていた。体感がいいのかもしれない。
『さぁ、皆さん。お待たせいたしました。狼星さんの登場です!』
僕も真くんも…それ以外にも、来ているお客さんみんなの目がステージに向いた。
出てきたのはカクカクとロボットのように動く、少年。
『こ、こ、こ。こんにちは』
ーキーンとマイクの音。
彼も目を瞑る。会場がざわめく。
『すみません、すみません…』
彼が頭をペコペコと下げる。大丈夫かな…。心配して見ていると、彼が手を上げる。そしてパチンッと指を鳴らした。
『あ、あ。これで直ったかな…』
彼の声がクリアに聞こえる。何が起きたのか最初は分からなかったが、これは彼の魔法らしい。
『すみません。紹介に上がりました、狼星です。今回はこのような披露宴を開いていただきありがとうございます』
彼はスラスラと話し始める。魔法を使ったときからなんだか雰囲気が変わった。
『この魔法は僕の友人の魔法で…。僕は魔法を使えません』
魔法を使えない…ということは普通の人間ってことか。
『この国では、人間はもちろん。いろんな他種族の者たちにとっても住みやすい世界です。だから僕は、この国の事をもっと他の国の人にも知ってほしいと思い、この作品を書かせていただきました。
他国も、この国のように種族が違うからと言って差別したり、暴力したりすることなく、平和で誰とでも気軽に話せる。そんな国にしていってほしい。この国のように』
そう言うと彼は両手を握り、目を瞑った。彼は本当に平和を願う純粋な少年なのだろう。僕は彼がどんな話を書いたのか、凄く読みたくなった。早く書店に本が出されないかと、待っている自分がいる。
『でも、僕はこの国の王様に一番お礼が言いたいです』
彼の言葉に僕は瞬きを何度かした。
『まだ、お会いしたことはないのですが、とても素敵な方だと聞いております。きっと、言葉通りでしょう。彼がこの国を作り、今日まで築き上げてきたことは、この国のみなさんにとっても、かけがいのないものだと思います。僕も同じです。こんなにも、平和でみんなが助け合える国を作ってくださり、ありがとうございます』
彼はこの披露宴に、国王である僕が出席していることに気がついていないのだろう。
こんなにも率直に言われると「Love you」と告白されているように感じてしまう。顔が熱くなっていくのを感じた。こちらこそ、ありがとう。僕は心のなかで思った。本当だったら今すぐにでもステージに降りて、この気持ちを伝えたかったのだが、真くんを1人にはできないし、なによりお忍びできているということを忘れてはいけない。だから、心のなかで心を込めていった。
〔ありがとう、狼星くん〕と。


こんばんは、狼星です。
今回、自分の作品に自分を出すという良く分からない展開になりました。
凄く不思議な感じでした。
狼星の出番は終わりましたが、もう少し続くのでお楽しみに。    
それでは。

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