部屋をでるとき、
脱いだスリッパをちまっと揃えるところ
家族の帰りがすごくおそくなるとき、
メモ用紙に置き手紙を書いてくれるところ
ありがとう、
を誰に対しても正直にいえるところ
小さい頃から変わらず素敵だよ
そのひと手間 こころづかい 律儀さ
照れくさくて直接はつたえられないけど、
妹のそんなところが so cute!
[cute!]
1500円するケーキが1000円に値引きされていた。
迷わず買って帰り、仕事終わりに食べた。
たまたま見つけたケーキを即決で買う。
誰にもお伺いを立てず、自分で買う。そして食べる。
帰りの車の中で「これが、働くってことかあ」と
しみじみと感じた。
パワーチャージ完了。
あすもまた、仕事へ向かう。
[記録]
<ジンジャーエール買って飲んだ
こんな味だったっけな> (「ばらの花」くるり )
大事なことを思い出すように、
記憶をなぞるように、なんども口ずさむ。
大学生の頃、このうたが大好きだった。
旅に出たかった。
ここじゃないどこかに行きたかった。
それはどこでもよくて、どこでもよくなかった。
何者かになりたかった。
何者になりたいのかがわからなかった。
一輪のばらの花を贈りたかった。
あなたじゃなくちゃだめだった。
贈る勇気なんて持ち合わせていなかった。
でも、根拠のない自信に、満ちていた。
自由だった。
今ではどこにいるのかもわからない友人も多い。
みんな元気にしてるかな。生きてるかな。
SNSで辿ればわかるかもしれないけれど、
なんとなく、それはしないで過ごしている。
思い出は、思い出のままにしておきたい。
一輪のばらの花は、まだ隠し持ったまま。
[一輪の花]
抱きしめたとき
抱きしめられたとき
魔法みたいだと思った
身も心もふわっと、かるくなったから
どんなことがあっても大丈夫だとおもったから
年月を経て、
腰がまがって、
指先がおぼつかなくなって、
歩くのが遅くなって、
ふたりが独りになって、
おもうこと
魔法だと思っていたそれは、
魔法よりもきっとむずかしくて、
魔法よりもきっともどかしくて、
魔法よりもきっと効き目がながい、
きっと、
それこそが、
かけがえのないあなたから貰った
深い愛、だった。
そっと、手を合わせる。
目の前であなたは微笑んでいる。
あぁ。わたしはこのひとが、
ほんとうにすきだ。
[魔法]
「虹!」
きみがゆびさす先にはシャボン玉 七色に光ってた
ふわふわ踊る奇跡みたいな輝き 青空、公園、春の匂い
ぱちん!
ぼくがふれたら弾けたシャボン玉
みるみる曇るきみの顔 青空、泣き声、春の匂い
一緒にみた虹色と破裂音
それはぼくの初恋が終わったしるし
それでも、きみの「またね」を信じてた
ベランダからひとり見あげる虹色の球体
27歳、性懲りもなく膨らますシャボン玉と未練
「いまからそっち行ってもいい?」
ぼくは星になったきみに問う
声なき青空、東京の空
排気ガスに混じって春の匂いがした
[君と見た虹]