狼星

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1/3/2023, 1:32:34 PM

テーマ:日の出 #52

僕には魔物が見える。
僕自身、半分魔物なのかもしれない。
だから、人から恐れられている。
夜は魔物が多く活動する時間帯だったが、今は昼間と同じくらい明るい人間の街には、あまり魔物は寄り付かない。だから僕は夜に暗い丘の上で魔物たちと話す。
そして、僕は日の出になると魔物たちから離れ、人間が生活する街へと帰る。
そんな日常。
……僕の平凡な日常。

♡600ありがとうございます(_ _)
これからもよろしくお願いします

1/2/2023, 3:09:28 PM

テーマ:今年の抱負 #51

今年の抱負って、何を書けばいいんだろう…。
学校の課題で出されたプリントに『今年の抱負』という欄があり、手が止まる。
さっさと終わらせたい課題なのに、悩む…。
どんなことを書けばいいの…?

そんなこと思ったことない?
私は今年、受験だから勉強頑張る。が伊達?
それとも、違うことを…?
うーん…悩むなぁ…。

1/1/2023, 12:45:15 PM

テーマ:新年 #50

白い息を吐きながら、道を進む。暗い、電灯の光を頼りに数メートル先しか見えない道をゆく。
少し歩いていくと、空は薄く青色に染まり、人で賑わっている道に出る。

今年は新年を神社で迎える。友達と一緒に。
「お、来た来た」
現地集合のため、来る時間はバラバラ。先に来ている友達が一人。僕を手招く。
「ごめん、待った?」
「いいや、今来たとこ」
そういう僕の友達、勇斗(ゆうと)はかじかむ手に息を吹いている。
「結人(ゆいと)は?」
「もうすぐ着くらしいけど…」
スマホの画面を見てからあたりを見回す勇斗。
「おーい!! ……ごめんごめん!」
そこに走ってきたのは結人だった。
「いや〜…人多すぎ…。迷ったわ~」
結人の手にはペットボトルが3つ。
どれにも『柚子れもん』と書かれている。
「寒いかな〜って。俺からの奢り」
そう言って結人、1つずつペットボトルを渡したとき、右頬が暖かくなる感覚がしたのと同時に、右の視界の端に光が指す。
「わぁ…」
オレンジ色の光が青い空を染めた。周囲にいた人々も出てきた初日の出に目を奪われていた。
「なぁ、俺たち新年の挨拶してなくね?」
ふと、結人が言った。確かにしていない。僕たちは息を揃えて言った。
「「「明けましておめでとう」」」

※新年明けましておめでとうございます。
 狼星です。
 昨年はありがとうございました。
 今年も良い物語が書けるように頑張っていきますの 
 で、温かい目で見守っていただけると幸いです。

 今日からまた通常通り、短編の物語を書いていきま
 す。また、気が向いたらリレー小説も出すかもしれま
 せん。
 今年もよろしくお願いいたします。

12/31/2022, 2:41:47 PM

テーマ:良いお年を #49

※この物語は#20からの続編です

「待ってよ〜!! ホウキを使って飛ぶなんてずるい〜」
「しょうがないなぁ〜。 ほら、乗せてあげる」
「わ~い」
そんな会話が飛び交う国にやっとなった。
「今日は王子様がこの国の王に、ミデル様が王女になるのよ」
「ミデル様!! 私大好き!!」
僕は隣りにいるローブを深く被った人を見る。その人も僕の方に顔を向けていた。
「今日はこの国中のお祭り」
そう話すのは小さい子供とその母親だ。
「早く始まらないかな〜。お祭り」
子供が言った。僕はその人の手を握ると少し驚いたような顔でこちらを見た。彼女の深く被ったローブから黄緑色の瞳が除く。
「急ごうか、ミデル」
僕がそう言うとふふふっと笑って頷くミデル。
「会場はもうすぐよ。『ラクラ』」
「その呼び方をするのは久しぶりだね」
僕がそう言うと微笑んでいるミデルは止まり、空中に星を書く。
「"移動魔法"。目的地は、『王宮へ』」
すごいスピードで景色が変わっていく。人々にぶつかるかと思いきや貫通していく。この数年でミデルの魔法も進化を遂げたのだ。

セピアの事件後、僕たちは『魔法使いも普通の人間も互いに助け合える国』を作れるようにいろんな政策を取った。苦労も失敗もたくさんした。
その結果、理想と近しいものを作り出すことができている。もっと課題はある。
でもその前に僕たちは、国王・女王へと認められる年になった。僕は20になった。
この3年。たった3年、されど3年だった。
今日は戴冠式。父上、母上の待つ会場へ。
その前にどうしても来たかったのは、ミデルと出会ったこの市場。みんなが笑い会える市場になった、この市場に来たかった。戴冠式が終わったら、ミデルとこれからの話をしていこうと思う。
スピーチでは国民の人たちに今日という日を迎えられた感謝を。
そして、いつか僕らの間に子供ができたら僕たちのことを話そうと思う。
『光と闇。
 そして魔法使いも普通の人間も互いに助け合える国』の話を。
                   __end

※みなさんこんばんわ。狼星です。
 『光と闇の狭間』から始まり今日まで続いてきたこの
 リレー小説楽しんでいただけたでしょうか。
 今年ももうすぐ終わりますね。
 このアプリで皆さんの時間を少しいただき、私狼星の
 物語を沢山の人に読んでもらえるていると考えると
 ドキドキしてしまいますが。これからも狼星を。
 狼星の物語をよろしくお願いいたします。
 
 それではみなさん、
      『良いお年』を。

12/30/2022, 1:41:13 PM

テーマ:1年間を振り返る #48

※この物語は#20からの続編です

「ラック…。何しに来たんだよ」
ぶっきらぼうに言ったのは罪人のように後ろで手を縛られているセピアだった。
「そのような口をきくとは!! すみません…。親としてこの僕が腹を切ります!!」
青い顔をしていったのはこの王宮の執事の一人、セピアの父親だ。
「やめてください! そんなことしなくていいです!」
僕は慌ててセピアの父親を止める。本気でしそうな勢いがあったからだ。セピアは父親にも隠して裏社会で動いていたらしい。よっぽど、こっそり動くことと人を騙すことが上手いらしい。
「セピア」
僕は彼の名前を呼ぶと縛られている彼を抱きしめた。
「は…。なにしてんの」
セピアは抵抗しようとしているが自由は縄によって縛られている。
「ごめんな。気づいてあげられなくて」
僕は言った。するとセピアの抵抗が弱まる。
「セピアが苦しんでいたのに気がついてあげられなかった。親友失格だな」
「何言ってー」
「セピアが自分を追い込んだ上で出した結果がこういうことを起こしてしまったんだ。それに、辛いとき一緒に聞いてあげられなかったから、裏社会へ手を伸ばしてしまった。誘惑から逃げられなかった。
自分が辛いから、魔法使いを嫌うようになって、魔法使いよりも自分のほうが優遇される人物になりたかったのだろう?」
僕がセピアを抱きしめたまま言った。セピアは何も言わなかった。
「お前は何も悪くない。全部、俺が選択した結果だ」
「違うよ」
セピアの言葉に即否定すると続ける。
「僕はこの王国の後継者のはずなのに、この国のことを何も知らなかった。後継者のはずなのに、どんな人が今、どんな目にあっているのか知らなかった。
それに、何よりもすぐそばにいた親友の悩み1つも解決できない僕だ。よっぽどセピアのほうが知識はあるし、後継者にはふさわしいんじゃないかって僕は思っていた」
セピアの体は震えていた。小さく嗚咽も聞こえ、僕の首のあたりに水っぽい感覚があった。
「ごめん…ごめん……」
セピアはかすれた声で言った。
「お前は、何も、悪くないのに。親友、失格は、俺の方、なのに…」
途切れ途切れで言うセピアの背中を優しく叩く。
「俺の、ほうが、馬鹿だ……」
これは親友としての僕たちの関係内のやり取り。セピアがやった罪は大きい。世間からの目は信頼から批判に変わるだろう。
しかし、僕だけは。1人の親友として彼を思っていたい。

セピアは、王宮からいなくなった。もちろん、セピアの父親も連帯責任としてこの職を退任した。セピアの父親は最後涙を流していた。
「ありがとうございました」
そう言って、お辞儀をしてその場をあとにした。
世間は『早期の新国王、任命』がなくなったのと同時にセピアの話題が広まった。もちろん悪い方で。
魔法使いたちの開放と安全の確保。また、裏社会の管理人たちは全てとはいかないが捕らえられた。
僕はこの1年間を振り返り、それらを父上、母上に話した。ミデルは空き部屋に住んでもらっていた。ミデルは敵が多いためここにいたほうが安全と判断したためだ。
最初は、怒っていた母上も僕の話を聞いていくたび、機嫌は良くなっていった。僕は、最後に言った。
「父上と母上が闇と光でお互い支え合う国を作ったように。僕は魔法使いも普通の人間も互いに助け合える国を作っていきたい」
と。

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