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9/2/2024, 12:23:43 PM

心の灯火。そよ風が吹いただけで消えてしまいそうな火。今までずっと抱えてきたそれに、さらに追い討ちをかけられる。

最悪の境遇のなか、それでも生きた。死ぬ気で生きた。


お前は、そんな自分と同じ境遇にありながら、いつまでも燃え続ける心を持っていた。
そして、その火を自分に分け与えてくれた。


始めこそ悔しかった。意地があったから。
でもだんだん、その性格に絆されて、分け与えられるのも悪くない気がしてきて…








違う。お前が分け与えたんじゃない。
自分の心が勝手に燃え上がったんだ。


それに気づいた今、自分はあの人間を生涯愛すると誓った。




【心の灯火】

8/29/2024, 10:36:02 AM

口下手なくせに、お前は言葉を探してる。
自分を慰めてくれようとしてるのは分かる。
けれど、その行動が気にくわない。




お前がこうして隣にいるだけで十分なのに、それをお前は分かってないから。


【言葉はいらない、ただ…】

8/28/2024, 3:17:01 PM

「ただいま」
そういって突然訪ねてきた、死んだはずの人間。

なんで生きてるんだとか、教えた覚えのない自宅の場所をなぜ知っているのかとか、色々考えたけど、
もう一度対面できたことが嬉しくて嬉しくて、「おかえり」と返しながら思い切り抱き締めた。





そんな夢を見るほど、アイツが好きだった。





【突然の君の訪問。】

8/27/2024, 11:16:51 AM

雷雨が続く空の下、傘もささずに立ち尽くす。



服が水を吸って重くなる。肌にはりついたそれは全身から体温を奪っていく。顔や手を雨粒が流れて落ちていく。


今にもすぐそばから「バカ、風邪ひくぞ」という声が聞こえてきそうなのに。

こんなことをしても、誰にも咎められない。
咎めてくれる人は、もういない。



俺の唯一だった人間が死んだ。その事実を受け入れろと言わんばかりに、雨はさらに強くなる。



俺より先に死んだら許さないって言ったじゃん。
分かった、って、俺が怒ると怖いから気を付けるって、お前も言ってたじゃん。
なのになんで俺より先に逝くんだよ。



真っ暗な空を見上げ、「うそつき」と呟く。掠れた声しか出なかった。




【雨に佇む】

8/26/2024, 9:53:54 AM

向かい合わせで座りたいと頑なに譲らない彼女。
「隣だと顔が見えないでしょ」と涼しげな顔で言う彼女の耳は、ほんのり色づいていた。


【向かい合わせ】

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