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雷雨が続く空の下、傘もささずに立ち尽くす。



服が水を吸って重くなる。肌にはりついたそれは全身から体温を奪っていく。顔や手を雨粒が流れて落ちていく。


今にもすぐそばから「バカ、風邪ひくぞ」という声が聞こえてきそうなのに。

こんなことをしても、誰にも咎められない。
咎めてくれる人は、もういない。



俺の唯一だった人間が死んだ。その事実を受け入れろと言わんばかりに、雨はさらに強くなる。



俺より先に死んだら許さないって言ったじゃん。
分かった、って、俺が怒ると怖いから気を付けるって、お前も言ってたじゃん。
なのになんで俺より先に逝くんだよ。



真っ暗な空を見上げ、「うそつき」と呟く。掠れた声しか出なかった。




【雨に佇む】

8/27/2024, 11:16:51 AM