狼星

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テーマ:新年 #50

白い息を吐きながら、道を進む。暗い、電灯の光を頼りに数メートル先しか見えない道をゆく。
少し歩いていくと、空は薄く青色に染まり、人で賑わっている道に出る。

今年は新年を神社で迎える。友達と一緒に。
「お、来た来た」
現地集合のため、来る時間はバラバラ。先に来ている友達が一人。僕を手招く。
「ごめん、待った?」
「いいや、今来たとこ」
そういう僕の友達、勇斗(ゆうと)はかじかむ手に息を吹いている。
「結人(ゆいと)は?」
「もうすぐ着くらしいけど…」
スマホの画面を見てからあたりを見回す勇斗。
「おーい!! ……ごめんごめん!」
そこに走ってきたのは結人だった。
「いや〜…人多すぎ…。迷ったわ~」
結人の手にはペットボトルが3つ。
どれにも『柚子れもん』と書かれている。
「寒いかな〜って。俺からの奢り」
そう言って結人、1つずつペットボトルを渡したとき、右頬が暖かくなる感覚がしたのと同時に、右の視界の端に光が指す。
「わぁ…」
オレンジ色の光が青い空を染めた。周囲にいた人々も出てきた初日の出に目を奪われていた。
「なぁ、俺たち新年の挨拶してなくね?」
ふと、結人が言った。確かにしていない。僕たちは息を揃えて言った。
「「「明けましておめでとう」」」

※新年明けましておめでとうございます。
 狼星です。
 昨年はありがとうございました。
 今年も良い物語が書けるように頑張っていきますの 
 で、温かい目で見守っていただけると幸いです。

 今日からまた通常通り、短編の物語を書いていきま
 す。また、気が向いたらリレー小説も出すかもしれま
 せん。
 今年もよろしくお願いいたします。

1/1/2023, 12:45:15 PM