狼星

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テーマ:物憂げな空 #105

物憂げな空の日。
僕はあのホラーハウスにまた、顔を出していた。何度来てもこの家は不気味だ。今日の空のようだった。
今日はドタバタしていてただでさえ忙しいのに、ララキに呼び出された。
『なんだろうな』
僕の背後にはシャドウがいる。
「さぁ?」
僕がそう言うとララキの声が聞こえてきた。
『よくぞ来てくれた!!』
そう言うと僕よりも先にシャドウにくっつく。
『や、やめろ…。引っ付くなっ!!』
シャドウがそう言ってララキを引き剥がそうとするがうまく行かない。
「ララキ。要件は?」
僕がそう言うと、ララキはムッとしていたがシャドウから離れ、少し奥にある壊れかけた机から何かを持ってくる。
『これ、ラックから』
「ラックから…?」
僕はそれを受け取る。上で包まれているそれは、少し重かった。そして、そこには一通の手紙が挟まっていた。
【友達の真へ 
 例の本を送ります。また、ゆっくりできるときに読んでください。また、会える日を楽しみにしています。 
 ラックより】
包を開けると一冊の分厚い本が入っていた。
これが、狼星さんの本…。あの国のことが書いてある…。
僕はその本と手紙をそっと抱きしめた。
「ありがとう。ララキ。また、ラックと会いたくなったよ」
『あぁ。いつでも言うといいさ』
『ん…? ラックって誰だ?』
シャドウだけ、話についていけていなかった。
僕は近いうち、この本を読もうと思った。そして、ラックとこの本について話すんだ。そんな未来のことを考えていると、物憂げな空が少しだけ明るくなった気がした。

          ☆★☆★

〔そろそろ届いたかな…〕
僕は真のことを思う。届いたらいいな。
また会って、話をしたいな。
「ラクラ〜。こっち来て〜」
「はーい」
返事をしてミデルの方へと向かう。
また、会えるよね。真。早く会いたいよ。
心のなかでそう呟いた。声は届いていますか…?



今回でラック&真のリレー小説は終わりです!
♡1000達成、本当にありがとうございましたm(_ _)m
これからもよろしくお願いいたします。

2/25/2023, 1:06:12 PM