愛し合う二人を、好きなだけ

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12/14/2024, 11:01:42 AM

小説
おばみつ



キラキラと星のように輝くイルミネーションを見上げながら息を吐く。白く染まった息は上へ上へと登っていった。

隣を見るとイルミネーションと同じくらいに目を輝かせた甘露寺が感嘆の声を漏らす。

「わぁ...!綺麗...!」

「あぁ、とても綺麗だ」

俺の視線は既に上から横へと移っていた。淡い光を顔に受けながら一生懸命見上げる姿が、俺には美しく映った。未だ彼女は俺の視線には気が付かない。

しばらく見つめていると、彼女の若草色の瞳がこちらを映す。

「もう!伊黒さん、私のことじゃなくてイルミネーションを見てよ!」

膨れた頬をつつくと、ふしゅっと白い息が空気中に舞う。俺の目にはもう彼女しか映っていなかった。

「どっちも見てるよ、...綺麗だ」

熱を込めた視線を送ると、彼女の頬が少し赤くなる。

「...イルミネーションがでしょ?」

「...どうかな?」

俺はそっと甘露寺の甘く柔らかな唇を、自らの唇と重ね合わせた。

12/13/2024, 2:12:03 PM

創作(?)



愛を注いで、固めて形作れば人間の出来上がり

人間は愛で出来ている

そうは思わないかい?

愛がなければ生まれない
愛がなければ生きられない

人は誰しも何かを愛して生きている

それは人でも、動物でも、物でも、概念そのものでも

神様は面白いように作ったね

12/12/2024, 2:30:16 PM

心と心


今日はいい事あったから自分語り

今日久しぶりに幼なじみ達とご飯食べたのね
私と女の子と男の子
昔はここに恋愛感情とかあったけど、今はただの仲のいい幼なじみで
子供に返ったように無邪気に話して
お互い就職どうしようとか結婚できるかとか
未来ある話して
MBTIの話したら私がINFJだったのが意外だったみたい
二人は調べて、私が一歩後ろに下がる性質があるって知ったらしくて
どうして?って聞かれたの
何かやって嫌われることが怖いって答えた
そしたら二人がね、
もう十年以上の付き合いだよ、嫌いになんてならねぇよ、って
真っ直ぐ目を見て言われた
普段は茶化す男の子も真剣で
私、なんて幸せものなんだろうって思ったの
こんな素敵な幼なじみと居られて、こんか素敵な言葉を貰えて
本当に、ほんとうに、嬉しかったの

ずっとずっと大切にしたい
あいしてる、これからもずっと
傲慢だけれど、二人の幸せを願わせて欲しい
いつかおじいちゃんおばあちゃんになって
あの時はあんなことあったねって三人で話したい

それまで一緒に生きていきたい

そう思ったよ

12/12/2024, 1:50:39 PM

小説
迅嵐



「お前が何でもないフリしてるのは知ってる」

それは自販機でブラックコーヒーを買うボタンを押した瞬間に言われる。

「......」

おれは無言で答えた。そんな様子を見た彼はニコリと笑う。

「目的も、方法も、詳しいことは何も知らないが、それだけは知ってるんだ」

そう言うと彼は手にしていたペットボトルに口をつける。

「そっか」

太腿のトリガーケースに触れる。もうそこには風刃は無いけれど、後悔はしていなかった、

はずだった。

全てを知るおれと、何も知らない嵐山。

真逆なおれ達なのに、どうしてこうもお前は見抜いてしまうのか。

「...知っててくれてありがとな」

「...あぁ」

頬を濡らすものを、嵐山は知らないふりをしてくれた。

12/10/2024, 12:15:48 PM

小説
迅嵐



「友達とか…仲間とか...そんなありきたりな関係に向ける気持ちだったらこんなことしてない」

隣にある肩に頭を預け、筋張った手を握ってみる。
大袈裟に跳ねる迅の様子に笑いを零す。

「...じゃあどんな感情?」

「...それは...分かるだろう?」

言葉にすることが恥ずかしくて、つい濁してしまう。
その事が不服だったのか、握った手が強く握り返される。

「わかんない、教えてよ」

困ったような、期待しているような顔で覗き込まれる。その顔がどこか愛する飼い犬に似ている気がして。

「好きってこと」

俺は斜め横にある大好きな人の頬に、そっとキスをしたのだった。

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