めざすのは銀河のむこう側
出発のベルが鳴りひびく
ほらね僕たちなんにもこわくない
互いを見つめあって、笑う
「「サヨナラ」」
[夜空を駆ける]
きみはとおくへいった
うつくしい髪をほどいて
わたしの手がとどかないところへいった
いのちがつきたわけじゃない
あえなくなったわけじゃない
つめたくなったわけじゃない
ただ、ふたりを知っただけ
ただ、ひとりを知っただけ
[ひそかな想い]
友情と音楽を、
聞き流すように消費している気がする。
それは愛情にも言えて、
いくら享受しても延々と流れてくるような、
そんな気がしている。
定額制配信サービスのような、
そんな気がしている。
終わりのない自動再生。
終わりのないおすすめ。
聞き流す愛情。
聞き流す説教。
聞き流す友情。
寝転がり天井をぼんやりみつめていると、
自動再生のSpotifyが歌い出した。
Who are you?
Who, who, who, who?
Who are you?
Who, who, who, who?
Who are you?
Who, who, who, who?
Who are you?
Who, who, who, who?
【Who Are You / The Who 】
「お前は誰だ?」
はるか昔に父と聴いた音楽に、どきりとする。
あの頃は聞き流すなんて、しなかった。
何もかも、ある、ことが当たり前じゃないんだ。
友情も音楽も愛情も、当たり前じゃない。
受け流して良いわけがない。
たった今、あるもの、あってくれるもの。
たった今、出会えたもの。
それらひとつひとつを、しっかりと、受け取るんだ。
忘れかけた本当のわたしが、戻ってくる音がした。
「わたしは、わたしです。」
[あなたは誰]
アイデンティティの中身を覗き込む夜
わたしのこころのなかのモノ・コト
ずいぶん溜まった
地層みたいだ
手放すもんか
どれだけ時間が経ったって
それらは眩く光ってる
[輝き]
今、ここ、わたし、そのすべて
瞬間冷凍したかった
ささくれだった青春と
待ち焦がれていた5限の終わり
[時間よ止まれ]